その人の本質を知るために、初対面で「初めまして」と挨拶する際に顔の次に見るとよいところがあるそう。
いくら服装を決めて髪型を清潔にしていても、そこが不潔だと第一印象が格段に悪くなるほど、その人の本質を表しているところだからです。
今回は、銀座の高級クラブ「クラブ由美」のオーナー・伊藤由美氏が書かれた『「運と不運」には理由があります 銀座のママは見た、成功を遠ざける残念な習慣33』から、出会う人の本質を見抜くポイントをご紹介します。
では、2番目は?
スーツ?
ネクタイ?
靴?
腕時計?
候補はいろいろありますが、意外に目に入りやすいところが「手」や「手の爪」です。
仕事での初対面の場合に相手側と必ずすることと言えば名刺交換でしょう。
そのときに名刺を持って差し出された手や手の爪は、否が応でも相手の目に晒すことになります。
名刺交換のとき以外でも、書類をめくったりスマホを操作したり、パソコンのキーボードを叩くときなど、手や指はさまざまなビジネスシーンにおいて周囲の視線がそそがれるところです。
顔や髪形、服装と同じように爪の手入れに気をつかっている方はどれぐらいおられることでしょう。
とくに男性の場合、服装や持ち物、髪型には注意を払っていても、爪の手入れには無頓着で、疎かにしがちな人が少なくないように思います。
手の爪は、その人の印象を大きく左右するファクターです。
そういえば、爪はあまり気にしたことがないな、という人は思わぬ低評価を受けているかもしれませんので気をつけてください。
社内のデスク周りも整理整頓され、靴やカバンなど身の回りのものの手入れも行き届いていることが多く、実際に女性からモテる方が多いのです。
爪を切らずに伸ばし放しにしたままで爪の間には垢がたまっているような人は、周囲に不潔感や不快感を与えるだけでなく、日常生活そのものがだらしなさそうという悪いイメージを持たれかねません。
ビジネスだけではなく、世の女性陣からは、「男性と会うときは、まず手に目が行く」「手や指、爪がきれいな男性は好感度も高くなる」という声は多く聞こえてきます。
爪をきれいにしている人は、自分の手元が常に見られていること、そして手や爪が自分のイメージを左右することを自覚している人です。
対照的に爪の手入れを疎かにしている人は、自分が周囲を不快にさせていることに気づかない鈍感な心を爪に体現している人とも言えるでしょう。
「爪は口ほどにものを言う」のです。
また爪は、その人の健康状態や体の変調が表出しやすい「健康のバロメーター」を測れる部位でもあります。
例えば爪の色を挙げてみると、爪は指先の皮膚の下を流れる血液が透けて見えるため、健康な爪は薄いピンク色をしていると言われています。
爪の色が白っぽい、黒っぽい、黄ばんでいる、斑点が出るなど変色している場合や爪が割れる、横筋が出る、でこぼこになるといった症状があるときは、どこかしら体に変調をきたしている可能性もあるのです。
さらに、生活が乱れるとお肌が荒れてしまうのと同様に、爪も食事による栄養状態や睡眠時間、生活リズムなどの影響を受けます。
不健康そうな色だったり、ダメージを受けてボロボロになった爪からは、偏食や栄養の偏り、睡眠不足といった不規則な生活リズムまでが見えてくるのです。
つまり、健康的できれいな爪の人は、充実してバランスがよい食生活を送り、規則正しい生活をしている人という印象を与えることもできるのです。
爪をきれいにする、いつも短く清潔に切りそろえておくことは、仕事がデキるとか能力があるといった次元の話ではなく、社会人として最低限の身だしなみです。
指の長さや太さ、形は生まれ持ったものなのでどうにもならなくても、爪の手入れは誰でもできます。
今まで気にしていなかった世の男性には、ぜひとも「出勤前の指先チェック」を習慣にしていただきたいと思います。
指先ひとつの印象で、できないビジネスマンの烙印を押されかねないことを肝に銘じてくださいね。
女性のように、ネイルサロンでケアをすることまではいかなくても、長く伸びないうちに切る、こまめに整える、食事内容に気を使い、規則正しい生活を心がける、これが習慣にできればいいのです。
爪が伸びていませんか?
