日本では馴染みの薄い食べ物ですが、海外セレブやアスリートが愛用するスーパーフードとして数年前から注目を集めています。
オートミールで105kg→65kgの減量に成功し、SNSでもバズりまくりのオートミールマスター・これぞうさんが先日朝の情報番組でも取り上げられており、お正月に増量したままキープ中の私も興味津々で見させていただきました。
今回は、ヘルシーなのに栄養豊富で、上手に取り入れると健康や美容に絶大な効果が期待できるオートミールについてご紹介します。
燕麦の英語名「oat(オート)」と、食事を意味する「meal(ミール)」から名付けられました。
欧米では朝食や離乳食の定番になっており、日本のスーパーなどでも簡単に購入できます。
オートミールは食物繊維や鉄分が豊富で、他にもたんぱく質やカルシウムなどの栄養価が高いスーパーフードと言われています。
シリアルといえばグラノーラやコーンフレークなどもありますが、オートミールとの違いは以下のようになっています。
オートミール…燕麦を食べやすく加工したもので甘みもありません
ミューズリー…オートミールに麦・玄米・とうもろこしなどの各種穀物や、ドライフルーツ・ナッツなどを混ぜ合わせたもの
グラノーラ…オートミールに各種穀物、ハチミツなどのシロップ、植物油などを加えてオーブンで焼き上げたもので、ドライフルーツやナッツを混ぜ合わせたものも多い
ミューズリーやグラノーラには燕麦以外の材料も含まれていて、甘さが感じられるものが多いのが特徴です。
ミューズリーとグラノーラの違いは、オーブンによる加熱・焼成の有無。
コーンフレークは、主原料がとうもろこしである点で、この3種とは異なっています。
食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」があり、なかでも便のかさを増やして排便を促す作用をもつ「不溶性食物繊維」がオートミールには多く含まれています。
不溶性食物繊維
水に溶けにくい繊維質で、水分を吸収して膨らむ性質をもっています。
便のかさを増やして腸の働きを刺激し、排便を促す効果が。
発がん性物質などの腸内の有害物質を体外へと排出させる働きをもつとも言われています。
水溶性食物繊維
水に溶けるとゼリー状になり、高い保水力があります。
糖分の吸収をゆるやかにするので、食後の血糖値の急激な上昇を抑え、脂肪の吸収を抑えたり血中コレステロール値を減少させる働きもあります。
さらに、大麦などで注目を集めた水溶性食物繊維βグルカンが含まれている点も大きな魅力です。
カロリーや糖質だけを見ると、一見オートミールはダイエットに向いた食品には見えません。
それでもオートミールが白米や食パンに比べるとダイエット効果が高いと言われる理由は次のことが挙げられるからです。
1.オートミールは少量でお腹いっぱいになる
2.食物繊維で高いデトックス効果が得られる
3.低GI食品なので太りにくい
4.痩せホルモンGLP‐1の分泌を促してくれる
ではこれらかどういうことなのか、詳しく見ていきましょう。
1.オートミールは少量でお腹いっぱいになる
オートミールのカロリーは白米や食パンに比べて高いと紹介しましたが、それは同じ重さでのカロリーを比較した場合です。
実際に食べるオートミールの1食分はおよそ30グラムで、白米のご飯茶わんに軽く一杯の約150グラムに比べると一食におけるカロリーはオートミールのエネルギー量のほうが断然低くなります。
以下は1食分ごとに見た、各穀物のカロリーや栄養です。
食パンの場合、含まれている成分やによってカロリーや糖質に大きな違いがありますが、オートミールに比べると両者ともに高めであることがわかります。
また白米は体に良いことも多いのですが、1日3食を白米にすると、それだけでかなりの量の糖質を摂取することになってしまいます。
その点オートミールなら糖質は白米のおよそ3分の1しか含まれていないので、3食のうち1食をオートミールにするだけで、1日に摂る糖質の量をかなり制限できます。
2.食物繊維で高いデトックス効果が得られる
オートミールは穀物の中でも食物繊維が豊富です。
白米に比べるとおよそ20倍もの食物繊維が含まれており、これがさまざまな健康効果をもたらします。
効果の例としては、
・食物繊維が豊富だと噛み応えがあり満腹感につながる
・腸内フローラが整うことで脂肪の吸収を抑える
・善玉菌が増え便通の改善をサポートする
・血糖値の上昇を抑える
などなど…。
