昔は水で戻した際、乾物臭をしっかり抜くために、しぼり汁が透明になるまで両手で押して水気を絞絞り、キレイな水に取ってまた絞る作業を3〜4回ほど繰り返していましたが、今はその必要もなく、とても簡単に調理できるようになっています。
今回は高野豆腐に含まれる栄養素とその活用方法をお伝えします。
高野豆腐の一番の栄養素は、全体の50%を占めるたんぱく質です。
高野豆腐は水分が少ないため、重量に対しては木綿豆腐や絹ごし豆腐などに比べてたんぱく質の割合が高くなっています。
そのため、たんぱく質を摂りたい方にとって高野豆腐はとっても優秀な食材と言えるでしょう。
たんぱく質は身体の筋肉や骨やホルモンなどを構成するうえで欠かせません。
若くいたい方はもちろん、病気の予防や、疲労の回復にもたんぱく質を積極的に摂ることが大切です。
大豆サポニン
大豆サポニンは、大豆に含まれる苦味や渋みの主成分です。
このサポニンには強い抗酸化作用があり、活性酸素を除去し、脂肪の酸化を防ぎます。
また免疫機能の向上なども期待ができます。
カルシウムや鉄分
現代人が不足しやすいカルシウムや鉄分が豊富に含まれています。
カルシウムは、骨や歯を作るのに欠かせないミネラルで、筋肉を動かしたり、精神の興奮をおさえる効果もあるので、人間にとって大切な栄養素です。
鉄分は、酸素を全身に運ぶために欠かせないミネラルです。
そのため、不足すると酸素を上手く取り込めずに筋力低下や疲労を感じる原因にもなります。
こういった不足しやすいミネラルがぎゅっと詰まっている高野豆腐は栄養満点の食材といえます。
大豆イソフラボン
女性の美しさや若々しさを語る上で欠かせないのが、エストロゲンです。
エストロゲンは、加齢とともに分泌量が減少していき、更年期や閉経を迎える年齢になると「更年期障害」と呼ばれる心身のトラブルにつながることがあります。
つまり、女性が健やかに生きていくためには、エストロゲンはとても大切な要素だと言えるのです。
大豆イソフラボンは、このエストロゲンに似た働きをするのが特徴です。
体内で分泌するエストロゲンの不足を補って、トラブルの予防してくれます。
この大豆イソフラボンが腸内でエクオールに変換されることがトラブルの予防条件となりますが、実は大豆イソフラボンからエクオールを生み出すために必要な腸内細菌を持っているのは、日本人女性では2人に1人だけ、というデータがあります。
日本人女性の半数は、美容成分のエクオールを体内で作り出すことができないのです。
あなたの身体がエクオールを作ることができるのかできないのかを知りたいのであれば、ぜひエクオールの検査をしてみることをお勧めします。
もし作ることができないのであれば、エクオールの働きをする補助食品を利用して、 摂取することもできますよ。
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乾物は生の豆腐に比べて長く日持ちしますが、やはり賞味期限があります。
賞味期限を過ぎると次第に乾物臭が強くなってくることがあるので、できるだけ賞味期限内に調理するようにしましょう。
もしも匂いが気になる時は、高野豆腐を水戻しした際に、絞った水が透明になるまで何度か丁寧に絞ることをお勧めします。
繰り返し絞ることで臭いが抜けて、味しみもよくなります。
すりおろして使う
独特の匂いが苦手な方はもちろんですが、戻して煮物や炒め物などに調理する無難な食べ方は飽きてしまったという方には、すりおろし調理を試してみてください。
水で戻す前の硬い状態のまま、おろし金ですりおろして高野豆腐を粉状にします。
その粉をハンバーグや肉団子、つみれのつなぎとして使用します。
乾燥したおからパウダーを使う料理に代用でき、料理のたんぱく質量のアップに繋がります。
低糖質調理をしたい方などにお勧めです。
動物性たんぱく質の食材と合わせる
高野豆腐は植物性たんぱく質なので、動物性たんぱく質の肉や魚や卵と合わせることで、必須アミノ酸をバランスよく摂ることに繋がり、体へ吸収されやすくなります。
鶏肉との煮物や、ひき肉詰め、卵とじなどと組み合わせていきましょう。
