症状がひどくなると普段の生活に支障が出てしまうことも。
この突然おそってくる不調は、投薬や手術などで体の悪い部分に直接アプローチしする西洋医学ではなく、漢方などを用いて体の不調を内側から根本的に治す東洋医学の領域での治療がよく効くということをご存じでしたか。
今回は加齢とともにこれといった心当たりはないのに、なぜか体の不調が続くという方に、どうすれば根本から解消できるのか、どんな漢方が効くのかを症状別にご紹介したいと思います。
しかし当時は仕事に家事に忙しく、「少し疲れているのかな」と思う程度で、特に真剣には考えていませんでした。
あるとき、買い物に行こうとスーパーに向かっている途中で突然めまいにおそわれ、転倒。
幹線道路のすぐそばを歩いていたので、事故にでもあっていたら…と考えると恐ろしく、それ以来、まためまいや立ちくらみが来るのではないかと不安になり、病院も受診しましたが、処方されたお薬も効果がないまま、どうしたらよいのだろうかと悩んでいました。
何とか改善できる方法はないかと、このふらつきについて私なりに調べてみると、更年期の女性にあらわれる「めまい」や「ふらつき」に悩んでいる方は少なくないようで、どうやらホルモンバランスの乱れが原因ということがわかりました。
女性ホルモンには「エストロゲン」「プロゲステロン」の2種類があり、この2種類のホルモンの分泌量は年齢によって変化します。
更年期にはエストロゲンの分泌量が急激に減少するので、この変化に脳が対応できなくなって自律神経のバランスが乱れることで、身体に様々な変化や不調があらわれます。
その症状の一部が、「めまい」や「ふらつき」なのです。
東洋医学では、更年期にあらわれる「めまい」や「ふらつき」は、血(けつ)の不調からきていると考えられていて、これらの不調の改善には、血の巡りや不足を改善する漢方薬がよく効くとわかりました。
更年期のめまいは大まかに「回転性めまい」「浮動性めまい」「立ちくらみ」の3タイプに分けられるそうです。
「回転性めまい」
・天井がぐるぐると回って見える
・まっすぐ歩けなくなる
平衡感覚をつかさどる「三半規管」に障害が生じると起こる
「浮動性めまい」
・ふわふわ浮いているような感覚
・目の焦点が合いづらい
耳石器と呼ばれる加速度や重力をとらえる器官に障害が生じると起きる
「立ちくらみ」
・立ち上がった時に目の前が一瞬暗くなる
・血の気が引く感じがする
低血圧や体内の血流の悪さなどから引き起こされる
私の症状は、立ちくらみでした。
貧血のように目の前が暗くなり、立っていられなくなるのです。
更年期の自律神経の乱れ以外にも疲労やストレス、血行不良などによってもめまいは引き起こされるようです。
脳の混乱を避けるためにもできるだけ視覚や聴覚からの情報を絶ちましょう。
座ることができない場所ならば、何かにつかまって体を支えながらしゃがみこむだけでもいいので、なるべく楽な姿勢で症状が治まるのを待ちます。
周囲に迷惑をかけたくないとの思いから我慢しようとする人もいますが、無理をすると転倒することもあるので症状が落ち着くまでは必ず安静にすることです。
めまいはたいていすぐに治まるので、大きな心配はないとはいえ、突然起きるとつらいものです。
「また急にめまいがしたら…」と思うと外出するのも億劫になってしますよね。
更年期のめまいなどの症状を少しでも和らげるために、自分でできる日常的なケアや、漢方によるアプローチがあります。
・生活習慣の改善
更年期症状の大きな原因である自律神経の乱れを整えるためには、十分な睡眠や適度な運動などを心がけて毎日の生活習慣を正すことが大切です。
特に血流が悪くなると、更年期の諸症状が悪化することもあるので、適度な運動を毎日の生活の中に摂り入れましょう。
・バランスのとれた食生活
更年期のつらい症状を改善するには適度な運動と十分な睡眠に加えてバランスのとれた食生活を心がけることが大切です。
女性ホルモンとよく似た働きをする「大豆イソフラボン」を補うためには豆腐、味噌、納豆などの大豆製品を。
血行を良くする働きがあるビタミンEを多く含む食材はかぼちゃ、アボカド、ナッツ類。
ホルモンバランスを整える亜鉛を補うには牡蠣、レバー、ごまなどを。
自律神経の働きを維持する作用があるビタミンB1を多く含む食材には豚肉、レバーなどに多く含まれます。
更年期のイライラ緩和に有効なビタミンCを補うにはレモン、イチゴ、ほうれん草、ブロッコリーなど。
このような食材をバランスよく取り入れ、偏食したり食事を抜いたりせずに3食きちんと適量食べることが大切です。
・ストレスをためない
心とホルモンは大きく関係しています。
ふらつきをはじめとする更年期症状の改善のためには、ストレスをためない生活が大切です。
ストレスを抱えてしまうと、ホルモンバランスが崩れて更年期症状も悪化してしまいます。
更年期にはとくにストレスをためない工夫が必要です。
具体的には、自分は何をやっている時が楽しいのか、どういうときに安らげるのかを考えて自分にとっての楽しさ、安らぎを知ることと、リフレッシュ時間を確保することが大切です。
漢方薬が目指すのは、症状をとりあえず抑える対症療法ではなく根本的な解決です。
体質の改善に働きかけることのできる漢方薬は、同じ症状を繰り返したくないという不安感の解消に応えてくれます。
また、漢方薬は自然にある植物や鉱物などの「生薬」を組み合わせて作られているため、 一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。
セルフケアでバランスのとれた食事や運動などを毎日続けるのは苦手という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。
<更年期の症状に悩む女性におすすめの漢方薬>
加味逍遙散(かみしょうようさん)
のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちのある方の更年期障害、不眠症などに効果がある漢方薬。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
肩こり、頭痛、めまい、のぼせて足冷えなどのある方、更年期障害、肩こりなど
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすい方の更年期障害、むくみ、冷え症などに効果がある漢方薬。
私は専門医に処方してもらって桂枝茯苓丸と当帰芍薬散料を飲んでいました。
すぐに効いた感じではありませんが、飲み続けるうちにいつのまにか楽になっていました。
漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。
体質に合わない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることもあるので、購入時には、できる限り漢方に精通した医師や薬剤師等にご相談することをお勧めします。
「お手頃価格で不調を改善したい」という方にはスマホで気軽に相談できる「あんしん漢方」のようなサービスを利用するのもよいと思います。
漢方薬は味、匂いが独特なので苦手な人も多いようですが、苦手な人はもっと手軽にケアできるサプリメントもあるので、そちらから試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
めまいはたいていすぐに治まるので、大きな心配はないとはいえ、またいつめまいが起きるかもしれないという不安感は気持ちのよいものではありません。
このぐらいの症状なら…とそのままにしておくのではなく、体の異変に気付いたら少しでも早めに対処しましょう。
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