テレビの中の芸能人に限らず、友人・知人のなかにも新しい趣味を見つけていつも楽しそうにしていたり、それほど収入は変わらないはずなのに老後の暮らしに余裕を感じる同世代のご近所さんなど、「一体、あの人と私は何が違うのだろう」と不思議に思うことがありませんか。
そんな彼・彼女らを見て、「どうせ私なんて」と落ち込んでしまう人は危険です。
年を重ねて「失う人」と「身につける人」の間には境界線が存在し、ネガティブな思考は悪循環を生み出してしまいます。
今回は失う人ではなく、身につける人はどのような行動をしているのかをご紹介したいと思います。
その宣言どおり、今でもテレビでデヴィ夫人を見ない日はないほどの活躍をされています。
デヴィ夫人のように年齢を重ねても貪欲に新たな挑戦を求める人もいますが、大多数の人々は年を重ねるとともに「落ち着きたい」「いまの暮らしを維持したい」など、「刺激のない生活」を望む傾向にあるのではないでしょうか。
刺激のない穏やかな生活は、一見幸せに満ちているように感じるかもしれませんが、実はこれによって「感情の老化」が見られると指摘されています。
人間は年齢を重ねると、意欲や創造性をつかさどる脳の部位『前頭前野』の機能が低下していきます。
すると、映画や小説などに昔よりも感動しなくなったり、悩み事を抱えやすくなったり、やる気が起きず、何に対しても興味が湧かないといった「感情の老化」が生じてきます。
感情の老化は、容姿や体力など目に見える変化と違って、本人も周囲も実感しにくいために見逃されることが多いのです。
しかし、実は目に見える変化よりも感情の老化が先に起こり、それに伴う意欲の低下が全身の老化を早めてしまうのです。
視力や筋力の衰えは、健康診断などで数値として自覚することができますが、内面の衰えは病院では発見することができません。
若いときと比べて、新しく何かに挑戦するのが億劫だと感じているのであれば、それは感情の老化が進んでいるサインだと思って間違いないようです。
「もっと知りたい」という好奇心を持つことが、老化させない鍵となるようです。
そのためには、何でもよいので、まずは自分が興味や関心を持てることを見つけることが大切です。
『もっと知りたい』という好奇心を持つことによって、脳の前頭前野が刺激され、『心のアンチエイジング』が進みます。
実際に、好奇心がある人とない人では見た目や脳年齢が異なることが研究や調査により示されています。
好奇心が旺盛な人ほど認知機能の低下が抑えられ、好奇心を失った人は集中力や記憶力の低下が進みます。
マンネリ化した刺激のない生活は最も感情の老化を促進させてしまいます。
それゆえに、高齢者こそマンネリ化した生活を変える努力が必要なのです。
「若い人の聴いている音楽はついていけない」などと思わず、今どんな歌や楽曲が流行っているのかを興味を持って聴いてみてはどうでしょうか。
それだけでも脳の側頭葉にある「聴覚野」という部分が刺激されて、認知機能の向上につながる可能性があるそうです。
2.散歩のルートを変えてみる
散歩や散策をされる方であれば、いつもと違う風景を楽しむためにもルートを変えてみるとよいでしょう。
四季折々の植物や、いつもとは違う風景を眺めることで、楽しいと気持ちに浮き立つと、快感や幸福感をつかさどるの脳内ホルモンのひとつであるドーパミンという物質が分泌されます。
3.新しい商品、レストランを試してみる
「新しい刺激=はじめての経験」は脳を活性化させます。
洋服店でも飲食店でも何でもよいので、まだ一度も行ったことのないお店をどんどん開拓していきましょう。
もちろん新しいお店にははずれがあると思いますが、ここでは当たりはずれを探す作業ではなく、「新しさに触れよう」とする姿勢が重要なのです。
新しいことに怖がらず、何事にも前向きに行動してみましょう。
新しいレストランに行って、新しいものを食べて「おいしい」と感じるなど、成功体験の蓄積がモチベーションにつながります。
4.髪型やメイク、ファッションスタイルを変えてみる
自分が変身することはかなり勇気が必要です。
思いきってスタイルを変えたときには「人に何か言われるのだろうか?」「誰かに見られたときなんて言おうか?」などと考えるものです。
しかし、このワクワク感ドキドキ感がドーパミンを分泌させるのです。
ダイエットして美しくスリムに変わろうとするくらいですから、このくらいの変身意欲が欲しいものです。
上記以外にも方法はいろいろとありますが、どんな方法にせよ、快感やときめきを自分に与えるための努力が必要だということがわかります。
まとめ
「失わない人」にならず「身につける人」でいるためには、自分がどちら側の人間なのかを知ることが大切です。
自分が刺激のない落ち着いた生活を望む傾向にあるとわかっているのなら「感情の老化」がが進んでいるサインかもしれません。
ぜひ、感情の老化は改善する「好奇心」を刺激して、ちょっとした行動変化を楽しんでいただければと思います。
『「感情の老化」を防ぐ本』