またカルシウムや鉄分も豊富に含まれているものの、この2つはそのままでは吸収率があまり良くないミネラルです。
そのため、カルシウムの吸収をよくするために必要なビタミンDや、鉄分の吸収をよくするためのビタミンCを一緒に摂ることが大切になってきます。
例えばビタミンDを多く含む鮭と高野豆腐を味噌汁などで組み合わせてみたり、ビタミンCが豊富なパプリカやブロッコリーを使用して、サラダにしてしまうのもいいですね。
<材料>
高野豆腐…5枚
ブロッコリー…1株
ニンジン…3分の1本くらい
きゅうり…1本
タマネギ…1個
※お好みでゆで卵やツナ缶、コーン、ハムなど入れてもOK
調味料
・豆乳又は牛乳…たくさん
・マヨネーズ大匙…5〜6杯
・塩コショウ…少々
<作り方>
1.ブロッコリーをレンジで3分チンして茹で、刻んでおきます。
2.ニンジン、きゅうり、タマネギを千切りにして塩揉みにし、水気を切ります。
3.高野豆腐をおろし金で摩り下ろします。
4.ボウルに材料を全て入れ、ざっくり混ぜた後、豆乳(または牛乳)を少しずつ入れていきます。
様子を見ながらへらで混ぜ、ある程度もったりとしてくるまで豆乳(または牛乳)を入れます。
大目に入れないと高野豆腐が喉に引っかかる感じで食べにくいです。
5.滑らかになったらマヨネーズ、塩コショウを入れて味を整えます。
※出来上がってすぐに食べると全体がまだ馴染んでいないので、前日に作り置きしておいて翌日に食べるのがお勧めです。
高野豆腐のガーリックコンソメマヨ炒め
<材料>(4人分)
高野豆腐ひと口サイズ…16個(1枚の場合は17g程度×4枚)
水…300ml
コンソメスープの素…小さじ2(固形なら1個)
マヨネーズ…大さじ2
片栗粉…大さじ3
合わせ調味料
・しょうゆ…小さじ1
・みりん…小さじ1
・にんにくすりおろし…小さじ1(1片分)
・粗挽き黒こしょう…小さじ1/4
<作り方>
1.鍋に水とコンソメスープの素を入れて中火にかけます。
2.コンソメスープの素が溶けたら、沸騰していなくても火からおろして高野豆腐を入れて戻します。
粗熱が取れるまでそのまま放置します。
※高野豆腐がひと口サイズではない場合は、先に水で戻してから1枚を4等分にしてしっかりと水気を絞ってから入れてください。
3.合わせ調味料の材料を合わせておきます。
4.バット等の容器に、1.の高野豆腐をスープをきらずに入れて、片栗粉を入れ全体に絡めます。
5.余ったコンソメスープは3.の合わせ調味料に加えておきます。
6.フライパンに炒め用のマヨネーズを入れて弱火にかけ、ゆっくりと溶かして広げたら、4.の高野豆腐を並べ入れ、そのまま触らずに弱火で4〜5分ほど加熱します。
7.焼き色がついたらひっくり返し、もう片面にも焼き色が付くまで3〜4分ほど加熱します。
8.両面に焼き色が付いたら、5.の合わせ調味料を加えて全体に絡めます。
9.周りがカリッとしてきたら、火を止めて盛り付ければ完成です。
高野豆腐の鶏ひき肉詰め照り焼き
<材料>(4人分)
高野豆腐…5枚
鶏ひき肉…150g
にんじん…1/4本
しょうがすりおろし…1片
塩…少々
酒…大さじ1杯
片栗粉…適量
サラダ油…大さじ2杯
水…200cc
合わせ調味料
・だしの素…小さじ1杯
・砂糖…大さじ1杯
・みりん…大さじ2杯
・しょうゆ…大さじ2杯
ししとう…5本
下ごしらえ
にんじんはみじん切りにしておきます。
<作り方>
1.高野豆腐をバットに並べてお湯を注ぎ、柔らかく戻ったら手で押さえて水気を絞ります。
半分にカットし、横側面に切り込みを入れてポケットを作ります。
2.ボウルに鶏ひき肉、にんじん、しょうが、塩、酒を入れて混ぜます。
3.2.の肉だねを高野豆腐に1/10量ずつ詰め、片栗粉を全面に薄くまぶします。
フライパンにサラダ油を引いて熱し、焼き色が付くまで中火で加熱します。
4.合わせ調味料と水を加えて煮絡め、煮汁が少なくなったらししとうを加えてさっと炒めます。
5.皿に盛り付け、フライパンに残った煮汁をかけて完成です。
まとめ
高野豆腐は栄養がぎゅっと詰まった素晴らしい食品です。
今は一口サイズの高野豆腐も多くのスーパーで売られているので、さっと水で戻して、様々な料理にとり入れてみてくださいね。