20代で毎日湯船に浸かる人は4分の一にしか満たないという報告もあります。
お風呂が狭かったりバスタブに浸かるのが面倒くさいなど、いろいろな原因があるでしょうが、手っ取り早いシャワーだけでは体温が十分に上がらず、入浴がもたらす効果がしっかりとは得られません。
体が温まらなければ、血の巡りが悪くなり、疲労回復効果も低くなってしまうのです。
かつて女子たちの間で流行った「半身浴」も半身浴ならではの健康効果というものはないそうです。
やはり湯舟に浸かるのであれば温熱作用がしっかりと得られる「全身浴」がお勧めのようです。
今回は入浴医学の第一人者である早坂信哉氏の著書『最高の入浴法』から「お風呂は正しい入り方、疲れをとる入浴法」をご紹介したいと思います。
人間の体内にある「自律神経」には、活動を高める「交感神経」と、鎮静状態に導く「副交感神経」があります。
仕事をしているときに緊張して興奮状態にある身体は、交感神経が優位に活動する状態にありますが、帰宅してお風呂に浸かってリラックスすると、徐々に交感神経から副交感神経優位の状態にスイッチが切り替わります。
私たちが暮らす社会は心身への慢性的なストレスが多く、交感神経が過剰にに刺激されているため、夜のリラックスタイムにいかにして交感神経のスイッチをオフにできるかが疲労回復のカギとなります。
確かに仕事で疲れて帰ってきた後に、浴槽にお湯を張る作業は面倒だと感じる方もいるかもしれませんが、そこで手っ取り早くシャワーだけですませてしまうと、根本からの疲れがとれないためずっと疲労感を引きずったまま翌朝を迎えることになり、そしてさらに疲れて帰宅することを繰り返す悪循環になってしまいます。
根本から疲労を取り去るには、湯舟に肩まで浸かって0.5℃〜1℃程度の十分な体温上昇をはかり、血流を上げて老廃物の代謝を促し、副交感神経への刺激を与えなくてはならないのです。
① 温度は40℃に設定
40℃程度のお湯にゆっくりと浸かることで、交感神経から副交感神経にスムーズに切り替えることができます。
人によっては「少しぬるい」と感じるかもしれません。
しかしこの温度に設定すると、幅広い年齢層の方にとってリスクが低くなり、のぼせやヒートショックなどの体調不良を起こしにくくなります。
安全面からの利点のほかにも、10〜15分くらいの入浴時間でも十分に体が温まるので血流がよくなり、疲労回復やリフレッシュ、体の痛みの改善につながります。
② 肩まで浸かる
へそ下までの半身浴より全身浴のほうが健康効果は高いため、肩までしっかり浸かることっがポイントです。
湯舟の水圧と浮力の作用で、身体の隅々にまで血液を送ることができ、温熱効果がアップします。
かけ湯を何度か行い、お湯に身体を慣らしたあとゆっくりと肩まで浸かります。
心臓や呼吸器に疾患のある方で、肩までお湯に浸かると息苦しく感じる人は無理せず半身浴を選びましょう。
③ 浸かる時間は、10分から15分
入浴時間は長くとればよいというものでもありません。
10〜15分でよいので、できれば毎日湯船に浸かることが大切です。
心身に大きな負担がかからずしっかりと体が温まってくるので、顔や額が汗ばんでくるくらいが目安に行ってください。
少しでも息苦しいときは、自律神経のスイッチが交感神経に入っていることが考えられます。
その時は速やかに浴槽から出て休憩をとることです。
我慢してお湯に浸かり続けると、のぼせる原因になり、健康のための入浴が体調を崩すことになりかねません。
心臓、血管、呼吸器に疾患がある方は十分注意が必要です。
④ 入浴剤でさらにリラックス!
血流アップと疲労物質除去効果がある硫酸ナトリウムや重炭酸ナトリウムを含む入浴剤を使用するのもおすすめです。
炭酸は皮膚から直接吸収されて血管を拡げるため、血流を改善させます。
気を付けたいのは敏感肌やアトピーなど皮膚の弱い方がご家族にいる場合です。
皮膚へ刺激がつよいものはお勧めできません。
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⑤ 入浴後は、温熱効果を逃がさない!
お風呂で汗をかいた後に扇風機や冷房で涼むのは、基本的によくありません。
のぼせてしまった場合は別ですが、お風呂から出た後は、早めにタオルで身体の水分をふき取り身体を冷やさないように寝間着を着て布団に入るようにしてください。
湯船に浸かることは、働く現役世代から、ご高齢の方まで、幅広い世代に有益です。
・毎日の入浴が、要介護リスクを減少させる
・毎日の入浴習慣がある人は、幸福度が高い
といった、さまざまな健康効果が最近の研究で明らかになっています。
シャワー派にも「なるほど」と素直に思ってもらえる理由が大きく3つあります。
お風呂に浸かる理由・その1—汚れが落ちやすくなる
体の汚れはゴシゴシするだけでは落ちません。
表面を洗うだけでは汚れは落ちきれていないのです。
石けんを使っても、小さい毛穴の奥には洗いきれない汚れが残っています。
お湯にゆっくり浸かっていると次第に毛穴が開いていきます。
毛穴が開くと、お湯が汚れまで届き自然と汚れが落ちやすくなるのです。
シャワーでは体は温まらないので、毛穴はずっと閉じたまま。
汚れが潜んだままで放置すると肌荒れや体臭の原因にもなってしまうのです。
お風呂に浸かる理由・その2—自然にリラックス状態になる
リラックスには温もりが一番効きます。
湯舟に身体を沈めて優しく温もりに包まれ癒される。
シャワーでは身体の芯まで温めることができません。
体が温まらないのでリラックスしない→疲れが取れない→ストレスが解消しない→疲れが蓄積されていくという悪循環に陥りやすくなってしまいます。
お風呂に浸かる理由・その3—温めると調子が良くなる
身体を温めるとリラックスだけじゃない効果があります。
暑い夏なら、外気は熱風のごとく汗だく。
お風呂に入ってさらに汗をかきたくないしシャワーで十分——
その気持ちわからなくもないですが、実は暑さを感じているのは熱気に包まれている身体の表面だけ。
どんなに気温が高く汗をかいていても冷房や冷たい飲み物などで、身体の中は冷えているます。
人知れず冷えている体を温めるのは、やはりお風呂が一番なのです。
ぬるいお風呂でゆっくり温まると、血液やリンパの流れが良くなり内臓の動きも活発になるので夏バテや冷え性の改善も期待できます。
シャワー派に便秘が多いという話を聞きますが、それも原因は体が冷えているせいかもしれませんね。
時間がなくてもすぐに体が洗える、面倒なお風呂の準備・掃除がいらないシャワーは、1人暮らしの方などには便利で節約になります。
どうしてもシャワー主体になってしまうという方は、週に一度のお休みの前の日だけでもゆっくりお風呂に浸かってみてはいかがでしょうか。
家にバスタブがない、お湯を溜めるのが面倒という方なら、スーパー銭湯などを利用してみてはいかがでしょう。
週に一度、ぜひお風呂で疲れた身体をリセットすることをおすすめします。
まとめ
これだけの良い効果があるのに、お風呂に浸からないのはもったいないですよね。
好きな香りの入浴剤やアロマキャンドルを置いて、素敵なバスタイムを演出しながら、身体をリラックスさせてはいかがでしょうか。
仕事に家事に忙しい毎日だからこそ、お風呂に浸かって身体をリセットすることは大切なようです。
今夜も心地よく眠りにつけますように。