毎日の食事の献立を考え、買い物に行き、食材を使って料理するのは、楽しくはありますが、なかなか大変です。
主婦としては、美味しいものを作りたい、だけど食費は切り詰めたい、その狭間でいつも葛藤しています。
まとめ買いをしても、結局全部は使いきれずに腐らせてしまう野菜があったり、ついつい料理をつくりすぎて、同じメニューからのアレンジ料理を連日食卓に並べてしまったり。
安いからと買った食品の消費期限、賞味期限が切れて、捨ててしまうことがある方も少なくないはずです。
そんなフードロスと背中合わせのあなたの食生活が、今回ご紹介するプロジェクトによって劇的に変わるかもしれません。
地球環境に優しくなる社会貢献を兼ねたフードロス削減サービスをぜひご覧ください。
まだ十分に食べられるものが捨てられてしまう問題、フードロスは、私たち一人ひとりがが考えていかなければならない課題です。
消費者側だけでなく生産者側の食品メーカーも例外ではありません。
自社が生産した商品を泣く泣く廃棄しているという現状があり、その理由は様々ですが、パッケージデザインの変更、賞味期限切れ間近、季節限定商品などで、流通ができなくなって廃棄を余儀なくされており問題視されています。
背景には、実際に必要な量よりも多くの食品を生産、発注することが当たり前になってしまっているという実態があります。
では、現状の日本では一体どれほどの食品ロスが出るのでしょうか。
平成31年4月農林水産省発表の資料によると、廃棄物処理法における食品廃棄物は
【食品関連事業者】⇒772万トン(内、可食部分と考えられる量:352万トン)
【一般家庭】⇒798万トン(内、可食部分と考えられる量:291万トン)
と計算されており、合計すると食品廃棄物は【1,561万トン】、食品ロスは【643万トン】と言われています。
食べることが出来る食品のロスが【643万トン】と言われてもピンとこないですよね。
キロ単位にすると【64億3千万キログラム】。
10kgのお米に換算すると6億4千3百万袋分の計算になります。
余計にピンとこなくなってしまったかもしれませんが、この量は世界全体が飢餓に瀕している国々に援助している食料の量の約2倍に相当するものです。
しかも廃棄にかかるコストは年間2兆円に及び、経済的にも無駄で非合理的な現状と言わざるを得ません。
国連の調査によると、世界中で生産された食品の3分の1、13億トンあまりが廃棄されています。
2012年には国連食糧農業機関(FAO)がZERO HUNGER CALLENGE を宣言し、責任ある消費を含め、食料ロスまたは廃棄をゼロにすることを掲げました。
食べ残しや売れ残りなどで廃棄される食品ロスを減らす活動は世界規模で高まっています。
その理由として、日本人は生食を好む傾向があり、生食を食べてきた歴史が影響していると言われています。
それは美しい文化であるとともに、自ら食品衛生に対する厳しいルールを課したことで、ルールから漏れたものは廃棄するという掟を作りまだ食べられるものを廃棄物にしてしまったしまった側面もあるかと思います。
食品流通業界の掟のひとつに「3分の1ルール」というものがあります。
3分の1ルールとは、
製造日から賞味期限までの合計日数の
3分の1を経過した日程までを納品可能な日とし、
3分の2を経過した日程までを販売可能な日(販売期限)とする
ものです。
仮に賞味期限が6ケ月、製造日が4月1日の食品の場合なら
製造日から賞味期限までの合計日数は180日。
納品可能な日は4月1日から、60日後の6月1日まで
販売期限は4月1日から120日後の8月1日まで
になります。
このルールは慣習的なものにすぎず、数値的な合理的根拠はありません。
「期限に合理的根拠はなく、食品や資源のムダにつながる」という理由から近年はこのルールが見直し検討され、少しずつ改善に向けて動きつつあります
しかしルールの見直しに動きつつあるとはいっても消費者側の目線で、「こんなに賞味期限が近い商品がまだ店頭に並んでいるの?」といったマイナスのイメージを持たれるのでないと懸念されるので、メーカーからしてみると容易なことではありません。
私たち消費者自ら意識改革をはかり、正しい知識を持って「もったいない」「まだ捨てるべきではない」と自ら商品を評価・判断していくことが食品ロスを減らす一番大きな力となります。
日本は対人口比で見たとき、食品廃棄量は世界各国と比較してもそれほど多いわけではありませんが、自給率において日本はカロリーベースで38%の自給しかなく、つまり62%のカロリーは他国に頼っているのです。
その中で1,700万tを廃棄しているわけですから、世界にあふれる栄養失調の子どもたちのことを考えれば、食品廃棄に対する姿勢を変えていくべきではないでしょうか。
しかしこの間違った「賞味期限」の理解が多くの食品ロスを生み出している一因です。
「賞味期限」とは
定められた方法により保存した場合において、この「年月日」までは「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと。
スナック菓子、カップめん、チーズ、かんづめ、ペットボトル飲料など、消費期限に比べて傷みにくい食品に表示されています。
なので、この期限を過ぎてしまったら、即、食べられなくなるわけではありません。
期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日で、必ずしもその食品が食べられなくなる年月日ではないのです。
ただし、一度開けてしまった食品は、期限に関係なく早めに食べるようにしましょう。
「消費期限」とは
定められた方法を守って保存した場合において、この「年月日」までは「安全に食べられる期限」のこと。
お弁当、サンドイッチ、生めん、ケーキなど、傷みやすい食品に表示されています。
食品によって違いがありますが、だいたい5日以内です。
