しかし完全な室内飼いの場合は外で生きていく術をまったく知らないため、一度外へ出ると食事をとることも出来ず、命に関わる危険性もあります。
うっかりドアや窓を開けた隙に愛猫が飛び出してしまい、慌てて探すもののなかなか見つからず、早く帰ってきてほしいと心配しながら待つばかり…。
そんな辛い思いはできるだけしたくないものです。
今回は、猫が脱走する理由や捜索のポイント、脱走防止の工夫についてご紹介します。
猫はとても好奇心の旺盛な動物です。
窓の外に興味の引くものを見つけたら、気になって外に出てみたくなるのは当然のことなのです。
飼い猫になる前に野良猫として生きてきたことがある場合は、野良猫のときの習性が抜けずに、いつまでも外の刺激を好むことが多くあります。
2.発情期から
去勢をしていないオス猫や避妊をしていないメス猫は、発情期になるとパートナーを求めて脱走することがあります。
繁殖をさせる予定がないのであれば、脱走防止だけでなく、病気予防やストレスを軽くするという点でも早めに去勢・避妊手術をすることをお勧めします。
3.ストレスから
引越しなどで環境が変わった場合や、現在の環境にストレスを感じている場合には、元いた場所に戻ろうとして脱走することがあります。
また地震で大きな音や震動に驚いて、その場から逃げ出してしまうこともあります。
無事に保護されるケースとしては脱走後約1週間で見つかることが多いため、1週間は必死に捜索することが重要です。
捜索は、まず地域の警察署や動物愛護センターへ連絡し、飼い猫に似た猫が収容されていないかどうかを確認してみてください。
また迷子猫が保護された場合に、動物病院へ相談や連絡が行くことが多いため、近くの動物病院にも連絡してみてください。
完全に室内で飼われていた猫の場合、好奇心に任せて外に出てみたもの、恐怖感からあまり遠くへは行きません。
半径50メートルぐらいの範囲を目安に、付近を徹底的に探してみましょう。
自動車の下、路地の隙間や裏、自販機や室外機の下、植え込みの中など、脱走した猫がよく隠れる場所は、暗くて小さな隙間や空間のあるところです。
また、塀や屋根、木の上に登って下りられなくなっている場合もあるので、目線より上の場所にも注意して探してみましょう。
怯えて声も出せずにじっと固まっている猫を見つけ出すのは難しいので、お気に入りのごはんやおやつの匂いで誘い出したり、飼い猫の愛称や飼い主さんがよく呼びかける言葉などを録音した音声を流しながら探しましょう。
なかには自力で戻ってくる場合もあるため、家の付近にごはんを少量置いて待つのも有効です。
探しても見つからない場合は、近所の方へ聞いたり、張り紙をして目撃情報を集めましょう。
またインターネット上には、迷子猫・保護猫掲示板といった情報を書き込むウェブサイトもいくつかあります。
レスポンスがあるかもしれないので、猫の写真や特徴、逃げた場所などを書き込んでみてください。
最近ではSNS上で情報を拡散してもらう方法もあります。
個人情報の流出には十分注意して、上手に活用してみましょう。
猫を見つけたらゆっくりと落ち着いて、徐々に近づくようにしましょう。
いつものエサ皿に入れたエサを置いて猫が近づくのを待ったり、好きなオモチャを用意し、気を引くなどして、猫が近づいてきたら抱きあげてキャリーバッグなどに入れて自宅へ運びます。
見つかった喜びのあまり駆け寄ったり大声を出したりすると、猫は驚いてさらに逃げてしまうことがあるので注意してください。
もし脱走中にケガをしているようだったら、そのまま動物病院に行って診察を受けましょう。
必死の捜索にもかかわらず、どうしても見つからない場合は、お住まいの地域の行政や愛護団体へ相談すると、近所の猫の情報や、アドバイスなどをいただける可能性があります。
また、姿は見えているのに捕まえられないという場合は、お住まいの地域の区役所や付近の愛護団体で捕獲器(猫を安全に捕獲すためのトラップ)を借りることができたり、保革のサポートを受けることができる場合があるのでご連絡されることをお勧めします。
家族がドアや窓を開けたすきに隙間から外へ出ていく場合が多いですが、中には自力でドアや窓を開けて外へ出てしまう子もいます。
また、引っ越し時には猫が部屋内で落ち着かず外へ飛び出すことがあるので注意が必要です。
1日に何度も開け閉めする玄関のドアと、猫のいる部屋との間に何も仕切りがないというのは、好奇心旺盛な猫にとってはとても危険な状態なので、部屋と玄関との間に脱走防止用ゲートをホームセンターなどで購入して猫がすぐドアへ到達できないようにしましょう。
玄関用の網戸を設置するのも、脱走防止策として効果的です。
また、網戸や窓に「ロック」や「ストッパー」を付けて猫が開けられないようにしたり、ベランダに隙間がある場合は、プラスチックボードやネットなどでフェンスを作って外に出られないようにします。
好きで出ていったのだから、野良猫になって自由気ままに暮らしていけるのではと思っている方もいるかもしれませんが、外の環境はかなり過酷であり、特に完全室内飼いで育った猫が一人で外で生きていくのはほとんど不可能なので、万が一脱走してしまったときのために、迷子札やマイクロチップを装着しておくのもよいでしょう。
とはいえ、一度脱走すると捕獲するのが困難なケースが多く、やはり脱走させないことが何よりも重要です。
猫にとって本当に安全な環境になるように今一度おうちのなかを見直してみてください。
まとめ
体が柔らかい猫は、少しの隙間からも体をすり抜けて出ていってしまいます。
飼い主さんがちょっと玄関や窓を開けた隙に脱走してしまった、というケースが一番多いようなので、玄関や窓を開けなければならないときは、別室やケージ、キャリーに猫を移動させ、日頃から愛猫の脱走対策を意識しながら油断しないようにしてください。
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