また、オートミールには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれており、この2つの食物繊維を同時に摂ることができます。
水溶性、不溶性食物繊維の両方を同時に摂ることで、スムーズに善玉菌を増やし、腸内環境を整える作用に期待できます。
3.低GI食品なので太りにくい
3.低GI食品なので太りにくい オートミールは穀物なのに「低GI食品」です。
GI値とは、食後の血糖値の上昇度を示す指数のことで、GI値が高い食材を食べると体内の血糖値が一気に上昇し、膵臓からインスリンというホルモンが多く分泌されます。
インスリンには血糖値を下げる働きがありますが、実は「脂肪を作る」「脂肪の分解を抑制する」という働きもあります。
つまり GI値の高いご飯やパン麺類などの炭水化物を極端に食べると肥満の原因にもつながるのです。
しかしオートミールは低GI食品なので、血糖値の上昇を防ぎ、インスリンの急激な分泌を防ぐことから肥満も予防できます。
とくに糖尿病や生活習慣病に悩む人は、普段の食事にオートミールをとることでそれらのリスクを軽減させることができるでしょう。
4.痩せホルモンGLP‐1の分泌を促してくれる
オートミールには豊富な食物繊維が含まれていますが、これが小腸に運ばれると「GLP‐1」というホルモンが分泌されることが分かっています。
GLP‐1は別名「痩せホルモン」とも呼ばれ、以下のような作用に期待ができます。
・血糖値の上昇を抑える
・食べ物をとったあと、胃からの排出を遅らせる
・食欲を抑える
なかでも注目されている作用は「食欲を抑える」という効果です。
GLP‐1が放出されると胃の運動が抑えられるので満腹感が現れやすく、何も食べなくてもお腹が空きにくいといった効果があります。
これによりオートミールを食べてGLP‐1が分泌されると、必要以上の食事をとらないことが増え、ダイエット効果にもつながるのです。
さらに、効果の出やすいオートミールの食べ方のポイントについて見ていきたいと思います。
オートミールはいつ食べても良いのですが、ダイエット効果を発揮させるには朝食にたべるのがおすすめです。
朝食にオートミールを食べると、血糖値を下げる効果がありますが、オートミールの持っている「セカンドミール効果」が、第二の食事である昼食にも良い影響を及ぼすのです。
昼食に血糖値の上昇を抑えるということは、インスリン分泌を抑えるだけでなく、過剰な食欲も抑える効果があります。
朝食に30グラムのオートミールを食べれば、朝食・昼食の2食において嬉しい効果を発揮してくれるのです。
様々なダイエット効果をサポートしてくれるオートミールですが、砂糖で加工してあるものには要注意です。
代表的なものとしてグラノーラがあります。
市販のグラノーラは、ドライフルーツやナッツ、シード類など、体によさそうなものがたっぷり加えられていますが、それと同時に多くの砂糖が加えられていることも多いのです。
オートミールは栄養も豊富ですが、糖質やカロリーも多めです。
それに砂糖を加えてしまうとさらに摂取する糖質が多くなってしまい、あまりダイエット効果は期待できなくなります。
ダイエットを目的にオートミールを食べるなら、素材そのもののオートミールを利用することをお勧めします。
オートミールにはいろいろな食べ方がありますが、近年流行っているのが「米化」と呼ばれるオートミールをお米として食べる方法です。
オートミールの米化のやり方は非常に簡単で、オートミール30gに水50mlを入れて、レンジ500Wで1分チンするだけです。
このようにしてオートミールをレンジにかけるだけで、お米のような食感が楽しめます。
米化したオートミールをチャーハンやリゾット、おにぎりやお好み焼きといった料理にアレンジして楽しむこともできます。
食べた食感もお米に似ているので、美味しくて満足感も高くなります。
食べることを我慢せずにダイエットしたい方には、ぜひおすすめしたい調理方法です。
まとめ
オートミールは、お米と同じ分量で比べるとカロリーや糖質も高いのですが、実際に食べる量は1食たったの30グラム程度であり、普段食べているごはんお茶碗1杯分の白米に比べると、カロリーはおよそ3分の1です。
しかもオートミールなら白米にはあまり含まれていない食物繊維が豊富なので、お腹いっぱいの状態が長続きします。
ビタミン、鉄分なども豊富に含まれていて、痩せホルモンであるGLP‐1が分泌されることから、無理せず食べすぎを抑えることができます。
ぜひ毎日のの食事にオートミールを取り入れて、健康ダイエットに役立てていきましょう。