子どもの数が1982年から38年連続減少しているのに反比例して、ペットの数は年々増え続けています。
しかし日本のペット保険普及率はというと2018年で約9%と少なく、スウェーデン(約50%)やイギリス(約25%)などに比べてまだまだ低い水準となっています。
保険加入の必要性を感じている飼い主さんは増えていると考えられますが、ペットが加入できる保険があることを知らない飼い主さんも意外と多いようなのです。
今回はペット保険のしくみやメリット、デメリット、選ぶ場合のポイントなどをご紹介したいと思います。
アレルギーとは、本来ペットの身体にとって無害であるはずの物質に対して免疫反応が過剰にに反応し、ペットの身体に害を与えてしまうことです。
具体的な症例には「皮膚炎」「鼻炎」「眼瞼炎症」「腸炎」などがあり、人間と同じく、食物、ノミ、花粉などがアレルギーの原因になることがあります。
【ウイルス性の病気】
ウイルス性疾病は、ペットの細胞の中で増殖する病原体の一種で感染するとペットは様々な病気を発症します。
一般的には胃腸炎のほか、犬の場合は「狂犬病」「犬ジステンパー」「犬パルボウイルス感染症」などが代表的な例として挙げられます。
猫なら「猫パルボウイルス感染症」「猫白血病」「猫免疫不全」などのウイルス性疾病があります。
また犬の医療費を例にとると、犬も人間と同じように高齢になるにつれ、病院にかかる頻度が増える傾向にあります。
日本獣医師会が2015年に行なった調査によると、ひとつの病気における治療費の最大額は0才〜6才で4万7,640円、7才〜12才で6万7,256円、13才以上では8万,912円であることから、高齢になるにつれて費用がかかることが分かります。
医療費は動物病院によって異なることはご存じでしょうか?
診療料金については「獣医師は各自が料金を設定し、競争できる体制を維持しなければならない」と法律で定められています。
おそらく多くの飼い主さんは家の近所にある動物病院を利用するため、他の病院と医療費を比べたことがない人もいるかもしれません。
私の猫の場合、ある日からずっとくしゃみが止まらなくなって、どうしたんだうと思いつつ風邪でも引いたのかな、と見ているうちに、初めは軽いくしゃみだったのが日を追うごとに悪化して、のどをゼロゼロ鳴らしながら非常に苦しそうにくしゃみを連発するので見ていられなくなり、くしゃみの根本原因を知るために何件もの病院を回りました。
最初の病院で血液検査やレントゲン検査を受けたのですが原因が特定できず、次の病院でも経過観察と言われました。
経過観察中でも、辛そうにくしゃみをする姿を見ていられずさらにもう1件別の病院を探して、最終的には重度の歯周病がくしゃみの原因だとわかり抜歯をすることで回復していきましたが、行った病院によって初診料も検査費用もまちまちで、私も複数の動物病院を利用なければ気づかなかったと思います。
それに一度の診療であればその差額は500円とか1000円ですが、何度も通院が重なればチリも積もればで、その差額は増えていきます。
うちの場合も最終的に計算すると、万単位の差になっていました。
毎日苦しそうな愛猫の姿を見ていると、治療費がどのぐらいかかるのかということよりも、何とか元通りに元気になってもらいたいという願いの方が強くなります。
しかし元気になってホッとしたあとに結構な出費になっていることがわった時、ペット保険に加入していなかったことを後悔し、このことをきっかけに加入を決めました。
ペットの医療費の支払いは、全額が飼い主の負担になるので、病気やケガの具合によっては、かなりの高額になる場合があります。
猫によく起きる病気やトラブルでの医療費の例をみてみると、外耳炎の場合、通院1日で医療費は7千円程度です。
外耳炎は繰り返しかかる可能性があるため、たび重なると負担も大きくなります。
胃腸炎の場合では通院は3回程度ですみますが、医療費は約2万円とやや高額です。
年を重ねた猫に多い誤飲事故では、手術になることもあるため医療費はさらに高額になり、手術と入院費を合わせた医療費は約33万円となっています。
また、ペット保険の補償対象は主に「通院」「入院」「手術」の3つになります。
不妊・去勢手術、ワクチン予防接種、健康診断、爪切り、耳掃除などは保険の対象外になるので覚ええておくことが必要です。
ペット保険各社によって細かい補償内容が異なるので、加入を決めた保険会社には必ず確認するようにしましょう。
【ペット保険のメリット】
ペット保険に加入するメリットは、飼い主だけでなくペットにもあります。
医療費の負担が軽くなることで動物病院を受診するハードルが下がるため、ペットの健康維持につながるからです。
食べすぎによる消化不良、おもちゃの誤飲、高いところからの着地によるケガなど、猫のちょっとした病気やケガはどんなに注意していても起きてしまうものです。
そんな急な事態になっても、お金の心配をせずに動物病院にかかれるので「ちょっと様子が変だな」と思ったらすぐに動物病院に連れて行こうという気持ちになれます。
これが早期発見・早期治療につながり、結果的にペットの身体的負担も医療費も減らすことができます。
