松の内が明けてそろそろ普段の生活に戻ってくる頃かと思いますが、周りを見渡してみると、昨年からの負の感情を依然として引きずったままの人もいたりしませんか。
せっかく新しい年を迎えたのですから、もやもややクヨクヨを抱えたままでいると本来の力を出せないどころか、体にも良くありません。
そこで今回は、フラストレーションが溜まったまま年越しをしてしまった方に向けて、精神的にラクになる、開き直れる名言を紹介したいと思います。
★ 開き直れる6つの名言
1.期待を捨てれば自由になる
2.平凡の中に非凡を見出す
3.「more is better」という考え方を捨てる
4.ほしいものよりもっているものを意識する
5.ちがう視点の本を読もう
6.しょせん、すべては小さなこと
★ まとめ
この「期待」と言う言葉は、人間が生きて行く上で最大の価値観を見いだす大きな意味を持っているように思えます。
それは、自分の人生を成功へ導き、夢につながる言葉で、自ら叱咤激励をうながして飛躍へと続きます。
期待される、期待する、という感情は、人間にとっては捨てがたいものかもしれませんが、しかしこの言葉によって自身を束縛し、苦しい境遇に陥れ、一歩間違えるととんでもない奈落に突き落とされるような感覚を得ることにもなりかねません。
その緊張感は自分自身で作り出していることを認めなければなりません。
自分で決めた生き方に対する期待度と欲求不満の関係を理解しなければならないし、何かが期待通りにいかないときに、憤慨したり、悩んだりすることで、また緊張感を生み出してしまうのです。
かけられた期待は乗り越えられれば自信になりますが、乗り越えられなければ呪いとなって縛り続けます。
そんなものはさっさと捨ててしまえば良いのです。
こだわりしがみつくほど生真面目になり緊張しますが、手放せば軽くなります。
期待を捨てて人生をあるがままに受け入れると自由を得られます。
2. 平凡の中に非凡を見出す
人の欠点や社会の弱点を探したいなら数えきれないほど見つかります。
しかし、その逆もまた真実であり、平凡の中に非凡を見出そうとすれば、訓練次第で見出すことができるのです。
あるリポーターが建築中の大聖堂で作業をしている二人の職人に質問しました。
一人目の職人は「何をしているのですか?」と聞かれて、こう答えました。
「ただレンガを積み上げているだけだよ。きついし、賃金は安いし、暑い日も寒い日も、風の強い日も、日がな一日レンガ積みさ。腰は痛くなるし、なんでこんな事をやっているんだかまったくついてないね。もっと気楽にやっている奴らがいっぱいいるというのに。」
二人目の職人にも同じ質問をしました。
すると彼は「おれは世界一の幸せ者だよ」と言いました。
「歴史に残る偉大な大聖堂を造る手伝いをしているんだからね。ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うんだ。素晴らしいだろう!」
人は人生において見たいものを見たいように見ます。
故に二人のレンガ職人の言葉は、ともに正しいといえます。
ひどいものを探せばふんだんに見つかりますし、反対に感謝したい事や折り目正しく感じることも身の回りにあふれているのです。
平凡な人生に見えても、視点を変えれば実は貴重で非凡なものなのです。
その事実に意識をとめれば何の変哲もないようなことが、新しい意味をおびてきます。
3. 「More is better」という考え方を捨てる
「More is better」=「多ければ多いほど良い」ですが、うらはらの言葉として「Less is more」=「少ないほうが豊か」があります。
この言葉は、20世紀に活動して名声を得たドイツ人建築家、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(1886 〜 1969)が遺した言葉とされています。
Less is moreは本来、ローエが20世紀初頭におけるモダニズム建築のコンセプトとして表した言葉ですが、今ではLess is moreの精神は建築だけでなく、プロダクトデザインやグラフィックデザイン、ファッション、絵画、文学、音楽など、我々の身の回りにあるさまざまなジャンルに浸透しています。
さらに、自然環境の保護や人間と自然との調和を大切にしようとする時代において、Less is moreは物質的な豊かさのみを追い求めてきたことを省みる言葉ともなっています。
また、Less is moreのスピリットは、最小限のものだけで暮らすミニマルライフを志す人々の「少ないゆえに豊かさを見いだすことができる」というミニマリストたちのポリシーとも共鳴されています。
彼らは単に捨てるのではなく、むしろ大切なものを選び抜いていおり、ミニマリストが絞り込む「最小限」は質が高い傾向にあります。
まさしく少ないからこそ豊かであるという、Less is moreを体現したライフスタイルなのです。
そもそも日本人はミニマリズムと相性のいい民族といえます。
日本に根付く「禅」や「侘び寂び」の意識は、Less is moreと共通する性質を持ち、和歌の5・7・5・7・7という31文字や俳句の17文字に心情を凝縮して表現することもミニマリズムの文芸といえます。
枯山水に代表される日本庭園もミニマルデザインであり、むしろローエは日本庭園を目にしたとき、Less is moreの概念を得たのだという説もあります。
日本人にとってLess is moreの考え方やミニマリズムは、受け入れやすいのかもしれません。
4. ほしいものよりもっているものを意識する
人間、欲望を追求すればきりがありません。
まだ足りない、もっと欲しいと満たされない思いばかりを持って生きていては、いつまでたっても幸福感を感じることはできないでしょう。
こうなりたいという目標を持つ一方で、現状でも十分足りている状況を認識し、それに感謝することができれば精神は安定します。