爪先が黒ずんでいませんか?
自分は気にならなくても、周囲の人は意外にちゃんと見ているものです。
相手の話を聞くと何でもあたまから否定で返してくる人がいますね。
「クラブ由美」のお客さまのなかにも、女の子の話に一から十まで「違う」「それはダメ」と否定で答えるような方がいらっしゃったようです。
「今人気の○○っていう和食屋さん、すごくおいしかったんです」
「いやいや、あの店、大したことないでしょ、オレは行かなくてもいいや」
「最近、作家の○○さんの小説にハマってるんですよ。読みだすと止まらなくて」
「でもさぁ、あの人の書く小説ってどれも似たり寄ったりだから飽きてくるんだよね」
こんな感じで、女の子の話すべてを否定し、批判し、ダメ出しするのです。
その子いわく、「お客さまだから我慢したけれど、私自身が否定されているようで悲しい気持ちになった」とのこと。
会話をするときにいつも否定から入る人の心の底には「私はあなたよりものをよく知っている」という優越感や、「自分のほうが正しい」という傲慢な思い込みがあるのではないでしょうか。
もしかすると相手を否定することでしか自分の立場を確立できない人なのかもしれません。
会議や打ち合わせのような仕事でのディスカッションならいざ知らず、普段の雑談やお酒の席での何気ない会話では、「まず否定から」は絶対にやめましょう。
相手の好きなものや気に入っていることの話に、のっけから「ダメ」「違う」「そうは思わない」で返したら会話が弾むはずがありません。
先のお客さまも、たとえ本当に自分がその和食屋の料理がイマひとつだと思っていたり、作家の小説をつまらないと思っていたとしても、頭から女の子の話を否定し、自分の価値観だけが正論のように声高に主張するようでは、企業でどれだけ職位が高い方でも社会人としての品位は疑われてしまいます。
人は誰でも「そうだよね」と自分の話に共感されると嬉しいものです。
そして共感してくれる相手には、親近感や信頼感を覚えていきます。
その真逆の行為が「いや、でも、だけど、しかし、違う」といった頭ごなしの否定なのですが、そもそも誰もが、自分とまったく同じ価値観や趣味趣向の持ち主であることなどあり得ません。
人ぞれぞれ、何が美味しいかと感じる味覚も違えば、小説の好みも違います。
それが個性であり、個性が違うからこそ人間同士の付き合いにはおもしろ味があるのです。
何でも否定や反対から入る人とは会話も続きませんし、会話をしたいとも思わなくなっていくでしょう。
そうやって周囲から敬遠されてコミュニケーションの機会が減っていけば、貴重な情報や役立つ話題もだんだん入手できなくなり、自分では気づかないかもしれませんが、いつの日かビジネスチャンスも逃してしまうことになってしまいます。
あなたの会話言葉は否定から始まってはいませんか?
誰かの話を否定することに無頓着になっていませんか?
何でも否定する人に仕事がデキない人が多いのは、こういうことが原因でもあるのです。
まとめ
なかには、本人に悪気はないし否定するつもりもないのに何気ないクセで、会話のアタマについ「いや」「でも」「だけど」をつける人がいます。
このやっかいなクセは自分で意識して直す努力をしないと、いつか仕事でも人間関係でも必ずつまづきます。
相手の話には、否定ではなく「共感」から入ること。
自分の価値観を押し付けず、相手の興味や関心ごとに歩み寄る姿勢ひとつで、人間関係もビジネスも大きく変わっていくのではないでしょうか。
出勤前の手の爪のチェックとともに気を付けたいものです。
「運と不運」には理由があります - 銀座のママは見た、成功を遠ざける残念な習慣33 -