では、ここで問題です。
成功している人に共通する事実は何だと思いますか?
その答えを一言でいえば、ピンチの時にその状況をありのままに認める潔さです。
たとえ失敗したとしても、それをありのままに受け止めて改善できる素直さがあるという点で、成功者になるためのものの考え方や行動の仕方に差が出てくるのです。
今回は「成功する人」のものの考え方や行動について考えてみましょう。
単に運が良い、ツキを持っている人というだけでは決して成功者にはなれません。
長い間多くの人を見てきましたが、成功する人とそうでない人には、トラブルや困難、逆境に直面した時の考え方と行動の仕方に大きな違いがあることがわかりました。
たとえば、あなたが仕事で何かミスをしたとします。
その時、あなたは真っ先にどのように考えますか?
a. 失敗をしたのは「○○のせいだ」と他人や周囲を責める
b. 失敗をしたのは「自分のせいだ、能力がないからだ」と自分を責める
さて、あなたはどちらのタイプでしょう。
他人を責めるか、自分を責めるか。
一見すると成功する人はbタイプに思えませんか。
他人を責めたてて自己正当化する人は、その時点で成長も止まってしまうのは事実です。
第一、責任を他人や周囲に押し付ける人が、物事を成功に導けるとは考えにくい。
ところが、実は成功するのは、aでもbでもではないのです。
成功する人の考え方は、
c. 悪かったのは自分でも他人でもどちらでもなく「やり方」だけ。
だから「やり方」を変えてもう一度チャレンジしてみる。
なのです。
失敗したのはやり方、方法が間違っていたということ。
失敗した犯人探しをするよりも、それまでのやり方をどう変えればうまくいくかに思考を変え、そして再度チャレンジします。
成功している人は実はそういったシンプルな考え方をしているのです。
ただ、その夢を見ているだけの人と、現実にしようとする人には大きな行動の差があります。
それは持っている夢の才能があるかないか云々の問題ではないようです。
たとえば、将来自分の書いたものを出版物にして出したいという夢を持っている人たちがいます。
しかしその中で実際に出版に漕ぎ着ける人は、ほんの一部にしかすぎません。
それはなぜなのか。
まずひとつは、全体の半分の人たちは、自分の夢を語ることだけで満足します。
実際に企画書を出版社に出す人は半分だけです。
その人たちも最初の企画書がすんなり出版社に通ることは稀で、ほとんどは不採用になります。
するとそこでさらにその半数が脱落します。
たった1回の失敗で「自分には才能がない」「やはり自分には無理なのだ」と勝手に決めたり、「出版社には自分の価値がわかっていない」と、相手を責めて勝手な理屈をつけて終わります。
名前がそこそこ通っている物書きでも、持ち込んだ企画がそのまま通るほど世の中は甘くはありません。
まして初めて本を書きたい人の企画ならなおさらでしょう。
編集者のアドバイスをもらいながら、何度も企画を手直ししてトライし続ける。
企画によっては、A社はダメでもB社ならOKということだってあります。
失敗した時や逆境の状況に置かれると、人はどうしても何かのせいにして責めてしまいがちです。
そういうことはやめて、ただそれまでのやり方が悪かっただけだと考え、やり方を変えて何度でもトライすればよいのです。
むしろ失敗や逆境の状況にあるときほど、どこが間違っているのかが発見できるきっかけなのです。
そう考えられる人こそが成功するといえるでしょう。
こんなシチュエーションに遭ったことはないでしょうか。
最初に行ったお店が満席で入れなかった。
そこで次の店に行ったら臨時休業だった。
それでは、とタクシーで隣町の店に行こうとしたら、今度は事故で渋滞に巻き込まれて車が動かない……。
こんな風に何をどうやってもうまくいかない時、ほとんどの人は「今日はなんてツイてないんだ」と思いませんか?
しかしよく考えれば、お店が満席で入れなかった理由は、そのお店がとても人気が高いから、もしくは週末で人出が多かったという理由があるかもしれない。
臨時休業のお店には、お店側の事情があるし、事故渋滞に関しても自分とは直接関係のない他者のトラブルが影響しただけのはずです。
それらの自分に関わり合いのない外部事情と自分のツキには全く何の因果関係はないはずなのに「ついてない」とか「運が悪い」と関連付けて考え、人によっては「やっぱり自分は持ってない人間だ……」などと落ち込みさえするのです。
誰にも都合が悪いことやうまくいかないことは起きるのです。
それを全部自分の運や性格と絡めて、そこにいかにも大きな意味や関係性があると受け止めるのはナンセンスです。
現実を素直にあるがままに受け止めて、うまくいかないところにこだわり続けるのではなく「じゃあ、次はこうすればうまくいくだろう」と考えるのです。
成功している人に共通するのは、「まあ、これだけたくさんの人が生きて生活しているのだから、たまには思った通りにならないことも起きるよな」というような、ある種の達観があります。
行きたい店が満席だったら、次は予約していこう、とか、渋滞に巻き込まれたのなら、この道は事故が多いんだ、参考になった、と考えればいいのです。
嫌な部分にイライラせず、負の感情を手放して淡々としているのが、成功する人の視点なのです。
まとめ
人間関係のしがらみから仕事の失敗まで、日常に起こる困難をどうやって乗り切るか。
困難な状況を現実としてだけとらえ、2回目はないようにやり方を変えて乗り越えていく。
そういう人は、その先の未来で仕事とお金の運を引きこんで、成功していきます。
負の感情がわいたときには、それを早く手放して、物事の現実を客観的に判断できる視点を持つようになりましょう。
成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学