もうシニアと呼ばれる年頃になり、少しずつ体力の低下とともに病気のリスクが高まってきています。
実際、今年の2月にオスのキジトラ君が糖尿病に罹り、今もインスリン注射をしながら頑張ってます。
冬場は寒さが原因であまり水を飲まなくなり、それによって体調が悪化することもあるということで、どんなことに気をつけて生活をすれば良いのかを探ってみました。
体調を悪化させないために、お家でできる対策をご紹介したいと思います。
罹患率は年齢とともに上がり、シニア猫の死因としては多い病気です。
慢性腎臓病は、比較的初期の段階から薄い尿を大量に排泄するいわゆる「多飲多尿」症状が見られます。
多飲多尿と聞くと水をたくさん飲んで、たくさんの尿をすると思われがちですが、実は腎機能障害から薄いおしっこを大量に排泄しないと老廃物を排出することができないので、たくさんの尿を出すために水をたくさんの飲むということなのです。
この慢性腎臓病が冬の季節とどう関わってくるのでしょうか。
普段の生活でも高齢になるとじっと寝ている時間が長くなってきますが、冬場はその活動性が明らかに落ちます。
暖かいところで丸くなって寝ていることが増え、また高齢で関節疾患を抱えている猫ちゃんなどは、関節の痛みから余計に動きたがらないこともあります。
そういった状況に加えて、冬場は気温が低く水が冷たくなりやすいので、冷たい水を嫌う猫ちゃんは積極的に水を飲まなくなります。
腎臓病を患うと、どうしても多尿になるのであまり水を飲まないと簡単に脱水傾向になってしまいます。
つまり冬場にあまり水を飲まなくなることで脱水が進み、さらに腎臓病を悪化させてしまうことにもつながるのです。
オシッコが減ったかもしれない、と心配になる飼い主さんも多いようです。
猫はもともと水の少ない半砂漠地帯で生活していたこともあり、体内の水分を効率よく使い、少量で濃い尿を排出する性質があるので、飲水量がほかの動物に比べて少ないのです。
さらに猫は寒さに弱いので、気温が下がると、体温を一定に保ったり体力を維持するために動きが鈍くなりがちです。
その結果、水を飲みに行くという行動も少なくなります。
猫の飲水量が減り排尿回数が少なくなると、尿石症や膀胱炎、腎不全など泌尿器系の病気にかかるリスクが高くなります。
尿石症
尿が濃縮し、成分が固まってしまう病気。
飲水量が減ることで、もともと高い傾向にある尿の濃度がさらに上がり、尿中の成分が結晶化して結石となります。
排尿がしにくくなり、発症すると何度もトイレに行ったり陰部を舐める猫もいます。
膀胱炎
膀胱に炎症が起こり、血尿などの症状が見られる病気です。
原因はさまざまですが、ストレスや細菌感染、水分不足などが発症リスクを高めるといわれています。
悪化すると、尿石症や、尿道に結石などが詰まる尿道閉塞を併発するおそれもあります。
腎不全
体内の老廃物をろ過し、尿として排出する機能をもつ腎臓の働きが急激に低下する病気です。
食欲低下、嘔吐や下痢、無尿などの症状が見られます。
腎臓の機能が低下すると、体内の毒素を排出できなくなり、最悪の場合は命にかかわることもあります。
あまり水を飲まないからといって、すべての猫が飲水量不足というわけではありません。
気になる症状がある場合や、飲水量が足りないかも、と不安に感じた場合は、無理に水を飲ませようとせず、かかりつけの動物病院で診てもらってくださいね。
お水を飲まなくなったかも、と感じたら、飲水量をうながすためにいくつかの方法を試してみましょう。
1.水温
猫は飼い主さんが適温と感じるよりも少し暖かめの室温を好むと言われているので、まずは暖房などで室温を温かく保ち、飲み水の温度を38℃前後のぬるま湯にしてあげてみましょう。
こまめに温水に交換することで、飲んでくれるようになるかもしれません。
2.複数箇所に水飲み器を置く
関節炎がある猫ちゃんなどは、水飲み場まで距離があると痛みから足が遠のいて飲まなくなってしまうこともあるので、水飲み器は猫の目に付きやすい場所に複数個、極力段差がないさまざまな場所に用意してあげることが大切です。
また、こまめに飲み水の確認をすることで水の減りが早いことに気づけるかもしれません。
一度失われた腎機能は二度と回復をしないため、初期段階で多飲多尿を発見し早期発見・早期治療することがとても大切です。
病気自体は仕方ないですが、おうちの環境を改善するだけで病気の悪化を予防できるのでぜひ実践してあげてください。
3.ウエットフードを与える
ドライフードは10%ぐらいしか水分がありませんが、ウエットフードは75%ほどの水分が含まれています。
人は乾いた食べ物を口にすると喉が渇きますが、猫はドライフードを食べても飲水量は変化しません。
ウエットフードが好きな猫の場合は、水分補給として多めに与えるのも良いかもしれません。
ドライフードからウエットフードに変える場合は、水分が多いために同じ重さあたりのカロリー量が少ないので、ある程度の量をあげないと必要カロリー量を満たさなくなり体重が減るので注意が必要です。
たくさん食べられない子には向かないかもしれません。
4.いろいろな種類の器を試す
猫によっては好みに合った器があるようです。
飲水量が減ったと感じたら、陶器、ガラス、プラスチック、ステンレスなどいろいろな器を用意して、愛猫の好みに合ったものを見つけてあげましょう。
まとめ
猫にとって冬の冷たい水は、飲みにくいようです。
飲水量が減ると、さまざまな病気の原因にもなるので、工夫しながら飼い猫の健康管理をしてあげてくださいね。
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