年を取るにつれて気になってくるのが、認知機能の低下です。
少し前のことを覚えていない、言葉がなかなか出てこない、計画を立てて物事を実行するのが難しくなってきた…など、加齢による脳の神経細胞の減少による記憶や思考への影響は、60歳を越えると次第に大きくなっていきます。
今回は、人間の活動の司令塔である脳の働きを高めて、認知機能の老化を防ぎ、生涯現役を目指すためのサポート食材「クルミ」をご紹介したいと思います。







クルミの栄養と1日の摂取目安量


パンやスイーツで大活躍のクルミですが、おいしいだけでなく健康な体づくりの強い味方となる栄養素や体内で合成することができない「必須脂肪酸」が豊富に含まれる食材としても知られています。
ここで改めて、クルミがもつ健康パワーをチェックしてみましょう。


血管の健康に欠かせない「オメガ3脂肪酸」

クルミはナッツ類の中でも体に必要な必須脂肪酸の一つ、『オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)』を最も多く含んでいます。
厚生労働省が定めるオメガ3脂肪酸の1日摂取目安量は約2.0gで、クルミ約10粒に相当します。
オメガ3脂肪酸は、脳細胞や神経細胞に存在し、情報の伝達や発信を行う細胞(ニューロン)に必要な栄養といわれており、悪玉コレステロールと中性脂肪を下げることで血流を良くする効果があります。


赤血球を造るビタミン「葉酸」「ビタミンB群」

クルミに含まれる「葉酸」や「ビタミンB6」は、認知症や脳卒中発症の一因といわれるホモシステインを代謝・分解する際に必要なビタミンです。
葉酸を含む緑色野菜や、ビタミンB6を含む鶏肉などと一緒に食べるのがおすすめです。
酸素を運ぶ赤血球を造りだすときに『葉酸』が不足しているとまともな赤血球ができず、悪性貧血(巨赤芽球性貧血)を引き起こす可能性があります。
葉酸は赤ちゃんの脳神経や細胞の合成に必要な栄養素の一つでもあるため、妊娠中の女性は積極的に摂取してもらうことを勧めています。


幸せホルモンの一つ「トリプトファン」

何もヤル気がない、食欲がない、などの状態が続くと気分も落ち込みひどくなるとうつ病になる可能性もあります。
気分を明るくしたり、精神を安定させる、といった作用をもつ「幸せホルモン」ともいわれるセロトニンは脳内で作られますが、このセロトニンに必要なのがクルミに含まれる「トリプトファン」です。
トリプトファンは体内で合成されないので、必ず食べ物から補給しなければなりません。
ビタミンB6と一緒に摂ると効果的なので、バナナやきな粉と組合せて食べるのがおすすめです。


食べ過ぎを抑える「不溶性食物繊維」

『不溶性食物繊維』が多いクルミをしっかりと噛むことで早食いによる食べ過ぎを防ぐほか、消化に時間がかかって胃の中で滞在時間が伸びるため、十分な満腹感を得ることもできます。
さらに胃で水分を吸収して大きく膨らみ、腸を刺激して便の流れを促進する効果もあります。


筋肉強化に効果的な「アルギニン」

クルミには成長ホルモンの合成に関わり、筋肉強化に効果があるアミノ酸『アルギニン』も含まれています。
体内で合成できるアルギニンですが、年齢と共に合成できる量が減っていくため積極的に摂るよう心がけましょう。

※クルミはアレルギー特定原材料等に含まれています。アレルギー体質の方、何かしらのアレルギーをお持ちの方は必ず医師にご相談ください。







クルミの効能

薬膳において、脳のパワーアップに威力を発揮するのが「クルミ」です。
中国では古来、実の形が脳と似ていることから、脳を滋養する「補脳」効果が高いとされており、脳の老化防止に欠かせない食材だと言えるでしょう。

また脳の働きは、老化をつかさどる臓器である「腎」との関わりが深く、クルミは腎の働きを高める作用もあります。
脳だけでなく、身体の老化防止にも優れた効果があるのです。

