私たちが、20〜30年前と同じ生活をしてていても、同じ体重を維持することは難しくなっているのだそう。
なぜかというとその原因のひとつに、化学物質によるホルモンバランスの乱れがあるというのです。
アメリカで「健康のパイオニア」と呼ばれるアン・ルイーズ・ギトルマンによるこの提唱は、ではどうやって解決すればよいのかも同時に教えてくれています。
今回は、アン・ルイーズ・ギトルマン著『カラダが脂肪燃焼マシンに変わる 代謝革命ダイエット』より、内分泌を乱す危険な化学物質と、それらの“太る毒素”を減らす方法、排出する方法をご紹介したいと思います。
身の回りにある毒素も、代謝を下げる一因になっているのです。
代謝が毒素に汚染されることによりホルモンの働きが乱れ、体内の炎症が増加します。
その結果は、肥満や、さまざまな深刻な病気が発生するのです。
今の時代、どれほど気をつけても、毒素を完全に排除するのは不可能です。
特にやっかいなのが人工のホルモン剤。
人口のホルモン剤の構造は自然のホルモンと同じなので、抵抗なく体に入りこみ生殖機能や代謝機能に悪影響を及ぼします。
また、携帯電話の電波などの見えない敵も、知らないうちにDNAに害を与えています。
現代人の体内にある化学物質は、私たちの祖父母の時代に比べて3〜5万種類も増えているそう。
毒素は身の回りのいたるところにあり、空気や水、食べ物、処方薬、そして日用品にも含まれています。
毒素になるべく触れないように気をつけることはできますが、身の回りから完全に排除するのは不可能でしょう。
そこで、体内に入った毒素をきちんと排出することが重要になってきます。
現代社会に存在する化学物質の多くは、まとめて「オビソゲン」と呼ばれています。
オビソゲンとは「オビース(肥満)」の原因になる物質という意味で「水道水」や「食材」「処方薬」「プラスチック」「衣類」など、身の回りのあらゆるものに含まれています。
オビソゲンが体に与える影響はさまざまですが、メタボリック症候群や消化器系の不調、疲労感、甲状腺機能の低下、アレルギー、肌荒れ、性機能障害、思春期早発症(早すぎる第二次性徴)、各種がん(子宮体がん、卵巣がん、乳がん、前立腺がん)などが主な症状として挙げられます。
2016年の研究によると、現代の大人は周りの環境の変化により、20〜30年前の大人と同じ体重を維持することが難しくなっているのだそう。
同じようなものを食べ、同じように体を動かしていたとしても、20〜30年前の大人に比べて現代の私たちのほうが太ってしまうということだ。
その理由はもちろん、私たちの体は悪い化学物質につねにさらされているからなのです。
2005年にアメリカの新生児の臍帯血(さいたいけつ)を調べたところ、平均して200種もの工業化学物質や環境汚染物質が発見されるという驚くべき研究結果が発表さました。
重金属から農薬、難燃剤、BPA、PCB、DDTまで、ありとあらゆる有害物質が私たちの体内に存在しています。
毎日着ている洋服の生地にも、赤ちゃんをくるむ毛布にも、有害な化学物質が含まれています。
食べるものや飲むもの、触るものすべてが毒に汚染されていると考えられるとするならば、非常に恐ろしいと言わざるを得ません。
有害な物質についての知識が増えれば、日常的に食べ物や日用品に気をつけるようになり、体に入る毒も減っていくと思われます。
体へのストレスが少なくなり、自然治癒力も高まってくることも考えられます。
身の回りの毒素を取り除く方法として有効な方法をいくつか紹介したいと思います。
水を飲む
意外と見過ごされていることが多いのですが、十分に水分を摂るのは、デトックスのもっとも基本的な方法と言えるでしょう。
1日に飲む量の目安は、体重(ポンド)の半分をオンスにした量と考えるとわかりやすいです。
例えば、体重50kg、60kgなら
50kg=110.231ポンドなので、目安は約55オンス=約1.63リットル
60kg=132.277ポンドなので、目安は約66オンス=約1.95リットル
