秋に出産を控えているので、友人は初孫の誕生に毎日ウキウキと心が落ち着かない様子。
学生の時からの友達が、もうすぐおばあちゃんになるという現実のほうが私は少なからず感動的ショックなのですが…(笑)
彼女から色々と話を聞いていると、さすが福祉大国フィンランドと言いたくなる国からの補助やサポートがいっぱいあって、日本との違いにびっくりしたことを今回はお話ししたいと思います。
なかでも出産、育児など、子どもに対する補助金やサポートは非常に充実しています。
「ネウボラ」がそのサポートの代表例です。
「ネウボラ」サポートは、妊娠時から出産後に子どもが小学校入学するまで一貫して妊婦、新生児、子供に対して検査、健診、アドバイス指導などのサービスを無料で提供する制度です。
また女性は妊娠して仕事を休む期間、産休から仕事に復帰するまでの間は収入がなくなりますが、その収入を補填する手当金制度がフィンランドにはあります。
子どもを産むために生活費が確保できなくなるなんて本末転倒なのですが、そのためにフィンランドでは産休手当制度が存在しているわけです。
日本にも出産手当金がありますが、国民健康保険の人は対象外になっており、もらえるのは会社や公務員の社会保険に入っている人に限ります。
そう、日本では企業や公務員、教員などの組織に加わらないフリーランスや自営業の方は出産手当金をもらうことができないのです。
フィンランドはフリーランスでも学生でも無職でも自営業でも子供を産むすべての女性に対して支給対象になります。
全国民をカバーしているフィンランドと一部の国民だけを対象としている日本。
非常に大きな違いだと思いませんか。
支給日数や金額にも差があり、日本では「出産予定日前の42日間+出産後の56日間+出産予定日より遅れて出産した場合の遅れた日数」=が最低限「42日+56日=98日」分が支給日数になるのに対し、フィンランドは出産予定日までにフィンランド国民健康保険KELAに180日間以上加入していれば、国民や長期滞在ビザ所有者であれば、誰でもこの出産手当金の受給資格を持っています。
受給期間は最大合計105日営業日で、約4ヶ月間と定められています。
※日曜日と祝日を除いた、月曜〜土曜が営業日になります。
一般的には出産予定日の1ヶ月半〜2ヶ月前から産休に入ることが多いフィンランドですが、妊娠5ヶ月以降であれば出産手当金をもらう資格が得られるのです。
支給額は母親の年収によりますが、無職や学生でも1ヶ月の支給額が約725ユーロ(約9万5千円)となります。
どんな人でも最低限この収入を産休中に確保することができます。
もちろん仕事をしている会社員、フリーランス、自営業の方であれば、より高い出産手当金がもらえます。
フィンランドでは、生まれた子ども全員に無償で配布される育児パッケージのギフトBOXがあるそう。
これは母親支援の手当の一つで、現金支給か育児パッケージのギフトBOXどちらかから選ぶことができるのですが、現金支給だと約140ユーロ、ギフトBOXだとその倍以上の価値のある育児グッズがもらえることもあり、赤ちゃんを迎える家庭の3分の2がギフトBOXを選ぶのだそう。
このギフトBOXは、これさえあれば子育てがスタートできるという魔法の箱でもあります。
中身は多くの洋服や肌着など50〜70cmまでの様々なサイズがセットされており、ロンパース型や上下セパレートの半袖、長袖などそれぞれが2、3着ずつ、全部で15着程度入っています。
さらに冬には零下になるフィンランドにおいて必須の防寒用オーバーオールやウールのオーバーオール、帽子や手袋、赤ちゃん用のタイツも入っています。
フィンランドでは、冬でもマイナス10℃くらいまでは子どもをベビーカーに入れたまま外でお昼寝させるのが習慣があるため、あたたかいベビー用の寝袋までが準備されているのです。
衣類以外にも、布団セット、おくるみにもなるバスタオル、くしや歯ブラシ、水温計や爪切りばさみ、布オムツ、さらに母親のケアも考え、母乳パッドや生理パッド、さらには避妊具まで入っている豪華さなのです。
この育児パッケージは、諸外国の皇室、王室に赤ちゃんが生まれたときも、フィンランド政府からプレゼントとして送られてきました。