袋や容器を開けずに、書かれた保存方法を保存していた場合においても、この期限を過ぎたら食べないようにしてください。
注目したいのは賞味期限も消費期限も「表示されている保存方法を守って食品を保存しておいた場合」という点です。
賞味期限は過ぎても、食べられなくなるわけではありませんが、保存方法によっては商品の劣化が早まることもあるので、日付だけに捉われないようにしましょう。
保存方法がきちんと守られていれば、賞味期限表示は、その期限が過ぎていても過剰に気にする必要はなさそうです。
むしろ期限が迫った商品から大量の食品ロスが生まれているので、そのような商品から積極的に消費していくべきであるとも言えます。
フードシェアリングサービスとは、見切り商品や予約がキャンセルされた食材を必要な方にマッチングして販売するサービスです。
継続的に行われることで、消費者が気軽に食品ロス削減に関われる活動のひとつといえるでしょう。
売り手と買い手、双方の数が増え、サービスエリアが拡大すれば益々裾野が広がり大きな運動に発展する可能性があると思われます。
今、活気のあるフードロス削減に貢献しているオススメのフードシェアリングサービスを6つご紹介しましょう。
良い商品をお得に購入できて、少し社会貢献ができるショッピングサイトです。
廃棄予定だった商品を食品メーカーから提供してもらい、食品を中心に定価より圧倒的にお得な価格で販売しています。
また、商品の売上の一部はOtameshiから社会活動団体へ寄付されており、お買物を通して様々な社会活動団体への支援ができるのも特徴のひとつです。
定期的に支援先の寄付レポートや寄付金に関する領収書がアップされるので、消費者としては支援内容を目にすることができ好感が持てます。
本来なら原則既存のルートで販売することができず、泣く泣く廃棄されてしまう商品をOtameshi(オタメシ)では販売することができ、フードロスに貢献しています。
公式サイトはこちらから
「ReduceGo」は、食品ロスを減らしたい飲食店と、お店の料理を安く食べたいユーザーをマッチングしたサービスです。
しかも、月額1,980円の定額料金で毎日2回までテイクアウト注文が可能になります。
現在(2020年10月)は、まだ関東エリアと名古屋エリアだけで対応していますが、順次拡大予定です。
公式サイトはこちらから
「TABETE」とは、店舗の営業時間終了間際に残った、まだおいしく食べられるのに廃棄の危機に面している食事をユーザーとつなぎ、最後まで売り切ることを応援する、社会派のWebプラットフォームであります。
現在(2020年10月)は東京都を中心に関東エリア、石川、静岡、愛知、大阪、兵庫、福岡などで展開中ですが、順次対応エリア拡大の予定。
250円〜680円程度の単品価格帯のため、店舗を増やさなくても利用者の満足度を満たすことができますが、Twitterでのプロモーションが成功しており、店舗数の拡大では他のサービスより一歩先を行っている印象です。
公式サイトはこちらから
「FOOD PASSORT」(フードパスポート)とは、飲食店のおまかせメニューとユーザーをマッチングさせる月額定額制サービスです。
飲食店の余剰食材をシェアリングすることを目的としております。
月額料金(税別)980円で来店ごとに原則ワンドリンクの利用可能ーダー制。
サービスを使っての来店は1日1店舗までになり、月10回まで利用できます。
2018年10月に関西圏(近畿2府4県)からサービス展開が始まり、現在(2020年10月)は関東(1都3県)にも進出。
さらに順次担当エリアを拡大中です。
「Reduce Go」や「TABETE」とは違い、店舗で予約して訪問してもらうサービスになります。
公式サイトはこちらから
ロスゼロは
世界にあふれる「もったいない」に光をあて、
つくる人も食べる人もみんなが笑顔になれる
エシカルな消費スタイルを創造します。
まだ食べられるのに捨てざるをえない、
そんな「もったいない」食品を、
ロスゼロの取り組みに共感してくれる人たちに
食品メーカーさんの事情や背景とともに、
美味しく楽しくつなげていきます。
チーム“ロスゼロ”みんなで
「もったいないもの」を減らせれば、
社会にポジティブな連鎖が起こり、
きっと食品ロスは削減されていきます。
つくる人、食べる人、
どちらか一方を向くのではなく、
両方の手を取ってストーリーとともに結ぶ。
これはつまり「三方よし」な笑顔の実現。
私たちロスゼロは、
世界中から「もったいない」にまつわるヒト・モノ・コトが集まる
プラットフォームを目指します。
公式サイトはこちらから
「rebake(リベイク)」は、パンに特化したショッピングサイトです。
全国のパン屋さんからお取り寄せでき、常態化しているパンの食品ロスに貢献できるサービスになります。
まだまだ食べられるのに廃棄になってしまいそうなパンを積極的に取り扱いしています。収益の一部は食品ロス削減に取り組んでいる団体に寄付されています。
2020年3月現在、210店舗のパン屋さんが加盟しています。
加工食品なら賞味期限がある程度あれば、小売店で処分販売することが可能ですが、パン屋さんが作るパンは日持ちが効かず、その日中に販売することが求められます。
残ったパンはフードロスになり、泣く泣く廃棄せざる得ない状況でした。
その状況を改善するためにリリースされた削減サービスのひとつが「rebake(リベイク)」なのです。
公式サイトはこちらから
まとめ
記事にも書きましたが、日本での食品ロスの発生量は年間643万トンと推計されています。
これは私たち日本人が、1人あたりお茶碗1杯分の食べ物を毎日捨てているという計算になるのです。
世界各地で飢餓に苦しむ人たちへ向けた食糧援助量が年間約390万トンに対し、食品ロスの量は1.6倍にもなっています。
一人ひとりの消費者がこのような状況の改善に少しでも役に立つために、ご紹介したフードロス削減サービスを上手に利用して社会が幸せに循環するようなしくみを目指し作っていきましょう。