この時期に気をつけたいのが、猫ちゃんとの過ごし方。
猫が過ごすのはほとんど室内だし…と油断していませんか?
猫も人間と同じように熱中症や夏バテになる危険性があります。
電気代を気にして留守にするときはエアコンではなく扇風機やサーキュレーターを利用する方も多いと思いますが、これらは猫の暑さ対策にはまったく意味がありません。
短い時間のお留守番だからと油断せず、辛い夏を猫ちゃんが快適に過ごせるように工夫していきましょう。
現在ペットとして飼われている猫(飼い猫)の祖先は、DNAの解析によってリビアヤマネコであると判明しています。
人と暮らし始めた最古の記録は約9500年前にさかのぼり、飼い猫として確立したのが約4000年前のエジプトだと言われています。
その時代にはリビアヤマネコに似たキジトラしかいませんでしたが、その後、人間と一緒に移動する形で世界中にさまざまな種類の飼い猫が広まっていきました。
同じ飼い猫でも地域によって多少異なりますが、もともと砂漠という乾燥した暑い地域に適応していたDNAは今も変わらず残っており、猫は比較的暑さに強い動物とされています。
あまり水を飲まないのも、DNAの影響から捕まえた小動物の体内水分でまかなえ、足りない分を飲み水で補給する体になっているからです。
しかし現代のように家で過ごすことが多くなっている場合、ドライフード中心だと水を飲む量が少ない猫ちゃんは尿路結石、膀胱炎、腎臓病など泌尿器系の病気にかかる可能性が高くなります。
あまりお水を飲まない猫ちゃんなら、ウェットタイプのフードに切り替えたり、併用してみるのもよいと思います。
ウェットタイプのフードは80〜90%が水分なので、お手軽に水分補給できますよ。
また、猫が暑いと感じたときは「パンティング」という体温調節法を行います。
パンティングは、口を開けて、浅く速くハアハア呼吸をする状態のことをいいます。
暑さに弱い犬が「パンティング」をしているのはよく見かけますが、猫はパンティングをすることはめったにありません。
もしパンティングをしている様子が見られたら、かなり体温が上昇して熱中症を発症している場合もあるため「涼しい場所に移動させる」「体温を下げる」といった対処が必要になります。
猫は比較的暑さに強いとされていますが、どんなに暑くても平気というわけではありません。
日本は気温だけでなく湿度も高いため、気温が28℃以上で高湿度になったら猫も熱中症のリスクは高まります。
夏バテ
猫も夏バテをします。
元気がなく、食欲がない、食べたご飯を嘔吐する、などの症状が見られたら夏バテかもしれません。
早めに動物病院へ連れていき診てもらいましょう。
脱水
猫は積極的に水分を摂らない動物のため、体内の水分量が少なくなっていることもあるかもしれません。
脱水症状を回避するために「ウエットフードを多めにする」「ぬるま湯をあげる」「水飲み場を複数個所用意する」などの対策があります。
猫の健康チェックのポイントとしては、毎日の様子をまめに観察することです。
ちょっとした変化に気が付けると病気の早期発見にもつながります。
普段を知ることで、異変に気づきやすくなるため、毎日のチェックが望ましいです。
・食事を食べなくなったり、食事の量が減ったのは、どこか調子が悪いサインです。
・脱水していると目の輝きがなくなり、目がくぼんで見えます。
・猫の耳は通常は冷たいですが、耳を触ったときに熱ければ、熱がある可能性があります。
※寝ているときや眠いときは耳や足先の温度が上がるので、起きている状態のときに触ってください。
・毛玉と一緒に吐くのではなく、嘔吐をしていないかも大事なチェックポイントです。
・おしっこの量は多すぎるもの少なすぎるのもよくありません。色や臭いに異常が出ることもあります。
・口の粘膜の色は、健康であればきれいなピンク色をしています。
愛猫が快適な夏を過ごすためにも、しっかり暑さ対策をしましょう。
エアコン
熱中症対策にエアコンが有効であるのは、猫も同じです。
猫が快適に過ごせる温度は25℃〜28℃といわれていますが、猫は冷気がたまる床付近にいることが多いため、設定温度以下に冷えます。
温度設定はエアコンの種類室温が27℃〜28℃にするといいと思います。
特に子猫や老猫は、冷えは大敵ですので温度管理に気を付けましょう。
扇風機だけでは猫の暑さ対策にはまったく意味がありませんが、扇風機やサーキュレーターを併用してエアコンの空気を循環させるという目的での使用はおすすめです。
遮光カーテン
日陰と日向ではずいぶん温度が異なります。
強い日光を遮るために、窓の外にグリーンカーテンやすだれを設置することは、暑さ対策に役に立ちます。
窓の外に日光をさえぎる物を設置するのが難しいときは、遮光カーテンを使用するとよいでしょう。
日光を遮ることができるかできないかで、室内の温度は2℃〜3℃も変わるともいわれています。
日差しがきついときは、遮光カーテンをしておくとエアコンの効率も良くなります。
飲み水は複数箇所に
あまり水を飲まない傾向がある猫ですが、水分を摂らせるために、水飲み場は複数箇所に用意しておきましょう。
飼い主さんが留守の時に水が入った器をひっくり返してしまっても複数あれば安心です。
猫は冷たいものが苦手なため、飼い主さんが好意で「冷たい水を飲ませてあげたい」と、冷水を入れたとしても、かえって水を飲まない結果になる可能性が高いです。
猫は砂漠出身なので、飲むものや食べるものは暖かいものを好みます。
水は1年を通して常温かぬるま湯がよいでしょう。
夏でもぬるま湯を好む子は珍しくありません。
部屋の移動
猫は季節に応じて自分で居心地のいい場所を探します。
飼い主さんが留守の時も、猫が自分で心地のよい場所に行けるようにドアは開けたままにしておきましょう。
ドアが閉まって猫を閉じ込めたりしないようにドアストッパーなどを活用してください。
カメラアプリ
エアコンなどで室温調整することは大切ですが、何かの理由でブレーカーが落ちたり、停電になることもあるかもしれません。
そこで外出先でも猫の様子が見られる見守りカメラなどを用意しておくのもよいでしょう。
冷却グッズ
猫用の冷却ベッドなど、暑さ対策のひんやりグッズが多く販売されていますので、それらを活用してもいいですね。
まとめ
猫はもともと砂漠出身なので暑さには強い動物ですが、やはり対策は必要です。
猫が口を大きく開き、浅く速く呼吸をするパンティングをしだしたら、かなり体温が上昇している状態です。
28℃以上、高湿度の場合、熱中症リスクが高まるので、エアコンや冷却グッズを利用してしっかりと暑さ対策をしましょう。
近年の猛暑は異常ですから、暑さに強い猫といえども決して油断はしないでくださいね。
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