猫は犬よりもしつけが難しいと思われることが多いペットです。
それでも飼い主さんが生活環境を改善したり家族とのかかわり方を見直すことで困った行動を解決できることができます。
猫と犬の大きな違いは、猫は社会化期(柔軟に様々なものに触れて慣れることに適した時期)が非常に短い事です。
犬の場合は社会化期が生後3〜13週齢頃なのに対し、猫の場合は3〜7週齢なのです。
社会化期に頻繁に接触した動物や物とは密接な関係を築けますが、猫の場合もし生後7週齢までに人と殆ど接触がなければ、その後に人に慣れることは非常に難しくなります。
今回は、猫の飼い方にも通じる「しつけ」の如何についてお話したいと思います。



問題行動の原因になること

猫ちゃんの問題の原因には、猫が「不安に感じるもの」や「不適切な生活環境」などがあります。

例をいくつか挙げると

・多頭飼いのため個々の居場所を確保できない
・相性の悪いネコが同じ生活テリトリーにいる
・補食活動など猫特有の行動欲求が満たされない

などからストレスをためて問題行動をおこしてしまい正常な行動がとれなくなることが多いのです。
また、猫ちゃんの生まれ持った性格や子猫の時の社会期化の過ごし方、飼い主さんとの関係性が原因で問題行動をおこすこともあります。
猫がいくら社会化期が早いといっても、生まれて早々に母ネコと離して新しい環境に連れてくるのはあまりすすめられません。
できれば生後10〜12週齢くらいまでは、母ネコと一緒に過ごすのが理想です。
早期離乳は問題行動の原因の一因になるので、精神的に安定して社会的に成長できるようにするためには、幼いうちはできるだけ母親と一緒に過ごすのがよいのです。
母親と一緒に過ごす環境の中で、飼い主さんがかわいがり、他の動物とあわせたりする事が理想的だと思います。




猫をしつけるヒント

猫は犬のようにしつけることはできませんが、上手に叱る&上手に褒める、を使いこなしていくと猫の困った行動をコントロールすることができます。
ペットを飼ううえでの共通のしつけとして言えることは、ペットに恐怖を与えたり、体罰など身体に痛みを与える方法はよくないということです。
特に猫に関しては、一度飼い主に対する信頼が損なわれてしまうと、一気に関係が悪化するので注意が必要です。
飼い猫ちゃんに対して飼い主さんが困っていることや、やってくれると嬉しいことを伝えることはできるので、お互いに信頼関係を壊さないように上手に叱ることと、猫の喜ぶことをして上手に褒めることを心がけてください。
具体的には、猫を叱る時も褒める時も「すぐに」することです。
時間が経ってしまってからいくら叱ったり、褒めたりしても猫ちゃんはなぜ叱られているのか、褒められているのかを理解できません。
悪いことをしている時、良い行動をしている時、そのときにすぐにやることが大切です。
叱る時は短い時間で見えないところから音や声を出して叱って、反射的に困りごとをストップさせます。
叱る言葉は「ダメ!」「コラ!」など短い言葉を使うようにして、この行動をすると、嫌なことが起こることを覚えさせます。
褒める時も短く端的な言葉と優しい口調で猫ちゃんの名前を呼んで「えらいね」「かしこいね」と笑顔で褒めると、猫は安心して心地よくなります。
しつこく長い褒め言葉は、反対に猫にはストレスになるので注意してください。
食べるのが好きな猫なら普段はあげない特別なおやつや、スキンシップが好きな猫には撫でながら褒めるなど、猫が喜ぶことをしながら褒めると効果的です。



