もしかしたら自分の転職活動の方法は間違っているのか?と、転職が成功するのか不安を抱いている方がおられるのではないでしょうか。
実は転職活動で失敗する人には、ある勘違いをされていることが多いのです。
今日は転職活動についてお話ししたいと思います。
人生のなかで仕事を替えることがあるのは何の不思議もありませんし、転職を決心する時にはさまざまな理由があると思います。
しかし学生が就職活動をするのとは違い、転職活動に臨むにあたっては、以下の3つの観点を押さえておくことが大切です。
1.中途採用=即戦力である
中途採用をする事業者の多くは、入社してすぐに活躍してくれる即戦力を期待する傾向があります。
ところが、業界に関する専門知識があり、前職での実績やスキルがたとえ十分あったとしても、新しい職場環境ですぐに活躍できるとは限りません。
即戦力を見込んで採用したものの、うまくいかなかったケースも存在します。
豊富なスキルや実績があったとしても、新しい企業に馴染めず、本来の力を発揮できないこともあるのです。
たとえば、納品方法や書類のフォーマットといった実務レベルの要素、現場でのコミュニケーションや社外での付き合い方といった人間関係など、今までやっていた慣例の違いがストレスになり、適応するまでには時間がかかると、すぐに活躍するのが難しくなります。
入社後に本来の能力をすぐに発揮できるかどうかは、スキルやキャリアだけでなく「人間力」と「適応力」にかかっているとも言えるでしょう。
コミュニケーション力や規範意識の高さ、会社の理念に共感しながら社内メンバーからの教えを素直に受け入れる姿勢があるかどうかが重要な要素になるのです。
2.採否は応募者の「相対評価」で決まる
人事の評価制度には大まかに「絶対評価」と「相対評価」と呼ばれる2つの手法があります。
「絶対評価」とは、会社が求める能力が備わっているか、評価項目を達成しているかをチェックして単純に評価する方法です。
「相対評価」とは、評価項目が達成できているかどうかより、他の応募者と比較し、能力に序列を付けて評価する方法です。
通常社内では、絶対評価と相対評価の双方を取り入れるのが一般的ですが、中途採用の場合は、応募者同士の「相対評価」で決まります。
なぜなら応募者の中からその企業に合う能力の序列が良い順に上位から採用すればよいのですから。
3.企業の現状により、評価は変動する
売り手市場が続き、応募者すら思うように集まらない場合や買い手市場が優勢で企業に合った優秀な人材が比較的採用しやすい場合など、時代により応募者の評価は変動します。
また将来の労働力減少や求人倍率の上昇により、人材獲得競争激化への懸念、職業の多様化など、採用活動の現場ではさまざまな環境変化を受けているのが現状です。
今どのような採用手法がとられる時代なのかを応募者側がリサーチし、時代に合わせたアプローチをしていかなければなりません。
過信からくるのは、いくつかの勘違いです。
こんなはずじゃなかった、と後悔する前に、勘違いのパターンと対処法を知っておきましょう。
勘違い1. 自分の経歴ならどんな業界・職種でも受かる
有名大学出身、大手企業に在籍、難関資格を持っている、などの自信から、どんな業界や職種でも選考を通過すると思っていたのに、なぜか書類選考で振り落とされる、という人がいます。
中途採用では即戦力性が求められるため、実務経験が重要視されるため、有名大学や大手企業の出身、難関資格を取得しているといったブランド的要素だけでは、自分が思っているほどの評価にはつながりません。
新卒採用では大学名もある程度考慮されるかもしれませんが、中途採用では実務経験のレベルでの相対評価が行われます。
さらに大手から中小企業であれば転職しやすいだろう、といった勘違いもよく見られます。
中小では、従業員数が少ない分、1人が複数の業務を兼務する必要があるので、大手企業の細分化された組織で一部の業務しか経験していないとなると敬遠されることがあります。
大手企業にいた方は、前職の会社の力を自分自身の力と勘違いして失敗することのないようにしましょう。
選考の際に、「独自にどんな創意工夫をしてきたか」「前職で経験してきたこと、身に付けたスキルをどう活かそうと考えているか」「転職した後は何を目指すのか」を整理して伝えられるようにしてください。
勘違い2.「すごい実績」を伝えれば受かる
面接では自分の実績をしっかりアピールできたし、面接担当者も褒めてくれて、話が盛り上がった、けれども結果は不採用だった、というケースも少なくありません。
なぜ不採用になったのか。
これは面接担当者はその人の実績を認め評価はしたが、自分の会社で求めている人材ではないと判断されたということです。
相手企業の求める人材を理解せず、自分がアピールしたいことを伝えることのみに集中した場合、こうした勘違いが起こります。
事前に応募先企業のホームページや採用サイトなどをしっかり読んで研究し、相手が求めている人材と自分が持っているものをすり合わせた上で、活かせる経験・スキルをアピールすることが大切です。
また、過去の実績だけを強調するだけでなく、今後の目標も併せて語れるようにしておきたいものです。
くれぐれも実績を誇張することのないように、自分が関与したプロジェクトにどれくらい貢献できたのかを客観的な数字でアピ—ルできるようなエピソードを用意しておきましょう。
勘違い3. 事前準備や面接対策をしない
新卒の就活がスムーズだった人は、選考への準備・対策への意識が希薄になりがちです。
特別準備しなくても…は大きな勘違いです。
採用されるだけの実力があるのに、準備不足で不採用になるケースはよくあるのです。
新卒採用では、学歴や学生時代の活動、面接の場でのコミュニケーション能力などを武器に、選考を難なくクリアしてきた人も、中途採用面接では、仕事においての経験を細かく伝える必要があります。
どういうプロジェクトに携わったかだけでなく、プロジェクトのメンバー数や予算規模、目的、スケジュール、自身の役割、工夫、成果などをしっかりと相手に伝わるようにしなければ評価につながりません。
また、限られた面接時間の中で、他者にない自分の強みや企業で活かせることなど、重要なポイントを伝えきる必要があります。
ですから事前にしっかり相手企業を研究し、求めている人材イメージをつかんだ上で、自分の経験のどの部分を強調してアピールするかを、準備しておくことが大切なのです。
勘違い4. すぐに内定を獲得できる
自分はこの会社が求める人材像にぴったり合致しているからすぐに内定を獲得できるだろうと思っていたのに、まさかの不採用——こういう場合は、自信があっただけに大きなショックを受けることでしょう。
1社不採用になっただけで、もうダメだと過度に落ち込み、転職活動をあきらめたくなる人もいるかもしれません。
しかし、不採用だったからといって、評価されなかったとか、会社に否定されたわけでは決してありません。
あくまで中途採用選考では他の応募者との相対評価で採否が決まります。
採用枠は1名など、ごく少数であることが多い中で、たまたま、あなたと比較してより合っている人材がいただけのことです。
経験・スキルがマッチしていても、社風が合わないかもしれないと判断された可能性もあります。
そうであれば、より社風に合う会社を探したほうが、あなた自身も入社後に満足できるはず。
諦めずに、前へ進んでいきましょう。
まとめ
本来なら採用される力があるのに、勘違いでチャンスを失ってしまうのはもったいないことです。
転職活動をするときは、相手企業の情報収集を行い、会社のトップの考え方や社風、どんな人材を求めているのかをしっかりリサーチしたうえで、転職アドバイザーに相談するなどして、よりよい転職活動に臨んでください。
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