暖かい部屋でヌクヌクと過ごしたくなるものの、運動不足が不健康につながるのは周知の事実です。
年末年始は食べすぎや飲みすぎが重なるので、さらに拍車をかけることになり、どうやって体を動かそうか、と考えているうちに時間だけが過ぎていくことに…。
寿命は延びても健康を維持していなければ長生きする意味はありません。
やはり運動は自分で責任をもって実践できる健康に効果的な方法です。
毎日適度な運動量を継続して、超高齢社会を幸せに暮らしていくために、今回は毎日ほどほどにできる、80歳まで健康に過ごす方法をご紹介したいと思います。
年齢とともに低下する筋力を保つには、毎日の運動が大切です。
しかし1人で運動しても面白みがなく気力も続かず途中で脱落する確率が高くなります。
同年代の友人をつくってグループで運動すれば継続しやすくなるはずです。
具体例としては、ウオーキングや水泳、自転車、ゴルフ、ゲートボールなど、照れがなければ社交ダンスなども運動量が高く、ほどよい緊張感を持って異性と接せられる点が、他の運動にはないのでお勧めです。
「少し疲れた」程度で終える
ウォーキングは、歩き始めの5〜10分間はちょっとおっくうに感じても、40〜50分歩き続けると快い気分になってきます。
ウォーキング中に鎮静作用のある神経伝達物質「ベータエンドルフィン」が脳の中で作られるためと考えられていますが、快適に感じてからもさらに歩き続けると痛みが出てきたり疲労が翌日まで残ったりして、運動する意欲がなくなり逆効果になります。
なので、ウォーキングでは「少し疲れた」という感覚になるまで行うことを目安にしてください。
「少し疲れた」という感覚は、主観的ではっきりしませんが、心拍数をはかると参考になります。
運動の止めごろは、最大心拍数の220から年齢を引いた数字の7〜8割の値です。
50歳なら119〜136、60歳なら112〜128、70歳なら105〜120になります。
心拍数が135を超える運動は、できるだけ避けるようにしましょう。
運動は何よりも継続が大切だと言われています。
その例のひとつとして、運動習慣のない人たちと健康増進プログラムに参加した人たちの1人当たりの医療費増加額を2年間比べたところ、運動習慣の無い人たちは9万5614円の増加に対し、健康増進プログラム参加者のグループは2万3449円にとどまりました。
さらに健康増進プログラム参加者のグループは、転んでけがをする件数が大幅に減るなど、高齢者の健康を維持できるようになった効果が大きいことがわかり、それが7万円を超す医療費削減につながったと思われます。
現在の高齢者の健康増進に関する制度は、検査値など数値に依存する傾向が強いため、数値を平常値にするために好きなものを食べられない、などの辛抱を強いるやり方に偏っています。 体質や体調はそれぞれ違うので、一人ひとりに合わせたほどよい健康法の浸透が大切なのではないでしょうか。
さらに、ただ単純に運動を続けるということはやさしいことではありません。
毎日の運動のなかに、興味や好奇心を抱き、家族や仲間を大事にしながら一緒に頑張れるというのが重要な条件になってきます。
どんな年齢になっても、男性も女性も身だしなみやおしゃれを忘れない人が健康で長生きするようです。
筋力が低下した状態で、平常より多い量の飲食をすることはよくありません。
短い期間でも脂肪肝や2型糖尿病を引き起こすリスクがあります。
筋肉は脂肪を燃焼するため、筋肉量が少ないとエネルギー消費されにくくなり、余分な脂肪がたまっていきます。
肝臓に脂肪がたまると脂肪肝になる一方、脂肪が増えると脂肪細胞が変性し、アディポネクチンという善玉ホルモンの分泌量が減ってしまい身体に悪影響を及ぼします。
アディポネクチンは、血糖値をコントロールするインスリンの効きをよくし、動脈硬化予防など健康や長寿に役立つ作用を持っているので、アディポネクチンが減ると2型糖尿病や高血圧を起こしやすくなるのです。
暴飲暴食による脂肪肝は、重症化すると肝がんへつながります。
脂肪肝に加え、脂肪細胞が変性すると生活習慣病が促進され、動脈硬化が進行して心筋梗塞や脳卒中のリスクが上がります。
加えて、冬場は季節ならではの筋肉に悪影響を及ぼす要因があります。
冬は日照時間が短かく、紫外線で体内に生成されるビタミンDが減ります。
ビタミンDは、カルシウムの吸収で欠かせないことに加え、筋肉の合成にも欠かせないので、身体をなるべく動かし筋肉を保ちつつ、ビタミンDを意識してとるようにしましょう。
体内のビタミンDを増やす方法として、
1.1日15分〜30分は直射日光にあたる
2.サケやマグロ、サバなどの脂の多い魚類をメインディッシュに選ぶ
3.キクラゲや干ししいたけなどのキノコ類をよく食べるようにする
などに気を付けるとよいでしょう。
ただ、ビタミンDをたくさんとっても動かなければ次第に筋力は減り、骨はもろくなっていきます。
さらにこの状態で無理に運動をすると、ひざや腰を痛めるなど故障につながりかねないので注意が必要です。
まとめ
やはり、運動不足は身体に様々な影響を与えるようです。
なかなか寒い時期は積極的に体を動かすことができませんし、コロナ自粛で生活習慣が乱れ、体調が悪化した方も増えていると聞きます。
ちまたには様々な健康情報があふれていますが、やはり程よい運動は、自分で調整できる最も効果的な健康維持の方法ではないでしょうか。
ほどほど養生訓実践編