私の飼っている2匹も、やはり爪切りはあまり好きではない様子。
生活にゆとりのある飼い主さんは、爪切りのためだけに定期的に動物病院に通われる方もおられるそうです。
今回は、そんな猫ちゃんの爪切りのコツをご紹介したいと思います。
爪をとぐと一番外側の爪がはがれ、内側の新しく鋭い爪が出てきます。
ふだん、爪は肉球の間にしまわれていますが、肉球に力が加わることで爪が出てくる仕組みになっています。
子猫は爪を出し入れする筋肉が未発達のため、爪がしまえずに出しっぱなしになっていることが多いので、カーペットなどに引っかからないように注意が必要です。
上手に爪がしまえるようになるまでは、こまめに少しずつ切るようにしましょう。
子猫のうちから爪切りに慣れさせておくと、その後のケアが楽ですよ。
反対に老猫になると、若いころよりも爪とぎの頻度が減っていきます。
単に、爪とぎの行為が面倒になってしなくなることもあるようです。
そうなると古い爪がいつまでも残ったままになるため、爪が太くなっていきます。
爪は内側に向けて伸びていくので、ほおっておくと肉球に刺さって傷ができ、化膿することにもなりかねません。
そうならないように日ごろからこまめなケアをしてあげてください。
1.切る場所
猫の爪をよく観察すると、内側の根元にピンク色の部分が見えます。
これを「クイック(quick)」と呼び、神経と血管が通うところです。
これを切ると出血しますので、そこから2ミリ以上先端を切るようにしてください。
慣れないうちは無理に2ミリを攻める必要はないので、間隔をもっと伸ばしても大丈夫です。
足の爪は手よりも、直線的に伸びているので、どの場所を切れば良いか分かり辛いですが、クイックをよく見定めれば2ミリ離れて入れば安全なのであまり怖がらずにチャレンジしてください。
爪切りの道具としては、下の2つが主に使用されています。
★ギロチンタイプ
猫の爪に痛覚はありませんが、力が加わった時の振動を嫌がることがあります。
爪切りは短時間で終わらせるように、できる限り切れ味が良いものが良いでしょう。
私は動物病院ですすめられた「廣田工具製作所 ネイルトリマー ZAN」を使用しています。
この爪切りは小型犬用なのですが、獣医師の間で一番人気のある爪切りだそうで、とても切れ味が良いと思います。
爪切りの中心に爪を通して切ります。
その際にヒゲを巻き込まないよう注意してください。
★ハサミタイプ
ほかにはハサミタイプがあります。
ギロチンタイプが使いにくいという方は、こちらを選んでください。
猫の爪が伸びすぎて肉球に届いてしまっている場合は、ハサミタイプの爪切りじゃないと切れないことがあります。
. 爪の先端をハサミの中心でカットします。
次に切る順番ですが、猫は一旦怒り始めると暴れたり引っかいたり大人しくさせるのは大変なので、切りやすい順番として嫌がらない場所から順番に切って行きます。
多くの猫は前足の方の爪切りを嫌がるため、切り始めは、後ろ足の小指側から切っていきます。
足が終わってから手の順番に移り、同じように小指側から切ります。
後ろ足は前足よりも足首の可動域が狭いため、猫は無理に回転させると嫌がります。
そのため、赤ちゃん抱っこか、横倒して切ると良いでしょう。
いわゆる「赤ちゃん抱っこ」できる方法は、後ろ足を伸ばすようにアシストしてもらうとより切りやすくなります。
横に倒して切る方法は、活発な猫でもしっかり抑えることができます。
切る時以外は爪に触れないようにしましょう。
猫の指先の構造上、肉球を押さないと爪が出てきませんが、この時もできるだけ小さい力で爪を出しましょう。
先に猫の手の構造を理解しておくことが大事です。
躊躇してなんども爪に触わっていると猫がイライラし始めます。
また爪の先端には痛覚はありませんが、切る時の振動を嫌うので、切れ味の落ちた爪切りはすぐに交換しましょう。
どうしても猫を抑えることが難しい場合や、抑える人がいない場合は「猫袋」または「みのむし袋」と呼ばれているものを使ってみるのも良いでしょう。
なければ、大きめのバスタオルで身体をグルっと巻いてしまうのもいいと思います。
よく動いてしまうタイプの猫ちゃんにはおすすめです。
爪から出血すると止まりづらく、放置していると床の広範囲に血がついてしまいます。
出血した場合は清潔なガーゼを当て10分間ほど圧迫してください。
ほとんどの場合それで止まりますが、それでも出血が続く場合は動物病院を受診することをお勧めします。
また高齢猫で多いケースですが、爪を切ろうとしたときに、1回転して爪が肉球に食い込んでいるのを見つけることがあるかもしれません。
高齢になると爪研ぎをしなくなるために起こることなので、フローリングを歩くときにカチカチ音がしていたら、早めに爪をチェックしましょう。
既に突き刺さっている爪を切るのは痛みが強く噛みつかれる危険性があり、また化膿している場合は消毒が必要になるので、やはり動物病院で切ってもらう方がよいかと思います。
まとめ
今回ご紹介したポイントを押さえれば爪を切るのがグッと簡単になるのではないでしょうか。
一番のコツは時間をかけずにささっと切ってしまうことです。
なかなか慣れないと難しいかもしれませんが、猫は飽きやすいので、じっくり爪切りをする時間をとることはできないのです。
どうしても嫌がる場合は、飼い主さんが怪我をしてしまう危険性もあるので、無理をせず、動物病院またはトリマーさんに頼んで切ってもらってください。