保護したいけれど簡単に自宅に持って帰ることもできない。
一時保護したとしても自宅では飼えない場合はどうすればよいのかなどと考えてしまうと、手を差し伸べることに躊躇してしまいます。
子猫を保護するということは「子猫の命を預かる」ということです。
覚悟のいることであり、安易にできることではなく十分な注意が必要です。
今回は、屋外で子猫を見かけた場合の対処法についてお話ししたいと思います。
1.周りに親猫や兄弟猫がいないかどうか
親猫とはぐれた子猫の場合、野良猫なのかあるいは飼い猫が迷子になっているのか確認する必要があります。
首輪をしていないからといって野良猫とは限りません。
周囲に同じような子猫が複数いる場合は、親猫から一時的に離れているだけかもしれません。
2.「8週齢規制」を頭に入れておく
野良猫の子猫を保護する場合には「8週齢規制」があることを覚えておいてください。
生まれてから8週間は子猫の体と心の発達のためにとても大切な時期です。
この時期に親兄弟と過ごせないでいると社会性が育たなかったり、病弱な身体になります。
周囲を探しても親猫や飼い主さんのような姿が見当たらない場合には、警察もしくは動物愛護管理センターに相談しましょう。
もしかすると飼い主さんから、すでに迷子届が出ているかもしれません。
野良猫の保護に関しては、平成19年に法律が改正され警察へ届け出る義務はなくなりました。
現在は地方自治体でも受け付けていますし、むしろ自治体のほうが専門的な受け入れ態勢が整っていることが多いでしょう。
ただし、野良猫の届け出は遺失物として扱われるので、引き続き警察への相談することも可能です。
3.子猫を動物病院へ連れて行く
保護時に元気そうに見えていても、雨や風にあたって実は弱っていることがあります。
自宅へ連れ帰る前に動物病院へ連れて行って、おおよその年齢や性別、ノミ・ダニの駆除、野良猫に多い感染症の検査やワクチン接種など健康状態のチェックを受けてください。
子猫が生後2カ月を過ぎている場合は、最初のワクチン接種が必要です。
里親を募集する際にもこれらの情報は必要となるのでしっかりとチェックしてもらうことをお勧めします。
1.子猫の体を温める
子猫は身体が小さいので、寒さに弱く体温調節機能が発達していません。
保護時に体が冷たい場合や、寒さで震えていたら、まず子猫の体を温めてあげましょう。
子猫に最適な室温は30度ぐらいで、人間の感覚だと少し暑いと感じられる温度です。
ダンボールの中に毛布やタオルを敷き、使い捨てカイロや湯たんぽを挟み込んで暖かい寝床を作ってあげましょう。
カイロや湯たんぽがない場合は、お湯を入れたペットボトルが代用になります。
その場合は寝床が冷めないように、時々お湯を交換してください。
ペット用のホットカーペットなどを入れると、自動的に一定温が保たれるので理想的です。
2.子猫に必要なものを準備する
子猫の体調を整えるために、安心して休める場所、栄養バランスが良い食事と新鮮な飲み水、清潔なトイレの準備が必要です。
子猫のおおよその週齢や体調に合わせた栄養補給をして、早く体力が回復するように努めることも大切です。
生後4週齢を過ぎていれば離乳食を食べられるので、子猫用のドライフードをぬるま湯でふやかし与えてみましょう。
離乳前の子猫の場合は、猫用ミルクを飲ませ、排せつもお尻を刺激するなど手伝ってあげなくてはなりません。
また牛乳を猫に与えると下痢をするので、子猫には決して与えないようにしてください。
もし夜間などで入手が難しい時は、緊急処置として牛乳やスキムミルクをぬるま湯で薄めたものでも代用は可能ですが、たくさん飲ませないようにして、翌日からは猫用ミルクに切り替えましょう。
どのようなフードが適当なのか、排せつのさせ方などは、獣医師にアドバイスをもらうとよいでしょう。
数週齢の子猫は自力で排泄することが出来ないので、やわらかいテッシュペーパーをこより状にしてお尻をちょんちょんとつつくと肛門が刺激されスムーズに排泄できることがあります。
3.すでに先住猫や犬がいる場合
ご自宅にすでに先住猫がいる場合は、感染症や寄生虫などをうつしてしまう可能性がある為、しばらくのあいだ会わせないようにしましょう。
感染症を持っているかどうかは、正確な結果が分かるまでに一定の期間を要する場合があります。
陰性の結果が出るまでは、トイレや食器の共有も避けてください。
先住猫の暮らす場所から離れた所で子猫のお世話をするように心がけてください。
犬を飼っている場合も、感染症のリスクの観点から、念のため接触は避けることをお勧めします。
犬と猫では、そもそもの習性や生活パターンが大きく異なるため、一緒に飼うに場合には、お互いがストレスを感じなくて済むような配慮が必要です。
仲良く暮らしている犬や猫も多くいますが、キャットタワーを設置して、部屋の上部に猫がくつろげる場所をつくるなどの配慮も必要です。
里親探しには、主に次の2つの方法があります。
1.動物保護団体へ相談
動物保護団体に相談して新しい飼い主さんを募集してもらう方法です。
動物保護団体は、保護された野良猫や飼育放棄された猫たちと里親とを結ぶ譲渡活動や地域猫活動を行っていますが、団体の規模や理念もさまざまです。
保護した猫の幸せを考えると、年齢や家族構成、ライフスタイルなど、里親に対してある程度の厳しい条件を設けているところを選ぶことが大切です。
猫の里親を募集する「譲渡会」で飼い主を探すほかに、地域の保護猫と猫カフェを連携し、ビジネスと里親探しの両立を目指している団体も増えています。
2.近隣住民や知りあいに声をかける
すでに猫を飼われている近隣の方や知人など、自分の周囲で信頼のおける人に相談する方法もあります。
離乳前などの幼い子猫の場合は、初めて猫を飼う人よりも飼育経験があり、ケアのコツがわかっている人を優先することをお勧めします。
相談の際には、子猫の健康状態や性別、性格などの特徴も必ず伝えておくようにしましょう。
動物病院で、院内に里親募集の貼り紙をしてもらうのも里親探しの有効な手段です。
まとめ
子猫を保護したときは命を保護したという責任感を持つことが大切です。
もしも迷っている子猫を見かけたら迅速かつ適切な対応を心がけましょう。
一時的な保護で自宅で飼えない場合は、できるだけ早めに里親探しを始めましょう。
一時保護ではなく、保護した子猫を家族として迎え入れる場合、人に飼われたことのない子猫は警戒心が強いので、なかなかなつかなかったり、与えた食事も食べてくれないことがあります。
すでに先住猫がいる方は、子猫が家族の中に上手に溶け込むことが出来るように徐々に会わせる時間を増やしていきましょう。
猫を初めて飼う人は分からないことも多いと思いますので、主治医や病院を決めて相談しながら育てていくことをお勧めします。
好奇心の強い子猫はちょっとした隙間からも外に出てしまうので、マイクロチップで位置情報が得られるように装着を検討してみることも一案です。
また、悩み事を検索して、エピソードや解決方法を読むことや質問ができる
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