さらに、クルミは人間のエネルギー源である気を補い、滋養強壮にもよい食材なだけでなく、免疫力を高める働きもあります。
体を温める効果もあるので、寒い今の時節にはとくにおすすめです。

女性にとってはシワ改善といううれしい効果も期待できます。
70歳を過ぎても、10代の肌の美しさを保っていたという清王朝末期の女帝・西太后は、クルミを欠かさず食べていたといわれています。

クルミの持つパワーをさらに高めたいのなら、「血を補う食材」との組み合わせがおすすめです。
血を補う働きがある、カツオ、マグロ、イカ、ホウレンソウ、小松菜、ニンジン、黒ごまと組み合わせて食べるとよいでしょう。

栄養学的にも良質なオメガ3脂肪酸を豊富に含むクルミは、手軽に栄養を取れるうれしい食材です。
刻んで料理に使ったり、サラダ、炒めもの、煮物などに加えたり、トーストやヨーグルトにトッピングしておいしくいただきましょう。







脳活のためのクルミレシピ

クルミ入りサラダ


脳の働きを高めるクルミと、脳の滋養に欠かせない血を補う食材のホウレンソウ、カツオを組み合わせたレシピです。
オリーブオイルの風味で、食が進むサラダです。


<材料>2人前

●ほうれん草…1束

●ツナ缶(70グラム)…1缶

●クルミ…40グラム(約10粒)


★ドレッシング
オリーブオイル…大さじ4

りんご酢…大さじ6

しょうゆ…大さじ4

砂糖…大さじ2

塩…小さじ1/2

こしょう…少々


<作り方>

1.ほうれん草は下ゆでし、水に取り、食べやすい長さに切ります。

2.クルミはからいりしてから粗く刻む。

3.玉ねぎはすりおろすか、適当な大きさに切り分けてフードプロセッサーにかけます。

4.ボウルに★ドレッシング材料を合わせ、玉ねぎを加えて混ぜ、オリーブオイルを加えて混ぜ合わせてドレッシングを作ります。

3.ボウルに下ゆでしたほうれん草とツナ缶を混ぜ合わせます。

4.器に盛り、2.のクルミを散らしてドレッシングをかけて完成。


とり肉とクルミの炒めもの

<材料>2人前

とりもも肉…大1枚(約300g)

玉ねぎ…1/4個

ブロッコリー…1/2個

クルミ…20g


たれ
 ・しょうゆ…大さじ1と1/2

 ・みりん、酒…各大さじ1

 ・酢…大さじ1/2

 ・塩、こしょう、オリーブ油


<作り方>

1.玉ねぎは縦薄切りにスライスし、クルミは粗く刻んでおきます。

2.ブロッコリーは食べやすい小房に分けて、水にさっとぬらしてラップで包むかビニール袋に入れて、電子レンジで約2分加熱します。

3.とり肉は大きめの一口大に切り、塩、こしょう各少々をふります。

4.フライパンにオリーブ油大さじ1を熱し、とり肉を皮目を下にして並べていれます。焼き色がついたら上下を返し、フライパンの端に寄せ、空いたところに玉ねぎを加えて炒めます。

5.たれの材料を加えてふたをし、弱めの中火にして約3分蒸し焼きにします。

6.玉ねぎがしんなりしたらクルミを加えてさらに炒め、カリッとした食感とこうばしさを出します。

7.ふたを取り、ブロッコリー加えて混ぜ合わせて完成。







まとめ

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか。

パンやスイーツに入っているクルミは、身体にとって嬉しい効果がある栄養素をいくつも含んでいます。
普段の食事ではつい不足してしまう栄養素が摂れるクルミ。
いつまでも元気な脳と体で過ごすためにも、時々パンに入っているクルミを食べるだけじゃなく、是非毎日の食事にクルミを取り入れてみてください。

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筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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似顔絵は、「似顔絵メーカー」で作成しました。