オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家であるアルフレッド・アドラーは、「私たちは自分自身の行動の主人公である」と言っています。
成功する人は、過去の自分に縛られずに常に前向きで積極的な生き方をしています。
では、成功した先人に倣い、主体的な人生を歩むために必要なこととは何でしょう。
「成功=お金持ち」と単純な図式が当てはまるわけではないのですが、成功とお金の法則にはどのような人間の心の持ち方が必要なのかを探ってみました。




「どうせ私は……」と考えない


成功してお金に不自由しない人、稼ぐ人とそうでない人の違いをアドラー心理学的に解説していきましょう。

誤解を恐れずにずばり言うなら、成功できる人は「過去に縛られない人」だといえます。
では、過去に縛られるとはいったいどういうことなのか?例を挙げてみましょう。

あなたが仕事で何かミスをしたとしましょう。その時どんなことを考えますか?

「またやってしまった。どうして俺はいつもこうなんだろう?」
「子供のころから集中力がないって言われていたし……」
「学歴がないからやっぱり能力がないんだ」──。

こんな考え方をする人は「過去に縛られる人」です。

昔の自分の失敗体験や、その時の状況、幼少期の性格などを振り返り、そこにミスの原因を見つけだそうとするのです。
そして「だから今回も失敗してしまった」と自分なりに納得します。

そして「どうせ自分はダメなんだ」と、現在の自分能力も限定してしまうことになるのです。

逆に「この失敗から学べることは何なんだろう?」「しっかりと上司に確認しなかったのがいけなかったから、今度は確認を怠らないようにしよう」「確認だけでなく、仕事のミスを減らすやり方をマニュアル化してみよう」など、失敗した自分を受け入れ、次に失敗しないためにはどうすればよいか、どうすればより良くなるかを考えることです。
目線を前に向けて、これからどうするか、どうすればうまくいくかを考える人は「過去に縛られない人」です。

どちらが成功に近い人か言うまでもありませんね。

過去に縛られている人は自分を変えていくことができません。
過去に縛られない人は、かりに失敗やミスがあっても、そこから学び成長することができます。

しかし、実際は皆がそうできるわけではありません。
ミスや失敗をすると、いつまでもくよくよして過去に縛られ、後ろ向きになってしまう人が多いのではないでしょうか?
ついつい、自分の過去に原因を求め、失敗した言い訳を探したくなるものです。
そして「だから自分はうまくいかないんだ」と納得させてしまう。





過去に原因を求めない


アドラーは、なぜそういう人たちが過去に原因を求めるのかと考え、それには目的があることに思い当たったのです。
そして、人がなぜ過去に縛られるのかという原因として「今の自分を変えたくない」からだという結論を導きだしました。

先ほどのケースでも、「自分は学歴がないからダメなんだ」と落ち込んでしまう人がいるとします。
一見すると学歴がない自分を否定しているようですが、アドラーから言わせると「学歴がない」という理由付けをすることで、ミスをしてしまう自分自身を欺いているというのです。

「自分は学歴がない、だから能力のない自分は仕事でもミスをしても仕方ない」

このような論理が無意識の中で展開されているというわけです。

このような人にとって「学歴がない」という事実は、ミスをしてしまう自分を正当化するための隠れ蓑なのです。
本当はミスの原因は学歴や能力ではなく、寝不足だったり、段取りが未熟だったからかもしれないのに、「学歴がない」ことを原因にしてしまう。

こういった意識を改善するためには、努力と労力が必要になります。
「学歴がないからミスをしてしまう」という論理さえ構築してしまえば、改善し変化するためのわずらわしさから逃れられるからです。

「AだからBできない」という論法から脱却することが大切なのです。

似たような言い訳は、私たちの周りには意外にたくさん転がっています。

たとえば
「自分は太っているから異性にモテない」
「お金がないから好きなことができない」
「経験や能力がないから独立できない」などなど。

「AだからBできない」「AでないからBできない」という論法を、私たちは何気なく日常でも使います。
しかしよくよく考えてみると、AとBに本当に因果関係があるかどうか疑わしい場合が多いのです。

「太っているから異性にモテない」という人は、実は性格の臆病さが本当にモテない理由だったりするかもしれません。
傷つくことを恐れて一歩踏み込めないことをごまかすために「太っている自分」を原因にして逃げてしまう。

容姿が多少悪くても、異性とつき合っている人はたくさんいますし、逆にモテている人だっています。
そう考えると、AだからBと短絡的に決めつけることはできません。

できない理由を見つけ出し、安心してしまう。
その瞬間は逃げることができる理由を見つけて楽かもしれませんが、そこからの変化や成長は望めなくなります。
残念ながら、そのような人はなかなか成功することはできません。
理由を見つけ出して納得することを繰り返す、「過去に縛られる人」の、成功は難しいと言えるでしょう。





自分の変化を恐れない


では成功する人の考え方はどのようなものなのでしょうか?
結論から言えば「Aだとしても、こうすればBできるはずだ」「AだからこそBできるかもしれない」という考え方をすることです。

「自分は容姿は人より劣るかも知れないが、人間的な魅力を付けることで異性に気に入られることができるはずだ」「自分は学歴がないからこそ、人と違った面白い発想ができるかもしれない」などなど。

過去の事実や現実のひとつを言い訳にするのではなく、それらを変えていくことで自分も状況もより良く変化し、成長できると考える人が成功できる人、つまりは幸せになれる人だとアドラー心理学では考えるのです。

大事なことは変化を恐れないことです。
変化を恐れない人は仕事でも成功し、結果としてお金も稼ぐことができるようになるということです。

人は誰でも自分の人生を主体的に選択し、踏み出すことによって変化することができると考えます。
そして踏み出すには、「少しの勇気」が必要ですが、変化を恐れる人は、その「少しの勇気」が足りない人なのです。

人は誰しも、今の自分の現実を認めるのが辛い状況があります。
そして足りないもの、未熟なもの、弱い部分と向き合うことを恐れて、できるだけ直面しないようにします。
それが「どうせ自分はこんな人間だから」という過去の自分に逃げ込むことにつながっていくのです。





まとめ

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか。

「どうせ私は……」と考えている人は、自分で自分の成長を止めているのかもしれません。
成功者やお金持ち、それが一時的でなく持続的に成し遂げている人は、過去に縛られず、変化を恐れず、前向きに生きている人です。
アドラー心理学では、どんな人でも前向きな人生を歩むことができると信じています。
変化を恐れず、「少しの勇気」を出してポジティブに物事を考えることで、自分自身と向き合い成長していけるのです。

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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