また、病気によっては高度な治療をする必要がでてくる場合もあります。
そんなときもペット保険に入っていることで金銭的な負担が軽くなり、治療の選択肢の幅が広がるのは強みですね。
【ペット保険の注意点】
ペット保険に入っても、すぐ補償されるわけではありません。
保険加入後の一定期間は補償の対象外になる「待機期間」があり、その期間は保険会社によって異なります。
ペットの病気やケガの治療費がすぐに補償されるわけではない場合もあるので注意しましょう。
たとえば病気の待機期間が30日間だとすると、仮に待機期間中病気になっても保険金は支払われません。
さらにペットの年齢とともに保険料も上がることを覚えておきましょう。
ペットも年齢を重ねると、病気にかかる可能性が増えてきます。
そのため保険料は加入時のままではなく、更新時の年齢で上昇していきます。
加入している保険が何歳でどれくらい上がるのかをあらかじめ確認することが大切です。
ペット保険にはいくつか選ぶポイントがあるので、そのポイントを押さえながら選んでいきましょう。
ポイント1 目的に合ったプランのある保険会社を見つける
まず飼い主さんがペット保険に入る目的を明確にして、必要なプランを絞ります。
飼い猫に対する飼い主さんの考えが下のA、B、Cどれにあてはまるかで、全く保険会社選びは違ってくるのです。
A)ちょっとしたケガや風邪でも気軽に気兼ねなく病院を利用したい。
B) 高額になりがちな入院や手術には備えたいが、保険料は抑えたい。
C) A,Bどちらともしっかり備えたい。
ポイント2 「補償割合」の確認
「治療費の何パーセントが補償されるか」という「補償割合」についても保険会社やプランによって、治療費の50%、または70%〜100%補償など千差万別なので確認が必要です。
また、補償割合にかかわらず自己負担となる「免責金額」が設けられている場合もあるので、そちらも重ねて確認しておきましょう。
保険料が高くても負担額は減らしたいのか、ある程度負担額があってもいいので月々の保険料は抑えたいのか、飼い主さんの希望に合わせた保険プランを検討してください。
ポイント3 加入可能なペットの年齢範囲を確認する
保険に加入できる年齢の範囲もチェックしておきましょう。
一般的に加入できる年齢範囲は、生後1〜2か月から8歳程度までとなっているところが多いようですが、加入年齢の上限設定はペット保険会社によってさまざまで10歳以上の高齢のペットでも加入できる保険もあります。
ただ人間と同じように、ペットも高齢になると若いときより病気にかかりやすくなり、入院や手術など長期治療になることも考えられます。
病気になってしまうと加入できない場合もあるので、加入は早めに検討しましょう。
ポイント4 終身補償かどうかを確認する
対象となるペット保険が終身にわたって補償が継続されるかどうかも要チェックです。
2018年の一般社団法人ペットフード協会の調査によると、猫の平均寿命は15.32歳で、長生きする傾向にあります。
終身補償されるペット保険なら、安心して最期まで面倒をみてあげられますよね。
ただし保険更新時に、ペットの健康状態によっては継続できない場合もあるので注意は必要です。
ポイント5 保険金の支払い条件を確認する
保険金の支払限度額や、利用可能な日数を確認しておきましょう。
予想より通院が頻繁だったり入院が長引いたりすると、限度額や日数を超えてしまうことがあります。
飼い主さんそれぞれ違うと思いますが、各々が安心できる通院や手術の支払限度額、年間何日通院できるか、手術は何回受けられるかという利用回数についても策定しておき、それに準じた保険会社のプランを選ぶことが大切です。
ポイント6 保険金の請求方法を確認する
保険金の請求方法には「窓口清算」「立替清算」の2通りあり、加入を検討しているペット保険がどちらかの請求方法をとっているのか確認しておくと、動物病院での支払いの際に慌てずに済みます。
窓口清算:動物病院での会計の際に、補償分が差し引かれて自己負担分のみを支払う方法
立替清算:いったん医療費をすべて支払い、後日保険会社に請求する方法
病院での支払いの際に、飼い主さんにとって良いのはどちらかで選ぶとよいでしょう。
まとめ
ペット保険は、基本的にはペットが最期を迎えるまで加入し続けることになります。
そうなるとどうしても加入時の保険料に目が向きがちですが、ペットの年齢によって保険料が上がることも検討材料に入れて、長い目線で選ぶことが大切です。
5年後10年後におおよそトータルでいくらになるのかを加入前に把握しておくとよいでしょう。
ペット保険の補償内容・保険料のバランスを考えながら、飼い主さんにとって無理のないプランを選んでください。
ペット保険選びは、安心できるが負担になりすぎない、というのがポイントです。
飼い主さんの思い描いているペット保険の内容を、一つひとつの保険会社のプランから探しだすのは手間と時間がかかります。
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