実はこの行動には意外と奥が深い秘密があるようです。
猫のふみふみには、どんな意味があるのかを探りながら、猫のふみふみの意味や効果をご紹介したいと思います。
この行動は、もともとは子猫が母猫の乳房を押して、母乳を出しやすくするためのものですが、子猫に限らず、大人になった猫も、ウール生地や毛布などを前足でふみふみをする場合があります。
うちの子2匹もそれぞれに「ふみふみ」用のお気にいりがあり、オス猫はアクリル毛布、メス猫は100均で買ったクッションが「ふみふみ」の定番になっています。
「ふみふみ」をする本当の原因は実は現在でも解明されていませんが、最も有力とされているのが、子猫の時に早く引き離されたことで母猫に甘え足りなかったことから来るストレスという説です。
うちの子たちも産まれてすぐに捨てられ、保護した里親をとおして生後3週齢ぐらいで引き取りました。
母猫の愛情をほとんど受けずに引き離されたので、10歳になろうという現在でも頻繁に「ふみふみ」を発動しています。
うちの子たちは「ふみふみ」だけですが、中には「ふみふみ」と同時にごろごろのどを鳴らしたり、よだれを垂らす猫もいます。
また、飼い主の身体を使って「ふみふみ」をする猫もいますが、これは飼い主に甘える時に子猫の気持ちにかえるためだと言われています。
「ふみふみ」をすることで飼い主に甘える愛情表現なのですね。
1.お気に入りの毛布で「ふみふみ」
睡眠前に多く見られるようです。
お気に入りの毛布などをふみふみして、睡眠前にリラックスしていると考えられています。
うちのオス猫がこれに当たりますが、きっと母猫に甘える気持ちで毛布を踏んでいるんでしょうね。
2.寝ている時にエアー「ふみふみ」
子猫に多く見られます。
空中に向かって「ふみふみ」をしながら同時に口を「チュウチュウ」と動かして、まるで母猫のおっぱいを飲んでいるようなしぐさをすることもあります。
寝ながら母猫の夢でも見ているのでしょうか、とても幸せな気持ちで寝ているのだと思います。
3.飼い主などの人に乗って「ふみふみ」
猫が飼い主などに甘える時にとる行動のひとつです。
お気に入りの人に対してしかふみふみをしないので、猫にとっての愛情表現と言うことができるでしょう。
遊んでほしい時やかまってほしい時に「ふみふみ」するようです。
先代のトラ猫にこの習慣があり、寝転んでいるとおなかの上にのってよく「ふみふみ」してました。
懐かしい思い出です。
4.一緒に飼われている猫同士で「ふみふみ」
多頭飼いをしている場合に見られる行動です。
もともと母猫のかわりになっている毛布やクッションですから、飼い主以外でも体温も感じられる生き物同士で「ふみふみ」をする猫も少なくないようです。
お気に入りの1匹に絞ってすることが多いため、相手に対して好きだという気持ちを伝えているとも言えるでしょう。
実は、全ての猫がふみふみをする訳ではありません。
子猫の時にしっかりと母乳で育ち、週齢がある程度経って親離れしている猫は、「ふみふみ」をしない子もいます。
子猫は生後3ヶ月程で歯が生え始めるので、母乳以外の固形物を食べられるようになると、母猫は乳離れをさせます。
この頃になると母猫は子猫がふみふみをしに来ても追い払うようになり、母乳がもらえなくなった子猫は「ふみふみ」ができなくなると同時にその行動にもうつさなくなるようです。
したがって親離れする時期が早すぎた場合に、成猫になったあともいつまでも子猫の気持ちにかえり「ふみふみ」をすることが多いようなのです。
また、自分の強さに自信のある猫や自立した猫はふみふみをしない傾向があるようです。
室内飼いの猫は子猫の時に去勢・避妊をしていることが多く、どうしても幼児性が抜けないところがあるため、甘える時には「ふみふみ」をします。
結局のところは育った環境や暮らしている環境によってふみふみをするかしないかが決まるため、ふみふみについてはっきりと言い切れないようです。
気を付けないといけないのは、稀に繊維を飲み込んでしまい、それが原因で腸閉塞を起こしてしまう可能性があることです。
対象物をかじりながら「ふみふみ」をする癖のある猫ちゃんを飼っている方は注意していくださいね。
「ふみふみ」には、マーキングの効果もあります。
猫の足には匂いを分泌する臭腺と呼ばれる器官があり、「ふみふみ」をすることによって匂いを付けこれは自分の物だとアピールしているようです。
生後4ヶ月頃、人間で言う思春期の雄猫にみられる「ふみふみ」はマウンティングと呼ばれ、これから成猫になるためのいわば通過点として交尾の練習をしているという説があります。
猫の「ふみふみ」は、人間が思っている以上にさまざまな効果をもたらしているようですよ。
まとめ
猫の「ふみふみ」は、子猫時代を思い出してリラックスしたい時や飼い主への愛情表現がほとんどなので「ふみふみ」のしぐさを見せたら好きなだけさせてあげましょう。
「ふみふみ」はとてもかわいく見ていると癒されますが、猫の個性にもよるので、飼い猫が「ふみふみ」をしなくてもあまり気にしないでください。
また「ふみふみ」行動の中には、ストレスや不安からくるものもあるため、必要に応じて原因を取り除くと安心です。
愛猫の「ふみふみ」行動をとおして、より深い信頼関係を築いていきましょう!