人々から「あなたが成功した最も大きな理由は何ですか?」
という質問を受けた時に彼は必ず「focus=集中すること」と答えたそう。
自分がやるべきことに集中して、今ここの仕事や生活の課題をクリアすることに取り組んでいくことが重要だという事ですね。
しかし人間という生き物はそれが一番大切だとわかりながらも、気持ちのベクトルが向かない時があるものです。
そんな時でも自分自身をコントロールして、目の前の課題に集中できる力を持っている人が成功するということなのです。
今回はセルフコントロールについての解説とセルフコントロール能力が高い人にはどんな特徴があるのかをご紹介させていただきます。
誘惑に負けて自分にとって望ましくない態度や抑えなければならない感情が外に現れる前に、誘惑に対峙し自分自身の態度をより良い方向に変化させるのが「セルフコントロール」です。
自分の掲げている大きな目標達成のために小さな正しい態度をとり続けること。
できるだけ目標に逆らうような誘惑に負ける態度をとらないように、自分の心に対する働きかけなのです。
ただ誤解を恐れずに言うならば目標に向けてやる気を出し続けるのがセルフコントロールではありません。
やる気があればどんな事もできるはず、歯を食いしばって頑張れ!
というような単純な図式ではないということです。
誰もがそれを出来るのであればよいのですが、むしろ大多数の人は、やる気があって、やりたいと思っているのに実際の行動に移せないことに悩んでいるのです。
目標を達成するためのやる気だけでなく、自分自身に負担をかけ過ぎることなく、目標に向けた態度を自然にとれる環境を作り出すことが、セルフコントロールを成功させるための重要なポイントなのです。
1 自分自身を許す ⇒ 失敗したときにこそ前を向く
失敗したときに『自分には素質がない』と自分を責めて傷つけるのではなく『今はまだ時期ではないだけだ』と自分自身が未来に向けてどうやって前進させるかを考え、その失敗が自分を伸ばすチャンスと捉えるのです。
物事が続かない、一つの失敗で大きな挫折を感じる人はぜひ『失敗は成功への過程の一つである』と捉え直してみてください。 目標達成において、自分の能力や限界を自分で決めないことがとても重要です。
2 無理なことを抱え込まない ⇒ NOという力を持つ
無理なことを抱え込んで、バーンアウトしてしまったら元も子もありません。
燃え尽きてしまうことでセルフコントロールの力を大きく減らしてしまいます。
NOと言えることがセルフコントロールの大きなカギを握っています。
新しく責任を抱えそうなときにこそ、NOといえるということに、今、すでに自分が抱えている責任に対する、自身の気持ちを高めることにもなるのです。
3 完璧を求めない ⇒ 完璧は存在しないことを知る
セルフコントロールの能力が高い人は、完璧を求めません。
完璧を成すことはできないので、完璧に挑戦すると必ず失敗の感情を生むことにつながるからです。
人間誰しも完璧ではありません。
最初から完璧に大きな目標を成すことを目指すのではなく、小さなステップをひとつずつ超える感覚をつくりだし、試行錯誤しながらクリアしたとき次の小さなステップに移すことでステップアップをはかりましょう。
4 問題に注目しない ⇒ 解決法に焦点を当てる
問題に直面したとき、その問題自体に焦点を当てると、どうしても否定的な感情を生みます。
問題そのものよりも、その問題を解決して前に進めるために自分は何ができるか、というところにこそ焦点をあてるのです。
それにより、前向きな感情を保つことができます。
例えば、ダイエット中なら『お腹がすいても、冷蔵庫を開けない』と冷蔵庫を開けることができないことに焦点を当てるのではなく『お腹がすいたら、冷蔵庫を開けて、低脂肪ヨーグルトを食べる』と設定した方が効果的です。
5 「もし…だったら」という心配を避ける ⇒ 物事が起こる前に勝手に結果を想像しない
「もし…だったら」と考えることは、不安や心配の感情を生むだけになりセルフコントロールを損ねてしまいます。
物事は、様々な違う方法で起きるので、心配することに時間を取るよりも、まずは具体的な行動を始めることの方がよりよい結果を生むのです。
6 ポジティブな思考を保つ ⇒ つらい時は良かったことを思い出す
ポジティブシンキングが、セルフコントロールを高めてくれます。
物事がうまく進まないときやつらい状況の時には、良かった出来事やうまくいったときのことイメージして思い出しましょう。
前向きな意識を持つことで、できるだけうまくいったときの気持ちのまま物事に取り組むことが大切です。
7 食べる ⇒ やる気が出ないときは、甘いものを取る
