今回は介護する側の視点に立って「介護休暇」「介護用品」を探っていこうと思います。
責任感のためにどれだけ頑張ろうと無理をしても、精神的、肉体的な負担が積もれば心と身体は正直に反応します。
電池が切れてしまってからでは遅いのです。
疲れて果てて手遅れになる前に、楽になる手段を講じることが大切です。
決して楽になることがいけないことだとは考えないでください。




ともにラクに楽しくなるように


今まで介護休暇は要介護の家族が1人に対し年5日まで取得できましたが、取得できる単位が半日単位のため、例えば担当のケアマネジャーやヘルパーと短時間で済む簡単な打ち合わせを行う場合などでも半日単位での申請が必要で、用件と休暇取得時間との相性が悪いと指摘されていました。
厚生労働省は環境の変化に柔軟に対応した制度にするため、育児・介護休業法の施行規則を改正し、2021年の1月から介護休暇の取得単位を現行の半日ずつから1時間ずつへ見直すことを決めました。
介護をインフラとして考えたとき、在宅介護する側をケアすることは重要な要素です。
在宅介護する側の疲れが慢性化したまってくると、介護される側共々倒れてしまうことになりかねません。
昨今の介護環境は、一人で背負うのではなく社会全体で支え合うという考え方が盛んになってきています。
在宅介護で悩みや不安、疲れを感じたら、迷わずに対策をとるようにしましょう。


介護休暇・介護休業の要点表



「買う」より「借りる」ほうが賢明

介護用品は日進月歩の勢いでどんどん進化しています。
デザインもおしゃれになり、いかにも介護用品といった仕様ではありません。
要介護度が高い人向けだけではなく、加齢からくる日常のちょっとした不自由さを解決する優れた製品で、外出するのがますます楽しくなるような便利なものがたくさん出回っています。
介護保険のサービスを利用すれば、福祉用具の費用負担を3割以内で抑えることができます。
レンタルしか介護保険の対象になっていない介護用品は、一か月のレンタル料の1割を自己負担することで利用できます。
介護保険の対象がレンタルの場合だけの用具を購入しようとすると全額自己負担となるので気を付けてください。
また、入浴や排泄時に利用するものや利用者の肌に直接触れるものなど衛生面において使いまわしは厳しいと判断される福祉用具はレンタルすることはできず全て購入対象品になります。
レンタルの方が安く抑えられるもの、購入しかできないもの、介護保険サービスの対象外のもの、要介護度によって対象にならないものなど、様々に分かれているので事前に確認することが必要です。


レンタルの仕方

介護保険サービスを適用して介護用品をレンタルする場合は、担当のケアマネージャーに相談して何をレンタルするかを相談して、ケアプランに盛り込んでもらう必要があります。
介護用品がレンタルの場合、介護者の状態に応じて選びなおすことができます。
用具に不都合や不具合が起きた場合は、福祉用具を利用する人の自宅を訪問して定期的なメンテナンスや利用者が問題なく使用できているかなどを確かめてくれる「福祉用具専門相談員」という担当者がいるのでメンテナンスをお願いできます。福祉用具専門相談員は制度上で義務付けられているので、定期的に用具のメンテナンスも行ってくれます。

レンタル時に介護保険が適用できる主な福祉用具一覧

・歩行器・歩行補助つえ
・認知症老人徘徊感知機器
・車いすや車いす付属品
・特殊寝台や特殊寝台付属品
・床ずれ防止用具
・移動用リフト
・体位変換機
・手すり
・スロープ
・自動排泄処理装置

※要介護度によっては介護保険が効かない場合があります。要介護4・5の方はすべて保険が効きます。


レンタル・購入のメリット・デメリット

購入よりもレンタルした方が絶対にお得な介護用品は、車いすと介護ベッドです。
車いすを購入する場合は介護保険が効かないため全額自己負担となり3〜15万円前後の出費が必要になりますが、レンタルの場合は1か月のレンタル料金を1割の自己負担、数百円で済ませることができます。
介護ベッドも車いす同様購入の場合は全額負担、レンタルの場合は1〜3割の自己負担で済み、1か月数百円〜数千円でレンタルできます。
介護用ベッドの種類にもよりますが一般的にはレンタルした方がお得でしょう。
衛生面などの理由で購入以外の方法がない介護用品もありますし、他人が使用していたものを使いたくないという人もいるので、最終的にどちらがいいかは利用者の判断になりますが、出費を抑えて介護対象者に合わせた介護用品を使い替えしていくならレンタルの方がお得ではないでしょうか。
私の場合も最初介護保険サービスを知らずに車いすは購入しました。
想像以上に高額だったため、性能がよさそうでかつ安価なものはないかとネットショップを探し回りました。
3年ほど使用して片輪が壊れてしまったので2台目は買い換えず、ケアマネさんと相談して月額550円でのレンタルに切り替えました。
結果としては母が亡くなった後はスムーズに返却できたし、2台目のレンタルの方が月々の負担金額として平均すると大幅に抑えられました。


レンタルのエチケット

購入したものであればどう使おうと買った者の自由ですが、レンタルになると、いつか返却しなくてはいけないので丁寧に介護用品を扱う必要が出てきます。
一番困ったのは「臭い」です。
母が自力でトイレに行けなくなってからは大人用の紙パンツ型おむつをしていましたが、夏の暑い時期に水分を多く摂取すると、当然出ていく分も増えるので、一番吸収量の多い5回分まで大丈夫というおむつでもズボンや上着のお腹あたりまで尿が漏れることもあり、車いすの座椅子部分にまでも何度か染み出てしまったことがありました。
尿の匂いはなかなかとれないのでとても困りました。
強力なクレンザーで拭くと色落ちしたり破れてしまうのが心配でできません。
何か良い方法はないかと探して見つけたのが 驚異の消臭衣類デオル、超消臭スプレー ヌーラ という商品。
ズボンのお股部分は何度洗濯しても尿の臭いが染みついて取れなかったのですがこれを吹きかけておくと本当に臭いが消えてました。
母がおねしょをしたとき、毎回お布団を丸洗いすることはできないので私はかけ布団と敷布団シーツに直接これを吹きかけていました。仕様は衣類用になってますが鼻をつく臭いが消えてとても助かりました。

まとめ

いかがでしたか。2021年からは介護休暇の取得時間が1時間単位に見直されるので、仕事を持ちながら在宅介護されている方には、今よりも取りやすくなる朗報なのではないでしょうか。
まだ気づいていない介護サービスもたくさんあると思います。
細々とした日常の些細なことがやがて大きなストレスになりかねません。
自分ひとりで抱えず、経済的にも精神的にもできるだけ負担が軽くなるような情報を積極的に集めるようにしてくださいね。

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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似顔絵は、「似顔絵メーカー」で作成しました。