トイレと爪とぎのしつけについて

猫は本能的に砂のある場所で排泄して隠したいという欲求があるため、トイレのしつけそのものはそれほど難しくありません。
排泄場所決めたら、そこに猫の好む砂を用意してあげれば自然とそこがトイレだということを認識します。
トイレはこまめに掃除して清潔を心がけ、風通しの良い静かな場所を選んであげましょう。
猫は環境の変化など強いストレスがかかったときに、トイレではない場所に粗相をしてしまうことがあります。
粗相した時は、飼い主さんがいつもとは異なることがなかったかを振り返ってみましょう。
カーペットや布団などにしてしまうと粗相のニオイが付いてしまい、同じ場所に繰り返ししてしまうことがあります。
その場合はカーペットを替える、布団を丸洗いするなどでニオイを消してしまうように。
1度の粗相で過剰に叱らないよう気をつけましょう。
猫の爪とぎには、マーキングや爪のメンテナンス、気持ちを落ち着かせる、ストレス発散など、猫にとって重要な意味があり、無理にやめさせるとストレスが溜まってしまいます。
猫ちゃんの爪とぎは飼い主さんにとって家具や柱などがボロボロになってしまう困ったことなのですが、爪とぎターゲットの誘導対策を取って上手に付き合っていく方法を探しましょう。
爪とぎの種類は猫によって好みがあり、布やダンボールなどの柔らかいものから木製の固いものまでさまざまな素材があります。
設置した爪とぎ場で飼い猫がしてくれない場合は、猫の好みでない素材なのかもしれません。
素材だけでなく爪とぎの形状や平置きなのか立てかけるのかなど、細かく飼い猫の好みに合わせることで対策をとりましょう。




その他、猫の特性上の困りごと

【噛む・ひっかく】

猫が飼い主さんを噛んだり引っかいたりするのは、拒否の気持ちが行動に表れているからです。
噛むことやひっかくことで、何を嫌がっているのか、そのサインを見極めるようにしましょう。
それがわかれば無用に噛んだり引っかかれたりするのを防ぐことができます。
猫は撫でている時や抱いている時などスキンシップ中に突然噛んだり引っ掻いたりすることがあります。
その原因の主なものは、その時猫ちゃんはスキンシップしてほしくないと思っているからです。
飼い主さんが抱っこしたい、撫でたい気持ちを優先させるのではなく、スキンシップは猫から寄ってきたときだけにして、もういい、と身をよじらせた時はすぐに離してあげましょう。
撫ですぎると猫のストレスになるので、気持ちよさそうなところでストップして開放してあげてください。
もうちょっと撫でてほしいと思えば、猫ちゃんのほうからすりすりと寄ってきますよ。

【爪切り・ブラッシング】

猫は拘束されるのが苦手です。
爪切りやブラッシングなどのお手入れ時間もできるだけ短時間で済ませるように工夫しましょう。
嫌がる苦手なお手入れをするときには、先におやつやスキンシップなどで気をそらします。
早く素直にお手入れできたときは、褒めてあげましょう。
猫の体がこわばって、耳が外向きに張ってきたら攻撃前のサインなので、すぐに開放にしてあげましょう。

猫の困りごとランキング

1位  乗ってはいけない場所に乗る

2位  人を噛む

3位  食べ物以外のものを噛む&誤食

4位  粗相

5位  してはいけない場所での爪とぎ

6位  遊びやゴハンのおねだり

7位  脱走

8位  ものを倒す&落とす

9位  毛玉を吐く

10位  同居猫との不仲



ランキング1位の困りごとは、飼い主さんにとっては日常のあるあるですね。
うちでも、テーブルの上や冷蔵庫の上に目を離した隙に飛び乗っています。
なぜ、猫はのってほしくないところに乗るのか?
それは家の中でよく見渡せて気分がいい場所だからです。
野生の猫は高い木の上から獲物を探す習性があるので、その名残から飼い猫になっても高いところにのることを好むのです。
飼い主さんには困る場所でも、猫にとっては大好きなお気に入りの場所のため、おもわずのってしまうのです。
解決するには、その場所の代替になる場所を用意することです。
いくらのってはいけないことを注意しても、猫が理解することは非常に難しいので、その代わりにキャットタワーなどのってもいい場所を準備してあげることで、解決を目指しましょう。
うちではのってほしくない場所には、猫よけのトゲトゲ網 などを敷いたり、【にゃんがーど】 という柵を設置しています。
猫は頭のいい動物なので、のった場所が不快だとを学習して行かなくなります。

まとめ

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか。

可愛い飼い猫でも、飼い主さんにとってやってほしくない困りごとやしつけに対する悩みごとは尽きることはないのかもしれません。
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筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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