となるので、1日に1.5リットル〜2リットル飲むことが良いのではないでしょうか。
ただし、水道水をそのまま飲まないこと。
浄水器を通した水を摂取できるシステムを導入するかミネラルウォーターを飲むようにしたいですね。
汗をかく
肌も解毒臓器の1つです。
運動やサウナで汗をかくこともデトックスになりますので、週に1〜2回サウナで汗をかくことはお勧めです。
睡眠の質を改善する
脳は睡眠中に老廃物を洗い流すしくみになっています。
脳のデトックスは睡眠中にしか行われません。
魚を食べすぎない
残念ながら、現代の世界は毒に汚染されています。
そのため食べる魚の量も種類も制限しなければならないのです。
魚を食べるなら、イワシなどの小さい魚のほうが体が小さい分、体内の水銀やその他の毒素の量も少ないのでおすすめです。
空気清浄機を使う
新技術の開発によって家庭用の空気清浄機は大きく進化し、今ではバクテリアやウイルスまで除去できるようになっています。
新型コロナウイルスを始め、バクテリアやカビ、ウイルスに加え、花粉、煙、臭い、微粒子、ホルムアルデヒド、ガスも除去できる空気清浄システムを生活環境に置くことが理想です。
窓を開けて空気を入れ換えることも意識的に行ってください。
人工の消臭スプレーや洗剤を使わない
カーペットや衣類、空気の消臭スプレー、合成洗剤の代わりに、重曹や酢、エッセンシャルオイルなど毒性のない自然のものを使うようにしましょう。
化学物質が入っていない家庭用品を選ぶ
皮膚に塗るクリームなどは「パラベン」が入っていないものを選びましょう。
天然のエッセンシャルオイル以外の香料は避け、洗剤や柔軟剤、ドライヤーシートは天然素材のものを選ぶことをお勧めします。
たとえ食べ物や日常生活に気をつけていたとしても、体に悪いものにまったく触れずにいるのは不可能なので、普段の生活や食事に加え、サプリメントもデトックスに役に立ちます。
特に良い食材とデトックス・サプリをいくつかご紹介します。
【おすすめ食材】
アスパラガス
アスパラガスはグルタチオンを豊富に含むため、食べるとデトックス効果が期待できます。
また、ビタミンKと食物繊維も豊富で、なかでも水溶性食物繊維の「イヌリン」は腸内の善玉菌増加の効果があります。
ブラジルナッツ
身体に蓄積する水銀とヒ素に対抗する「セレン」を豊富に含んでいます。
コリアンダー
身体に取り入れることで重金属と結合して体外に排出する役目を果たしてく入れます。
【おすすめサプリメント】
クロレラ
淡水に生息する単細胞緑藻類の総称で、重金属などの毒素と結合する性質があります。
コエンザイムQ10
ミトコンドリアのエネルギー生産能力を高める効果がありますが、中でも「ユビキノン」と呼ばれるコエンザイムQ10がもっとも体に吸収されやすく、効果が高いと言われています。
タンポポの根
体にとてもやさしいハーブで、肝臓に働きかけて胆汁の生成を増やす効果があります。
焙煎してタンポポコーヒーにして飲むとおいしく身体に摂取できます。
グルタチオン
抗酸化物質の王様といわれ、デトックスや酸化ストレスの軽減、ミトコンドリアの活性化といった効果があります。
ヨウ素
甲状腺機能の改善やデトックス効果があり、あらゆる感染症と闘ってくれます。
竹炭
竹炭と有害物質が結合して便と一緒に排出されるので、重金属や化学物質、カビのデトックス効果があります。
タウリン
硫黄を豊富に含むアミノ酸です。
肝臓が胆汁をつくるときに使われますが、タウリンには重金属や塩素、アルデヒド、石油溶剤、アルコール、アンモニアの排出に効果があります。
ゼオライト
重金属とゼオライトは磁石のように引き付け合うので、血液中の重金属を取り出して排出することができ、重金属や化学物質、カビのデトックスに効果があります。
まとめ
いままであまり「毒素」に関して考えたことがなかったという人も、この記事でその有害性が分かったのではないでしょうか。
一生懸命がむしゃらにダイエットをしてもなかなか成果がでないという人はもちろん、健康に生きたいすべての人は、今後、「毒素」という点に注目してみてほしいと思います。