子育てはイライラの連続で、時には感情がドカンと爆発してしまうママもいるのでは?
子育てに追われるママは、とにかくストレスがたまりがち。イライラが募るあまり、心にもないことを子どもに言ってしまうこともあるかもしれません。
今回ご紹介したいのは、子育てにも活かせる「アンガーマネジメント」。
怒りの感情と上手に付き合うトレーニングを試してみてください。
子育てで忙しい毎日、ただでさえイライラしているママですが、子どものふとした言動に感情が爆発することはありませんか?
例えば、
・忙しい朝、食卓で子どもが遊びだす
・出かける間際になって玄関で、「行きたくない~」とグズる
・さんざん言っていたのに、子どもが宿題をしていない
などなど、子どもの言動にイライラして、ついつい声を荒げて怒るママもいるかと思います。
どうして私たちは怒ってしまうのでしょうか。
それは自分がこうなるはず、こうなるべきと信じている理想が、裏切られたと感じてしまうからです。
子育てに当てはめると、親が子どもに「~すべき」と思っていることを、思い通りにやってくれないため、怒りが生まれてしまいます。
「食卓に座ったらちゃんと食事をするべき」
「玄関で行きたくないなんて言いだすな」
「宿題は早くしておけ」
親が子どもに対して「こうして欲しい」という理想と目の前で起こる現実のギャップによって、「なんで?」と腹が立つのです。
この親が思い込んでいる「~すべき思考」を少し緩めてあげるのが、アンガーマネジメントの方法のひとつです。
自分の理想通りに物事が運ばなくても「少しくらいしょうがないか」と許容範囲を広げることができれば、子育て中のイライラをも軽減することができるでしょう。
アンガーマネジメントは、怒りの感情をコントロールする心理トレーニングのことで、1970年代にアメリカで生まれました。
アンガー(anger:怒り)をマネジメント(management:管理)して、怒りの感情に対処するテクニックです。
アンガーマネジメントでは、怒りがわいてくること自体を否定はしていません。
怒りの裏側にある、感情(辛い・悲しい等)に目を向けることが大切だと言われています。
アンガーマネジメントは、子育てだけではなく、夫婦関係や職場など怒りの感情がわく場面ではどこでも活かせます。
アンガーマネジメントで、自分の怒りがコントロールできるようになると、自分の感情を客観的に見ることができるようになります。
「自分がどういうことで怒りやすいか」という傾向と対処法を知っておくことで、子どもに怒りを爆発させずにすむのです。
あなたは自分の怒りにまかせて反射的に子どもを怒鳴りつけてしまったことはないでしょうか?
私自身アンガーマネジメントを知る前は、感情に任せて怒ってしまい、後で後悔したことがたくさんあります。
子どもをちゃんと叱る、になっていなくて自分の怒りをただぶつけるだけで、子どもはなぜママが起こっているのかがわからないまま、「怒っているママが怖い」と我慢するしかないのです。
そこで、子育て中ママにはぜひ知ってほしい、アンガーマネジメントの実践方法をご紹介したいと思います。
アンガーマネジメント実践1
「6秒待つ」
アンガーマネジメントで実践しやすいのは、カッとしたら6秒をやり過ごすこと。
子どもへの怒りをぶつけそうになる直前に、深呼吸して頭の中でゆっくり6秒数えます。
6秒待てば理性が働くといわれていますが、怒りがすっかり消え去ることはほぼないでしょう。
この6秒は、怒りが消え去る時間ではなく、カッとなって、ひどいことを言ってしまったり、相手を殴ってしまったり、物にあたって壊してしまうなど、最悪の事態を防いでよりよい対応ができるまでの時間だと考えてください。
アンガーマネジメント実践2
「怒りのレベルを10段階で点数化する」
怒りの感情が生まれたとき、自分が今どれくらい怒っているのかを数値化してみましょう。
「あの時の怒りが10だったら、今の怒りは7ぐらいかな?」と、自分の感情を客観的に見ることができます。
アンガーマネジメント実践3
「その場から離れる」
怒りがわいたときは、子どもと少し距離を置いて、トイレやキッチンなどへ移動することがおすすめです。
その場を離れる時には、「ちょっとトイレ」「お皿洗うの忘れてた」と言いおいて、また戻ってくることを必ず伝えます。
その場から離れてることで、気持ちをいったんリセットします。
アンガーマネジメント実践4
「魔法の言葉を唱える」
アンガーマネジメントでは、この方法を「コーピングマントラ」と呼びます。
「いつものこと。想定範囲内」
「腹を立てるのは時間の無駄」
など、自分が落ち着く言葉を唱えて、怒りを静める方法もあります。
アンガーマネジメント実践5
「怒りの内容を記録する」
「怒りの記録(アンガーログ)」は、自分がどんなことに怒ってしまうのかを客観視するアンガーマネジメントの方法です。
カッとなった時は、スマホのメモ帳や手帳などを使って「何に対してイライラしたのか?」をメモしておきます。
記録に残すことで、自分がどんなことに怒りやすいのかなどパターンや傾向が分かります。
アンガーマネジメント実践6
「怒りを爆発させない準備」
「怒る必要がある・そこまで怒らなくてもいい」の境界線を明確にしておくのも、アンガーマネジメントです。
例えば子供が食べ物をこぼすことを例に挙げると、食事を床にポロポロこぼしながら食べるのは「許容できない」けれど、トレーのなかに少しこぼすことは「許容できる」など、自分の中で怒ることの境界線を明確にすれば、無駄にイライラせずにすむでしょう。
また「許容できない」ことへの予防策を考えておくのも、アンガーマネジメントに活かせるテクニックです。
子どもが食事を床にこぼして汚れるのが我慢できないなら、食事前に子どもの席の周りに新聞紙を敷いて、汚れてもいいようにしておくなど、工夫次第でイライラが少しマシになるかもしれません。
まとめ
しかし、感情的になって収拾がつかなくなるような怒り方だと、子どもを必要以上に傷つけてしまうこともあり、感情に任せて怒ってしまった自分自身に対しても自己嫌悪に陥ってしまうでしょう。
私も上手に叱れなくて、後悔した経験があります。
アンガーマネジメントで意識したいのは、怒りをエスカレートさせて感情に心を支配されるのではなく、叱り方で解決策や未来に目を向け「次はどうしたらいいのか?」という視点を持つようにすることです。
「ちゃんとしなさい」と叱っても、ママからの曖昧な言葉に子どもは余計に混乱してしまうこともあります。
「次は、こうして欲しい」「今度は、これはやめて」などを具体的にリクエストし、なるべく冷静に穏やかに伝えるようにしましょう。
『図解 アンガーマネジメント超入門 「怒り」が消える心のトレーニング33』