妊娠中はおなかにいる赤ちゃんに必要な鉄分が増えるので、いつもより摂取量を増やさないといけなくなります。
効率よく妊婦に必要な鉄分量を取り入れるにはどうすればよいのか、心配しながらも先輩ママにおすすめの食べ物や食べ合わせを聞いて、幸い出産まで1度も貧血になる事はありませんでした。
今まさにおなかに赤ちゃんがいるプレママに向けて、鉄分のお話をしたいと思います。
さらに加えて、赤ちゃんがおなかの中で成長してお母さんの血液中の鉄分を吸収するため、貧血になりやすくなるのです。
妊娠24〜32週が特に赤ちゃんが大きく成長するので貧血になりやすい時期だと言われています。
貧血になると、立ちくらみや頭痛、めまいや息切れがして、おなかの赤ちゃんの成長がすすまず、出産時に陣痛が弱くなってお産に時間がかかったり、お産の後も出血が続くことがあります。
産後の回復が遅れたり、母乳が出にくくなることもあります。
妊婦にとって鉄分の効率的な摂取は、必要不可欠なものだと言っても過言ではありません。
では、鉄分の吸収を効率良くするためにはどうすればよいのでしょうか。
鉄分には、吸収率の良い卵、肉、魚など動物性食品に多い鉄分「ヘム鉄」と吸収率の低い納豆、ひじき、わかめ、緑黄色野菜など植物性の鉄分「非ヘム鉄」があります。
妊婦さんに必要な1日の推奨鉄分量は、妊娠初期で9mg、妊娠中期・後期で16mgです。
具体的な食べ物で換算すると、
・あさり水煮缶:30g⇒8.9mg、55g⇒16.3mg
・干しひじき(戻す前):15g⇒8.7mg、30g⇒17.4mg
・小松菜:320g⇒9.0mg、570g⇒16.0mg
です。
肉や卵に含まれる動物性の鉄分は吸収が良いのですが、動物性食品ばかりで鉄分を取ると、エネルギー・タンパク質・脂質を取りすぎてしまいます。
食事は、栄養バランスが大切です。
特定の食品ばかりに偏らないように気をつけて大豆製品や野菜に含まれる鉄分と組み合わせていろいろな食品をとるようにしましょう。
大豆製品や野菜は、動物性タンパク質と一緒にとると鉄分の利用を高めます。
鉄分はビタミンCやビタミンB12と一緒にとると吸収率がアップするので、食事のときにフルーツを食べるとよいでしょう。
動物性食品と植物性食品を上手に組み合わせて、吸収率の良くなる工夫をすることが大切です。
鉄分を摂取しやすいおすすめの食べ物としては、
・あさり、しじみの水煮缶
・コンビーフ
・牛肉(赤身)
・卵
・ほしひじき(鉄釜・乾燥状態)
・わかめ
・がんもどき
・小松菜
・きくらげ
・豆乳
などがあります。
味噌汁の具にネギや青菜を加えたり、ブロッコリー、キウイ、レモンなどに含まれるビタミンCをいっしょに摂ることで吸収率がアップします。
調理器具に鉄製の鍋やフライパンを使うことで、少量ではありますが、溶け出した鉄分が料理に含まれ、鉄分を摂取することができます。
料理に甘みを付ける時にいれる砂糖やみりんを、鉄分が含まれている黒砂糖に替えるのも良いでしょう。
注意しないといけないのは、鉄分の吸収を阻害する栄養素を含む食品です。
緑茶、コーヒー、紅茶などは、鉄分を含んでいると同時に吸収を阻害するタンニンやシュウ酸といった栄養素も含まれているので、これらの飲み物を食事と一緒にとると鉄分の吸収率が下がります。
食後1〜2時間までは控えるようにしましょう。
また、貧血にはレバーが良いとされていますが、妊娠中は摂取量に要注意です。
レバーは効率よく鉄分補給できる食品なのですがビタミンAが多く含まれており、妊娠中の過剰摂取は胎児の形態異常につながる可能性があります。
妊娠中はレバーの摂り過ぎに注意してください。
カルシウムを多く含む牛乳や乳製品も、鉄分の吸収を妨げます。
タイミングをずらして摂ると良いでしょう。
ほうれん草などの葉菜類にはシュウ酸が含まれていますが、水に溶ける性質があるので、茹でてから食べるようにすれば問題ありません。
フィチン酸は、豆類やライ麦、玄米に多く含まれています。
摂りすぎないようにしましょう。
妊娠中の貧血の症状としては、
・疲労感
・脱力感
・ふらつく
・体を動かすと軽い呼吸困難
・青白くなる
などがみられます。
さらに貧血が悪化すると、脈拍が速くなったり遅くなったりする不整脈、失神や低血圧を起こすこともあります。
鉄分不足はお腹のなかの赤ちゃんへが正常に育たなくなるリスクがあります。
脳の発達に影響を及ぼす可能性があり、切迫早産や低出生体重児のリスクも高まります。
母体への影響として、陣痛や分娩の過程で出血が起こった際にも、危険なレベルまで貧血が悪化してしまうことがおこりえるのです。
さらに、赤ちゃんを産んだ後、感染症にかかりやすくなります。
鉄分不足が続くと、考えている以上に深刻なことになることがあるのです。
まとめ
鉄分は妊婦にとって非常に大切な栄養素です。
とはいえ、毎日の食事だけでは不安な場合、手軽に鉄分をとれるサプリメントを使用してもよいでしょう。
サプリメントを使用する場合には、鉄分の含有量を確認してから飲むようにしましょう。現在、他の鉄分を含むサプリメントなどをすでに飲んでいる場合には、摂りすぎないように気を付けてください。
鉄分不足の妊婦さんには「お味噌汁」がかんたんメニューとしておすすめです。
インスタント味噌汁にしじみやあさりの缶詰、わかめや戻したひじきをいれるだけで鉄分の摂取量がアップするので、ぜひ試してみてくださいね。
鉄分補給サプリメント≪美めぐり習慣≫