それどころか、抱き上げた時にお日様のようないいニオイと感じることもあるほどです。
他のペットと違い、なぜ猫はお風呂に入らなくても臭わないのでしょうか。
今回はそんな素朴な疑問に答えつつ、突然イヤなにおいがしだしたらどうすればよいのかまで解説していきたいと思います。
猫は毛づくろい(グルーミング)をよくします。
これは、舌の表面をブラシのように使い、全身をなめて汚れなどを取り除き、毛並みを整えてキレイにしているのです。
猫は起きている時間の3分の1を、この毛づくろいに費やしているとも言われます。
この毛づくろい(グルーミング)は、単なる身だしなみではなく、狩猟を成功させるために身につけたテクニックで猫にとっては生きる術なのです。
猫はもともと「狩猟動物」です。
狩りのスタイルは待ち伏せなので、体臭があると獲物に気付かれてしまうため、自分で毛づくろいをすることで汚れやにおいを取っているのです。
また、猫は身体に汗腺がなく、肉球にしか汗をかきません。
そのため、身体が汗くさくなることもないのです。
さらに猫は日向ぼっこが大好き。
日向ぼっこをして被毛を乾燥させることで、雑菌の繁殖を減らすだけでなく、紫外線による消毒の効果もあります。
悪臭の原因となる雑菌が被毛に少ないのも、猫が体臭が少ない理由なのです。
猫の日向ぼっこには、他にも「体温の維持」「血行促進」「リラックス効果(ストレス解消)」などの作用もあります。
窓辺でウトウトしている愛猫の姿は、飼い主さんにとってもリラックス効果になっていることでしょう。
完全室内飼いで外にまったく出ないのであれば、そもそもそんなに汚れません。
なのでお風呂が好きな猫を除き、小さい頃からお風呂に慣れていない猫は、無理にお風呂に入れる必要はないのです。
猫のオシッコは濃縮されているため、かなり強烈な臭いです。
肉食動物なので、ウンチもかなり臭います。
基本的に猫はキレイ好きなので、排泄後は砂をかけて隠すものです。
しかし、中には足にかかってしまったり、トイレからはみ出してしまったりする子もいるので、トイレの仕方をチェックしてみましょう。
お腹の調子が悪くて下痢をしている場合は、おしりや後ろ足にウンチがついてしまっている場合もあります。
去勢していないオスによる縄張りを主張するためのマーキング・スプレー行為は、非常に困ったものです。
しっぽを立てて壁や家具に強烈な臭いのオシッコを飛ばし、その臭いは思わず顔をしかめてしまうほどです。
この問題は去勢をすればほとんど解消できますが、癖になって去勢後も行う猫もいますし、不妊手術をしていないメスも行うことがあります。
できるだけ発情前に去勢・不妊手術は済ませたほうがいいでしょう。
トイレ以外の場所で排泄する場合はスプレー行為ではなく、トイレの場所や素材、掃除の仕方が気に入らないことに対するクレームという可能性が高いので、見直してみてください。
猫は、自分のオシッコの臭いがする場所はしてもよい場所だと判断します。
スプレー行動や粗相をしてしまったときはすぐに拭き取って、アルコールなどで消毒して臭いを消しておきましょう。
もしも臭いだけでなく、毛がボサボサしてくるなどの変化を感じたら、何らかの理由でグルーミングが十分できてない可能性があります。
グルーミング不足の原因として考えるのは、病気やケガなどの体調不良。
特に思い当たらない場合は、普段の動きをよく観察してみたほうがいいかもしれません。
グルーミング不足だけでなく、化膿してしまったキズや皮膚炎などが臭いの原因になっている可能性もあるので、スキンシップをしながら全身を細かくチェックしてみましょう。
年老いたシニア猫の場合は、そもそもの体力が落ちたり体が不自由になったりするため、体調不良でなくても毛づくろいの回数は減ります。
自分では行き届かない分を飼い主さんがブラッシングやペット用ウェットシートなど手助けしてあげてください。
猫用のドライシャンプーを活用するのもおすすめです。
特に臭いの元になる物質を分泌する皮脂腺とアポクリン腺は、しっぽの付け根や肛門周り、足の裏、耳などに集中しているので、ここを念入りにケアしてあげるといいでしょう。
猫を飼っているうえで、猫のニオイ以外で気を付けたいところがいくつかあります。
◆トイレ対策
やはり一番臭いの元になるのはトイレです。
排泄後、すぐに片付けられるのなら臭が広がるのをグッと減らすことができますが、ずっとトイレを見張っているわけにはいきませんから、猫砂を多めに入れておく、消臭機能の高い猫砂に変えるといった対策を取りましょう。
毎日最低1回は排泄物を片付け、月に1回はトイレ自体を洗って消毒し猫砂を入れ替えましょう。
◆フード対策
飼い主さんができる臭い対策として猫のごはんがあります。
猫は犬のように一度に食べきらず、少量ずつ食べることが多いので、1日中フードを出しっぱなしにしているおうちも多いのではないでしょうか。
一度口をつけたフードをそのまま放置しておくと、雑菌が繁殖しやすくなり臭いの元になっていることがあります。
フードの出しっぱなしをやめて、一度に食べきる量を把握し時間を決めて与えるようにして、食べきらなかったら下げてしまいましょう。
またフードを入れる容器は与えるたびに洗うようにすれば清潔で衛生的です。
体のどこから臭いがしているのかによって考えられる病気は異なりますが、気になる場合は動物病院で相談することをおすすめします。
1.口がにおう
口臭がする場合は、歯周病の可能性があります。
実は猫の多くは歯周病を患っていると言われており、悪化すると歯がボロボロになるだけでなく、他の病気を引き起こす可能性もある病気なので、予防のために歯みがきを心がけるようにしましょう。
口腔内ではなく、胃腸などの内臓が原因で息が臭くなっている場合もあります。 普段の様子や食事の様子を観察してください。
2.耳がにおう
耳から臭いがする場合は、外耳炎などを起こしているかもしれません。
単に耳垢が溜まりすぎているというケースもあり、お手入れ不足、お手入れのしすぎ、どちらも炎症の原因になりえるので注意が必要です。
3.おしり周りがにおう
元々猫のオシッコはかなり臭いですが、アンモニア臭がきつくなったと感じたら、膀胱炎や尿路結石といった泌尿器系のトラブルが起きている可能性があります。
ウンチの臭いがきつくなった場合は、消化不良を起こすなど、腸内環境が悪化しているのかもしれません。
消化の良いフードに変えてみてください。
4.体全体がにおう
特定の場所だけでなく、全身から臭いがすると感じるのであれば、皮膚炎などのトラブルの可能性があります。
毛や地肌がべたついたり、逆にカサカサしていたりしないか、チェックしてみましょう。
また歯周病などを起こしている場合、毛づくろいによってその臭いが全身に移っている場合もあります。
まとめ
猫は毛づくろいで身体をキレイにしますが、体調が悪かったり、口の中に異常があると毛づくろいをしなくなります。
被毛の汚れやニオイが気になる場合は、体調がよくなるまでぬるま湯に浸して絞ったコットンなどで拭いてあげると、猫も自分で取れない汚れがキレイになって、気持ちよく感じるようです。
また、換気も臭い対策には効果的です。 これから寒くなると窓を開けるのはためらわれますが、冬場には空気清浄機や脱臭機を導入するというのもひとつの方法です。
猫も人間も快適で気持ちのよい毎日を送れるように、気づいたところからとりかかっていきましょう。
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