子どもたちの心を掴んで離さないキャラクターです。
自分が小さい頃に憧れた正義の味方は、やがてママになった時、再びその偉大さに感謝することでしょう。
出産前に「キャラクターものは家に置かない」と誓っていたママも、いざ子どもが生まれてみるとアッサリ許してしまうアンパンマンの存在。
むしろ反対に好感を持ってしまい、気づいたら子供と一緒に「あーんぱーんち!」を打っているなんてことも。
なぜ子どもがアンパンマンに夢中になり、それに合わせて親も好感を抱くのか。
育児中の家庭において、アンパンマンがどれだけの功績を残しているのか見ていきたいと思います。
妊娠中には「おもちゃは木を基調とした知育ものを、絵本は大人が見てもかわいいものを、キャラクターものは買わない」はずだったのに、気付いたらアンパンマングッズがいっぱい……なんていう経験はありませんか?
多くのママが自分では買わないと決めていても、出産祝いでアンパンマンのキャラクターものをいただいた瞬間に、そのこだわりに固執することはやめて使えるものは使おうという方向にシフトチェンジするようです。
特にじいじとばあばがお土産やプレゼントで否応なしに持ち込んでくるというパワープレイにより、ますます自然増殖する一方になります。
子どもの支持率は約9割!大人気のアンパンマン
小学生の子どもを持つママたちに「子どもがアンパンマンを好きだったことがあるか」とアンケートをとったところ約9割の子どもたちがアンパンマンに夢中になった時期があったとの回答が!
さすがアンパンマン!
「では、アンパンマンを卒業したのは何歳ですか?」の質問には、約8割の子どもたちが5歳になるまでに卒業しているという結果になりました。
どんなに子どもたちの絶大なる人気を集めるアンパンマンにもお別れのときはやってくるのですね。
卒業のきっかけになるのが、保育園や幼稚園でお友達とのつきあいを通して、アンパンマン以外のキャラクターの存在を知ったり、自分よりも小さい子向けのキャラクターだと感じた時など、お友達の影響が最も大きいと思われます。
アンパンマンを卒業後は、男の子はより男らしさを感じさせるヒーローに、女の子はかわいらしく美しいヒロインへと、興味が移るようです。
しかし、卒業したからといってアンパンマンのことが嫌いになったわけではありません。
保育園や幼稚園でお友達との話題や遊びにはあがらなくなっても、家で絵本を見たり、テレビを見たりすることは続くようなのです。
赤ちゃんのころからいっしょだったアンパンマンは、子どもたちの心の中からはなかなか卒業することができないのかもしれません。
なぜ子どもたちにアンパンマンが人気なのか
赤ちゃんが好きな丸い形をしている、表情が分かりやすい、甘くておいしいあんぱんだから、など所説ありますが、子どもと一緒に街に出ると、おもちゃ屋、本屋、子ども服、お菓子…、何にでもアンパンマンの顔があり、児童館、小児科、保育園・幼稚園ではもれなくアンパンマンたちが出迎えてくれますよね。
これだけ町中にあふれていて刷り込まれない子どもはいないでしょう。
まさに「石を投げればアンパンマンにぶつかる」環境。
親子ともどもイヤでも親しんでしまいます。
私たち母親だって、子連れで行った初診の歯医者でアンパンマンを見つけようものなら「子どもの診察もここにしよう!」と安心するのではないでしょうか。
実際にアンパンマンのアニメに食いつく子どもの集中力たるやすさまじく、最後にバイキンマンが「バイバイキーン」と飛ばされるまでは、アンパンマンが確実に子守の代わりをしてくれます。
それほど子どもを夢中にさせるアンパンマンのアニメには何があるのでしょう。
他にも
・家の偏食息子がレトルトのアンパンマンカレーを喜んで食べるようになったので、私が作ったごはんも「アンパンマンの焼き魚だよ」とかアンパンマンの◯◯って言ったら、全部喜んで食べるようになった。
とか
・電車の中で落ち着かないちっちゃな子に、お父さんがスマホでアンパンマンの動画を見せると、一瞬でおとなしくなった。アンパンマンの吸引力、すごい。
とか
・豆腐嫌いで全く食べない息子なのに、アンパンマンの絵柄付きなら高野豆腐も給食の麻婆豆腐もよく食べる。好き嫌いまで克服させちゃうなんて。
等々、絶賛の声しきり。
アンパンマンと対照的なキャラクターで目立つといえばバイキンマン。
街の人々を困らせ、最後にはアンパーンチで飛ばされてしまうのがお決まりですが、バイキンマンが空飛ぶマシンや巨大ロボットを作って操縦したり、バレバレの変装をして住民に溶け込もうとする一生懸命な姿にはほんとうに敬服します。
ある意味勝ち組のアンパンマンに手を変え品を変え立ち向かっていくバイタリティは、単なる悪キャラとして済ませてしまうには忍びなく、酸いも甘いもかみ分けてきた大人が見るとバイキンマンこそ人間らしいのでは?と愛しく思えてくるほどです。
アンパンマンといえば、お腹の空いている子どもに自分の顔をちぎって渡したり、困っている人のそばに飛んで行って助けたり、時間を惜しんでパトロールに出かけて町中を見回ったり……。
常に良いことをしているんだけど、自分から派手なことはしないのです。
それはなぜか?
実は原作者やなせたかし氏の「本当の正義のヒーローは、自分がひもじく苦しい状況にあってもお腹を空かせてた他人に食べ物を分け与えることができる人」という戦争体験からきた信条にあります。
地味ではあるけれど、いつも町の人たちのためを思うからこそ、アンパンマンはパトロールを怠らず、バイキンマンと戦い、自分の顔をちぎって町民のお腹を満たすためにかけ回っている。
弱い立場の者のために何かをする利他の精神を小さい子どもたちがアニメから感じ取り、引き付けて離さないのかもしれません。
下手に旦那に任せるよりも、アニメが流れている数十分間、アンパンマンは非常に優秀なベビーシッターになってくれることは確実です。
ひょっとして「アンパンマン」=「お母さん」ではないのだろうか、と。
赤ちゃんが泣けばお母さんはミルクや母乳を与えます。
母乳は血液からできているので、アンパンマンが顔の一部をちぎって差し出すように、お母さんも身体の一部を子どもに差し出しているようなもの。
さらに、子どもが泣けば飛んでいき、夜中であろうと起きて布団をかけなおす。
お母さんは子どものために24時間助ける準備ができているのです。
これはまるでアンパンマンが町の人にしてることではありませんか!
「子どもがアンパンマンを大好きなのは、お母さんのことが大好きだから」
「お母さんがアンパンマンを許容してしまうのは、そこに自分の分身を見ているから」
ちょっと強引ですが、そんな風に考えると納得できる結論が見えてきませんか。
これからアンパンマンを見かけたら、子育てを頑張っているお母さんに思いを馳せ、「頑張ってるね、おつかれさま」と声をかけてしまいたくなるかもしれません。
まとめ
小さな子どもを抱える親にとって、ノーアンパンマンで育児することはかなり難しいようです。
とくに食べ物においては、アンパンマンが書いてある物は子ども用だから安心して食べさせられるというのもあるのではないでしょうか。
しかし、今は小さなお子さんも、いつかはアンパンマンを卒業します。
みんなのヒーロー、アンパンマンは、悪に立ち向かう勇気や、お腹を空かせた町の人に対するやさしさや仲間の大切さなどをいつも教えてくれました。
自分自身が親になった時にその凄さに改めて気が付くことで、アンパンマンの魅力は受け継がれていくのかもしれません。
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