耳を横向きに張った状態がイカのように見えることから呼ばれるようになったのですが、一言でイカ耳といっても、その角度や表情によって猫が感じている気持ちは違うようです。
今回は、イカ耳でわかるネコの気持ちについてご紹介したいと思います。
「イカ耳」の「イカ」は、海に生息するイカのことを指しており、猫の「イカ耳」とは、猫の耳がピンッと横に張って外を向いている状態のことを言います。
その状態の耳を上から見ると海のイカの形に似ていることから、その名の通り「イカ耳」と呼ばれているのです。
主に横に張っている状態を指しますが、上向きのときもイカ耳と呼ぶときがあります。
他にも、飛行機の羽にも見えることから「飛行機耳」といわれることもあるようです。
イカ耳状態の猫はとてもかわいいので、おもわず頭を撫でたくなりますが、我が家の飼い猫がイカ耳になるのは、大体がご機嫌が悪い時のような気がします。
無防備に触ろうとすると「シャーッ」と威嚇されて、びっくりすることもしばしば。
はたして、猫がイカ耳になるときはどのような心境なのでしょうか。
そのときの猫の心理をきちんと知っておく必要があるみたいです。
猫のイカ耳の形とは、普段はこうなっている耳が、
イカ耳になると、
こうなります。
なぜ猫がイカ耳になるのか、いくつかの理由から見てみましょう。
1.何かに集中している
猫の「イカ耳」になる理由のなかでは、これが一番多いと思われます。
何かが聞こえたときに、ちょっと気になる程度なら、顔と違う方向に音のする方向へ耳だけを動かします。
耳を傾けることで、その音に集中しようとしているのです。
こうすることで聞きなれない音や人の声、いつもと何か違う匂いなどを感じたときに集中してより多くの情報を感じ取ろうとします。
少し興奮気味になり、イカ耳の形は少し立った状態で後ろに反らしています。
2.警戒や不安、恐怖を感じている
猫は、野生では常に敵を警戒して過ごしてきた歴史があるので、物音には敏感に反応します。
わが身の危険をいち早く察知して、警戒態勢を取るのです。
危険な物音がした時、イカ耳で周囲の状況を把握しながら集中していつでも逃げられる準備をします。
この時はキョロキョロと周囲を見回すような仕草をすることもあります。
警戒している時に不用意に撫でたりすると攻撃してくることもあるので、警戒イカ耳の時は注意した方が良いでしょう。
3.怒りや不満を感じている
人に対してこの耳になっている場合は、「近づかないで!」という意味もあるでしょう。
猫は怒りを感じている時、全身で感情を表しながら耳に力を入れ、後ろに反って「イカ耳」になります。
他の猫と喧嘩する時などは、歯を剥き出しにして背中の毛を逆立てて「このままだと攻撃するぞ!」と怒りの気持ちをアピールします。
体を横向きにするのは、相手に自分の体を大きく見せるためです。
不愉快な音や、しつこく撫でられるなど不満を感じたときも、怒りや抗議の気持ちを表現するために「イカ耳」になります。
耳を見て、猫が何に不満や怒りを持っているのか、原因を探ってあげてください。
4.リラックスして甘えたい気持ち
怒りや警戒とは正反対になりますが、猫はまどろんでいる状態や飼い主さんに甘えたい感情を「イカ耳」で表現することがあります。
不機嫌なときとは違い、リラックスしているときは頭が少し下がり気味で、目も閉じ気味になっているでしょう。
ゴロゴロとのどを鳴らして体をこすり付けるなどして全身で甘えてきているのに、耳は「イカ耳」になっているのなら、頭を撫でてもらう邪魔にならないように耳を折りたたんでいると考えてよさそうです。
この時はしっかり猫の気持ちに応えてあげましょう。
根元をじっくり見ていれば、その変化がわかるでしょう。
それでもわかりにくい場合は、耳だけでなくヒゲやしっぽ、姿勢などの状態と併せて気持ちを確認しましょう。
今の猫の気持ちが見えてくるはずです。
まとめ
その場の状況や耳の形状に関わらず猫はイカ耳をするので、よく観察してみることで、より猫の気持ちが理解できるようになるのではないでしょうか。
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