イギリス王室にジョージ王子がご誕生された際のプレゼント内容に避妊具が入っていたことから『フィンランドがイギリス王室にコンドームを送った!』とイギリスではだいぶ話題になったそうです。
ちなみにこの育児パッケージは、男女関係なく同じセットがプレゼントされるので、衣類や中身にはニュートラルな色彩が選ばれるそう。
また、毎年色やデザインも変わるので、同じ年に生まれた赤ちゃんは同じ服を着るという一体感も生まれるとか。
外出先などで自分の子どもと同じデザインの服を着ている子どもがいると、その子も同い年ということが一目でわかるため、親同士で話が弾んだり、新しいコミュニティが生まれるという効果もあるのだそう。
社会福祉国家らしくこの育児パッケージの内容は、親の声を反映して毎年少しずつ変化を遂げ続けています。
数年前からエコへの関心が高まったことで紙オムツから布オムツに変更。
それにより約70万枚の紙オムツの消費量が削減されました。
また、WHOの母乳推進の動きから、母乳での育児が与えるよい効果がフィンランドでも普及し、粉ミルクや哺乳瓶を入れるのをやめて代わりに母乳パッドが加わりました。
母親達の声や要望を入れながら、時代の流れを反映しつつ、中身が毎年少しずつ改良されていく発展的な育児パッケージなのです。
ママになると通例として、約1年の出産休業をとることが多いのですが、その後も子どもが3歳になるまでは在宅で子育てをして、その後職場に復帰する権利があります。
また「親休業」というママでもパパでもどちらが休業してもかまわない制度や、パパの育児参加を促進するために「父親休業」という制度も整っています。
フィンランドでは、パパが父親休業制度を利用する取得率は80%にも上ることに比べ日本は、2019年度の男性の育休取得率が7.48%。
厚生労働省は「2025年までに30%」を目標に掲げているものの達成するはほぼ絶望的とみられていることと比べるとフィンランドにはイクメンという特別な呼び方は必要ないほど育休休暇取得は当然視されているのですね。
日本のように父親が育児を「手伝う」のではなく、フィンランドでは親として主体的に子育てをします。
たとえ離婚・別居をしても、親権は両方で持つことが多く、元パートナーと可能な限り協力し子育てについての親責任を果たしていくことが奨励されています。
夫婦は他人でも、子どもにはどちらもかけがえのない「親」なのですから。
ちなみにフィンランドでは、実子でなく養子を受け入れる場合でも自分の子供が産まれた場合と同じに父親にも産休と出産手当金がもらえます。
そのため、同性愛者のカップルでも同じ権利を有します。
このあたりの政策もさすが社会福祉大国のフィンランドだと感じますね。
まとめ
私が出産したのはさかのぼると23年前なのですが、初めての妊娠・出産・子育てはわからないことだらけで、当時とても不安だったことを思い出しました。
しかも異国のフィンランドで、となると友人が娘さんを心配する気持ちや娘さん自身もとても不安に違いないと思っていたのですが、フィンランドと言う国の充実した出産、子育ての制度を知って、日本で産むよりいいんじゃないの、と感心してしまいました。
特に国から贈られる子育てパッケージギフトBOXは、子育てに向き合う新米パパとママにとってとても希望が持てる贈り物だと感じました。
私も孫を持つような世代になったと、友人のお孫さんの誕生プレゼントを購入するたびに思っていましたが、このフィンランドのネウボラを知って、日本でも似たような夢のある贈り物セットができないかと探したところ、フィンランドから届くムーミンのベイビー用品【Finnish Baby Box】のOfficial Online Store
品質のよい安全な製品を厳選して、赤ちゃんのケアに必要なもの51種類商品一式をフィンランドの首都、ヘルシンキ近くの小さな島 の倉庫から、ボックスを手作業で梱包し、世界中のパパ・ママに発送してくれるのだそう。
日本では入手困難なアイテムをフィンランドから直輸送でプレゼントできます。
夢のあふれるベビーBOXで、これから贈る出産のお祝いはずっとこれでいこうと決めました。