記憶力が衰えてくると頭の回転も鈍くなっている気がしませんか。
そう、かつては加齢とともに知能は低下すると考えられていました。
ところが、同じ人を長年にわたって知能調査し続けると、一人ひとりの加齢に伴う成績の変化は、ある時点で年齢の違う人を比較したときの年齢差ほど大きくはないことがわかってきたのです。
しかも、従来知能の発達は成人期に頂点に達し、あとは低下するだけと考えられていたのですが、能力によっては成人期を過ぎた後も発達が続くものもあったのです。
今回は、加齢に伴う知能の変化について探っていこうと思います。
結晶性知能とは、正式には結晶性一般能力と呼ばれ、一般的知識や判断力、理解力などで過去に習得した知識や経験をもとにして日常生活の状況に対処する能力です。
言語性の知能と捉えることができます。
過去に得た経験が土台になる専門的、個人的な能力のため、加齢による低下が少ないのが特徴です。
免許や学位などの専門的な知識や、料理などの日常の習慣、長年にわたる趣味の手順や方法などが結晶性知能にあたります。 結晶性知能は成人後も60歳ごろまで上昇し続け、その後は緩やかに低下していきます。
結晶性知能は幾つになっても維持することが可能だといわれていて、問題解決のために今までの経験や知識を応用させるというものです。
そのため認知症を発症した患者でも結晶性知能は保たれていることが多いのです。
「流動性知能」とは
流動性知能とは、正式には流動性一般能力と呼ばれ、いわば適応する能力です。
新しい場面への適応に必要な能力を指し、具体的には、推論する力、思考力、暗記力、計算力など、若者の方が優れているとされる能力です。
問題解決性の知能と捉えることができます。
流動性知能は新しいことを知能として定着させるため、加齢による低下がみられるのが特徴です。
新しいものを学習したり覚えたりする、経験の影響を受けることが少なく、むしろ生まれながらもっている能力に左右される知能です。
この知能のピークは30歳頃に達したあと、65歳前後で急速に低下していきます。
流動性知能が老年期以降低下することは、加齢に伴う脳機能変化と関連しており、いわば正常な老化性変化と思われます。
けれどもさまざまな課題を解決するためには、ただ長期記憶から知識を活性化して引き出してくればよいのではなく、目の前の状況を分析し、一番ふさわしい知識を適用して適切な反応を産み出すという心的情報処理がなければなりません。
こうした認知過程に作動記憶としての流動性知能が関わっている可能性があります。
作動記憶はごく短い間情報を保持し、情報を保持するとともに何らかの処理処理を行うことからワーキングメモリーと呼ばれるようになりました。
長期記憶は永続的な記憶で、一度記憶されれば健康な状態であればほとんど損なわれることはないのですが、作動記憶は年齢とともに機能が低下することがわかっているので、いくら長期記憶に豊富な知識があっても、それを活性化し適切な反応を産み出す作動記憶の機能が低下すれば、全体的なパフォーマンスはやはり劣っていくことが考えられるのです。
若年者の作動記憶は学校の成績などとは関わりがないため、その機能の本質が今一つ明確ではなかったのですが、実は作動記憶が流動性知能の本体ではないかという説もあって、全体としての人間の知能のとらえ方は大きく変わりつつあるのです。
1.新しい事にチャレンジする
常に新しい情報に触れ、新しいことに取り組みましょう。
新しい経験をすると、新しいシナプスが形成され、脳細胞が活性化されます。
脳には、環境に対して最適なシステムを作り上げるためによく使われる神経細胞の回路の効率を高め、使わない神経細胞の回路の効率を下げるという可塑性(かそせい)という現象があります。
つまり使われない神経細胞はどんどん退化していきます。
したがって、新しいことにどんどんチャレンジし、まだ使っていない脳神経を覚醒させるのが脳細胞の活性化には効果的だと考えられるのです。
2.難しい事にチャレンジする
難しい脳トレゲームに挑戦すると、劇的な効果があらわれることがありますが、残念ながらそれは長続きしません。
脳のトレーニングとして本当に役立っているのは、ゲームのやり方が分からず試行錯誤している間だけで、ゲームのやり方をマスターしてしまえば、後は効率を上げるだけなので脳は使わなくてもよくなります。
何か1つやり遂げたら次にもっと難しい問題にチャレンジすることが本当の脳トレにつながります。
3.クリエイティブに考える
クリエイティブに考えるとは、今までのセオリーや常識の型にはめずに自由に考えをめぐらすことを指します。
例えば、さまざまな分野のトピックについて考える、常識にとらわれない新しいアイデアについて考える、一見まったく関係ないように思える事柄を結び付けて考えるなどです。
4.便利なテクノロジーをあえて使わない
携帯電話が普及する前、友達が約束の時間までに待ち合わせ場所に現れないと、電車に乗り遅れた可能性や、時間や場所を間違えた可能性など、さまざまことに思いを巡らしながら対処しました。
GPSが普及する前は、初めて訪れる場所に行く場合、地図片手に何度も確認し、脳をフル回転させて目的地までの道順をたどっていました。
常に思考しながら問題解決に当たっていたため、それらの苦労が空間把握能力や推理力の向上に大きく貢献していたことは間違いありません。
しかし今は世の中にさまざまな便利なツールが溢れています。
かつては多大な労力と時間を使ってしていたことを、現在は便利なツールで何も考えなくても瞬時にやってのけられます。
便利なデジタルツールは、人間の脳の代わりに問題を処理してくれるため、私たちは脳を使う必要がなくなってしまいます。
脳を活性化させるために、あえて便利なデジタルツールを使わない日を設けましょう。
5.色々な人と付き合う
年齢、性別、学校または職業、趣味、国籍など、自分と違うのさまざまな人と付き合いましょう。
いろいろな人と付き合うことで、先に述べた4つのポイントも実行しやすくなります。
違う趣味の人と付き合えば、今まで自分の興味なかった事柄にも興味を持ち、新しいことを始めるきっかけになるかもしれません。
まったく違う考え方の人に出会い、自分の常識を打ち破る考え方を聞くこともできます。新しい人に出会い、新しい場所へ行く。
ぜひ時間に余裕を持って、GPSなしで出かけてみましょう。
まとめ
流動性知能を鍛えることは大切ですが、その前に「よく食べ、よく寝て、よく遊べ」の基本を押さえて生活することも心がけましょう。
栄養バランスの取れた食事、良質で十分な睡眠、適度な運動が、元気な体だけでなく元気な脳も作ります。
それでも最近なんだか忘れっぽくて、と記憶の老化が気になりだしたら、バランスの取れた食事に記憶の栄養素、「ホスファチジルセリン」を補充してみるのも良いと思います。
加齢にともなって、ホスファチジルセリンがすこしずつ減ってきてしまうことにより、記憶力の低下などを引き起こすとも言われているからです。
思い出す力の維持に欠かせない栄養素「ホスファチジルセリン」の補充にはサポートメモリープレミアムがおすすめです。
毎日の生活の中にメリハリと刺激を与えて、生き生きとした毎日を送りたいですね。