先日、糖尿病患者に必要なたんぱく質と鉄分について触れましたが、更年期世代の女性を悩ませる不調の原因も、鉄分不足=貧血によるところが大きいかもしれません。
鉄分を日常の食生活で十分に摂取するのは難しいことから、サプリメントで補充することもありですよ、と書きましたが、やはり食事から鉄分を摂取することも積極的に取り組みたいものです。
そこで、今回は鉄分補給にお勧めするのが「あさり缶のクラムチャウダー」です。
なぜあさりの缶詰なのか、どんな食材と合わせるとよいのかも合わせてご紹介します。







身体に摂取すべき栄養素順位


◇ ◇ ◇

身体に摂取すべき栄養素には、優先順位があります。
それをわかりやすく図にしたのが、下図の「栄養ピラミッド」です。


このピラミッドの土台はタンパク質と脂質です。

タンパク質と脂質が十分に足りている状態で、はじめて上に位置する鉄、さらに上部のビタミンやミネラルがしっかり吸収できるようになります。


胃も胃壁も胃の中で働く消化酵素も、すべてタンパク質を材料としているため、たとえば、極端なタンパク質不足に陥った場合は、ビタミンやミネラルを胃が受けつけることができなくなり、かえって食欲不振になったりします。


タンパク質が不足していると、胃の機能が十分に果たせなくなってしまうのです。

だから、この優先順位が大切になってくるのです。


鉄はミネラルの一種なので、本来はこのピラミッドの一番上に含まれることになりますが、わざわざ別にしているのは、他のミネラルよりも優先順位が高いからなのです。


なぜ優先順位を高くしないといけないかと言えば、欧米などの諸外国では、小麦粉などへの鉄の添加が法律で義務づけられており、他にも、ベトナムでは調味料のナンプラーに、モロッコでは塩に、中国では醤油に「鉄添加」が行われています。
世界各国で、貧血の予防のために国策として鉄添加を行っているのです。


しかし、日本では、こうした国をあげて食品に鉄を添加する、ということは行われていません。

その結果、日本国民の多くが鉄不足に悩まされています。

しかも、それが貧血と認識されていないことが多々あります。


貧血の症状と言えば、立ち眩みや青白い顔色などを思い浮かべますが、それだけではなく、疲労感が取れない、眠れない、血圧や体温が低い、原因不明の頭痛、甘味依存、糖尿病、肥満、マタニティーブルー、発達障害、うつ・パニック、がんなど、さまざまな心身への悪影響を鉄不足がもたらします。


身体に鉄を補充しない限り、鉄不足は永遠に治りません。


多くの日本人が、自身の鉄不足に気がついていないのです。


そういった理由から、鉄はミネラルの一種であるものの、摂取する重要度を強調するために、他のミネラルから独立させて、栄養ピラミッドではタンパク質・脂質の上位に位置づけられています。








女性に不足ちがちな「鉄分」

◇ ◇ ◇

更年期障害とともに多くの女性を悩ませているのが貧血です。
実際、月経のある女性の5人に1人がその症状に苦しんでいるといいます。


月経のある時期はもちろん、閉経した後も貧血に悩む女性は決して少なくありません。

食事内容に鉄分が足りないまま閉経し、貧血の状態で更年期に突入して不調を抱える女性も多いのだとか。


体内の鉄不足が原因で慢性的な疲労感が続き、夫婦仲が険悪になるなど、貧血が原因で起きるアクシデントはさまざまで、これらが食生活を見直すことによって改善されたというケースも少なくありません。


この鉄不足を補い食生活改善の第一歩として、美味しく続けられるメニューにお勧めなのが「あさりのクラムチャウダー」です。

生のあさりではなく、あえて缶詰を使うのは、水煮缶のあさりは、生に比べて鉄分の含有量が約8倍もあるからです。

ただ、メーカーによってその量には若干の違いがあるため、購入時に缶の裏に書かれている栄養成分表示を見て、より鉄分が多いものを選ぶことをおすすめします。


鉄分には牛肉の赤身などに含まれる『ヘム鉄』とあさりなどが含む『非ヘム鉄』があります。
非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がるので、いも類の中で最もビタミンCの含有量が高いじゃがいもと一緒に食べるのがおすすめです。

あさりとじゃがいもはクラムチャウダーとして調理されることで「最強タッグ」を組めるわけです。


また、ほかのおかずより先にスープを飲むことで、血糖値の急上昇を防ぐことができるうえ、お腹も満たされるので、なるべく食事の最初に摂ることをお勧めします。 食べすぎを防ぐためにも、食事は“スープファースト”を徹底してみましょう。







鉄分たっぷり「クラムチャウダー」の作り方

【材料 2人分】

・あさりの水煮1缶 約130g
・ベーコン 50g
・玉ねぎ 1/2個(100g)
・じゃがいも 中1個(150g)
・牛乳 400cc
・バター 20g
・薄力粉 大さじ2杯
・顆粒コンソメスープの素 少量
・塩こしょう 適量
・水 300cc


【作り方】

1. 玉ねぎ1/2個(約100g)、じゃがいも中1個(約150g)は1.5cm角に切る。

2. 耐熱ボウルに、1.とあさりの水煮1缶分(約130g)を缶汁ごと入れ、ふんわりラップをかけて600Wの電子レンジで3分30秒加熱する。

3. 2.に薄力粉大さじ2、牛乳400cc、顆粒コンソメスープの素少量を入れてよく混ぜ、ラップをかけずに600Wの電子レンジで5分加熱する(じゃがいもが硬い場合は追加で加熱する)。電子レンジから取り出し、塩少量で味を調える。

4. 器に3.を盛り、彩りに粗びき黒こしょうやパセリを少量をふる。







まとめ

あさりの水煮缶には、鉄分の原料となる『非ヘム鉄』が生のものに比べて約8倍含まれています。
クラムチャウダーのとろみにも活躍するじゃがいもはビタミンCが豊富であさりと一緒に摂ることで鉄分が吸収されやすくなります。
普段の食生活では、なかなか十分な鉄分を取り入れることは難しいですが、ご紹介した簡単クラムチャウダーでたくさんの鉄分補給がかないます。
ぜひ作ってみてくださいね。

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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