セルフコントロールの力が高い人は、食生活も我慢強く節制できるとイメージされがちですが、集中力が切れているときや、やる気が出ないときは、糖分を多く含んだものを口にするのが効果的です。
甘いものを食べることで、セルフコントロールの能力を回復できるからです。
脳をきちんとに働かせるには糖分(ブドウ糖)の役割が大切です。
脳はどの臓器よりも多くのエネルギーを消費するので、脳の活動を維持してセルフコントロールを高めるためにエネルギー栄養素としてのブドウ糖は重要な栄養素なのです。
8 よく寝ること ⇒ 常に頭をすっきりさせておく
睡眠をしっかりととらないと、セルフコントロールを高めることはできません。
寝ている間に、脳は日中の記憶を整理し、頭をすっきりとさせてくれます。
忙しい時ほどしっかりと睡眠を確保することが、目標達成のカギとなるのです。
また、人間にはアフタヌーンディップ(午後2時頃に最も眠気が襲うこと)という現象があり、日中の15分程度の昼寝(仮眠)をとることで頭をスッキリさせる効果があります。
9 運動する ⇒ 脳を活性化させる
10分程度の運動でも、脳は活性化します。
何か難しい問題が起きた時も頭を抱えて悩むのではなく、少し歩いてみたり軽い体操をすることで、あなたの感情をコントロールすることができるようになります。
10 瞑想 ⇒ セルフコントロールの力を高める
瞑想することで、あなたのセルフコントロールの能力が高められます。
瞑想のやり方はとってもシンプルです。
毎日5〜10分、毎回、場所と時間を決めて静かな場所でリラックスして座り、自分の呼吸と感覚だけに集中する時間を持つことで、普段あれこれ脳に浮かべている雑多な考えが減っていき集中力を高めてくれます。
11 感情の波をうまく乗りこなす ⇒ 強い衝動がでたら、しばらく時間をおく
感情は、波のように高まったり、おさまったりする傾向があります。
何か衝動が生まれてコントロールできそうにないときは、トイレに立つ、席を外すなどして、10分間程度時間をおくことを自分へのルールにしてみましょう。
それによって、より感情のコントロールが簡単になります。
12 ネガティブな自己暗示を避ける ⇒ ネガティブな感情は外に書き出す
セルフコントロールを高めるためにとても重要なことは、ネガティブな自己暗示を避けることです。
つい「私にはできない、無理だ」と思ってしまうようなネガティブな感情の多くは事実ではなく、あなたの頭の中にある思考でしかないのです。
だからこそ解決策が見つからず、どんどん悲観的になってしまいます。
ネガティブな思考が始まりそうになったら、紙などに書き出して、頭の中から取り出しましょう。
冷静に外から眺めて見てみれば、それらが事実かただの心配にすぎないのかが判断できます。
頭にはポジティブな思考だけを残すようにしてセルフコントロール力を高めましょう。
この力は生まれつきのものではなく、後から高めていくことができる力でもあります。
高めるためのヒントとして「変えられるもの」と「変えられないもの」を意識することから始めましょう。
頭の中で「変えられるもの」と「変えられないもの」を分類して「変えられるもの」のみに集中するのです。
「変えられないもの」については考えない、なぜなら「変えられないもの」に固執していてもセルフコントロールが難しくなるだけで変えることはできないのですから。
例えば
「変えられるもの」
・自分
・思考(判断、想像、認識、など)
・行動(食べる、歩く、話す、聞く、など)
・未来
「変えられないもの」
・他人
・感情(楽しい、悲しい、腹立たしい、など)
・生理反応(頭が痛い、汗をかく、眠い、など)
・過去の出来事
セルフコントロールをするには自分がどういう価値観を持ち、どういう性格なのかを捉えることが最初の一歩になります。
そこからその価値観がぶれないよう練習していきます。
よく「感情をコントロールする」という表現をしますが、実は感情自体をコントロールすることはできません。
思考や行動をコントロールすることによって、感情を変えていくことができるのです。
セルフコントロール能力の向上のためには、その場だけのやる気や意思がいくら高くてもそれをある意味信用せず、自分の価値観や性格と照らし合わせ、無理なく実践できる条件や環境を作ることが大切なのです。
まとめ
人間は誰しも、やろう、やりたい、と思いながらできないままでいることや、始めてはみたものの続かなかったことに対して、大小さまざまな反省や後悔を抱えているものなのです。
セルフコントロールについてもっと知りたくなった方は、 をリファレンスにご活用ください。
セルフコントロール向上の方法を上手に使って、態度や意識を変えて目標達成に近づいてくださいね。