安定した精神は、幸福感をもたらすばかりでなく、人生を破滅に追いやるような罠からも身を守ってくれます。
なぜなら、簡単にぶれたり、心を乱されるようなことがなくなるからです。
「足るを知る」という感覚の大切さは、様々な場面で登場します。
努力をして、お金が手に入った場合、地位や名声がもたらされた場合、うまくいって成功した場合、「足るを知る」感覚を身につけていないと、欲望はどんどん大きくなる可能性があります。
現に、成功しているのに、お金もあるのに、幸せそうに見えない人や現状に満足せず、さらに多くのものを得たいと望んでいる人はたくさんいます。
そして多くを求めすぎて破滅に向かっていく人もいます。
その種類も様々ですが、これでは足りないといつまでも際限なく欲望が溢れている人、お金や地位、名声を守るために大切なことを見失ってしまった人、自分は優れた人間であるとうぬぼれて、謙虚さを失ってしまった人などは幸福感を感じることはできません。
せっかく努力して地位も得て、認められてお金もあるのに、幸せを感じることができないならば本末転倒です。
これは、何も大成功を収めた人だけの話ではなく、誰にでもいえることなのです。
人は何かを得るたびに、満足の基準は確実に上がり、それが当たり前になっていきます。
したがって、成功する前や何か大きなものを得る前に、「足るを知る」という感覚を身につけておくことは、幸福を手にするための必須条件と言ってよいでしょう。
得たものに対して、感謝することができるようになります。
執着することの弊害を知っていれば、得たものを還元するという行動をとることもでき、大きな幸福感に繋がるはずです。
「足るを知る」とは、古代中国の思想家、老子の言葉の一節です。
「足るを知る者は富む」、つまり「何事に対しても、“満足する”という意識を持つことで、精神的に豊かになり、幸せな気持ちで生きていける」ということを表しています。
5. ちがう視点の本を読もう
本を読む人は、多かれ少なかれ、自分の今の状況を何か変えたいと思っている人でしょう。
それは、退屈な時間をちょっと充実させたいとか、もしくは、毎日がつらくて何とかして今の状況から抜け出したいと思っている人かもしれません。
「変えたい」という気持ちにはいろいろあるのでしょうが、何かを変えたいと思っていることは確かだと思います。
なぜなら読書というのは、どこにあるのかわからない現状からの抜け道を、手探りで探すような行為だからです。
その意味では、自分や現状に何も不満がない人は、本を読む必要はないのでしょう。
読書すると、なぜ世界を変えることができるのでしょう。
それは、世界が言葉でできているからです。
言葉でできた世界を変えるためには、別の言葉をぶつけるしかありません。
多くの人たちの中で自分だけが違う意見を持っているとき、たった一人で立ち向かっていくのは大変です。
そんなとき、自分を守ってくれるのが本なのです。
身の回りにいる人たちよりも、会ったこともない人が書いた本のほうが、自分のことを理解してくれているということがよくあります。
読書はいつだって孤独な人間の味方だし、周りの同調圧力と戦うのに役立つことすらあるのです。
読書には、「すぐに効く読書」と「ゆっくり効く読書」の2つの種類があります。
「すぐに効く読書」は、仕事術やライフハックなどの実用書です。
そういう本を読んだあとは、すぐに「前向きに頑張ってみよう」という気持ちになりますが、効果が薄れていくのも速いので、一瞬だけ元気になる栄養ドリンクみたいなものです。
「ゆっくり効く読書」は、一見実用性がなさそうな、小説やノンフィクションや学術書などです。
・今までに見たこともないような新しい世界を教えてくれる本
・読む前と読んだあとで、価値観がガラッと変わってしまうような本
・人生の選択肢を増やして、今の状況からの脱出口を作ってくれる本
すぐに効果は表れないけれど、読むことで自分の中に何かが少しずつ溜まっていき、時間はかかってしまうけど、遅れてじわじわと、しかし確実に大きく人生を変えてくれる読書です。
新しい価値観や枠組みを手に入れるためには、「すぐに効く読書」ではなく「ゆっくり効く読書」が必要なのです。
6. しょせん、すべては小さなこと
「仕事がうまくいかなくてクヨクヨ」「人間関係がうまくいかなくてクヨクヨ」…、そもそも人はなぜ、クヨクヨしてしまうのでしょうか?
クヨクヨは自分の理想と現実が食い違った時、つまり「自分の思い通りにならなかった時」に現れます。
クヨクヨしてしまうのは、過剰反応が原因です。
誰かが言ったことや思わぬ展開にすぐに反応してしまうのは、過敏に心の状態ばかりを見ているからで、そんな状態だとどんなにささいな出来事でも、大きく捉えてしまいます。
この過敏な状態から抜け出す方法は「自分を客観視する」ことです。
第3者目線で自分を俯瞰して見ることで、まるで他人事のように物事が見えてきます。
あえて客観視することで、人生は気楽になります。
ところで、このクヨクヨは自分を大きく成長させてくれるアイテムにもなります。
クヨクヨしてしまうからもっと努力しよう、クヨクヨしないようにもっと強くなろうと、なにくそっと自分を奮起させるエネルギー源になるので、クヨクヨは人間が成長するための大切なギフトとも言えるでしょう。
人生を振り返った時、当時は真剣に悩んでいたことでも、今となってはちっぽけに感じるかもしれません。
生きていれば、過ぎ去ったことは些細なことだったと思えるのが人間です。
すべては通過点に過ぎず、しょせんすべては小さなことです。
気負わずに生きましょう。
まとめ
精神的にラクになりたい人に捧げる、開き直るための名言をご紹介しました。
7つの名言の中で自分の心にフィットした名言を思い出しながら、上手に開き直りましょう。
気負わず笑顔で生きていけば、肩の荷もいつも間にか降りていたりするものです。
超訳 老子の言葉 「穏やかに」「したたかに」生きる極意