この白い粉はブラッシング時や猫が足で掻いた時にも出てきます。
少しぐらいなら気にせずにいられても、飼い主さんの中にはお悩みの方もいらっしゃるかもしれませんね。
人間と同じで、この白い粉は猫のフケ。
人間にとっては頭だけの問題ですが、猫は全身が毛におおわれているのでフケも全身で発生します。
特に乾燥が気になる時期や季節の変わり目には、出てきやすいので困ってしまいますよね。
フケによって猫ちゃんの皮膚に影響がでる場合もあり、そこから意外な感染症につながってしまう可能性もあります。
今回はなぜフケが発生するのか、出てきたときに飼い主がどうお手入れすればよいのかをお話しします。
ぜひ参考にしてみてください。
それだけなら病気ではないのですが、ストレスや体調不良でフケを作り出すサイクルが異常になることがあります。
猫の皮膚からは乾燥しないように皮脂腺から脂分が分泌されていますが、分泌量が過剰になり肌に刺激を与えるようになると、古い皮膚がはがれやすくなって大量のフケを発生させることになります。
フケが出ていても猫ちゃん自身が気にしていないのならよいのですが、いつもより毛づくろいが激しくしつこい様子だとか痒がっているように見えたら、皮脂分泌の異常で炎症を起こしている可能性があります。
ほおっておくと毛をむしり取ってしまい脱毛してしまうこともあるので、猫ちゃんの様子には注視してあげてください。
・空気が乾燥している
・病気・感染症をもっている
・高齢のため
・体質的にフケが多い猫ちゃんである
・栄養不足
・ストレスを感じている
フケの病気で怖いのは白癬です。
白癬は人間でいう「水虫」で、皮膚糸状菌というカビによって生ずる感染症です。
猫ちゃんが傷つけたかみ傷やひっかき傷にカビが侵入して皮膚の外皮を攻撃し、抜け毛や脱毛、皮膚の腫れなどが生じます。
この病気は感染力が強いため、多頭飼いだと広がっていく可能性があります。
飼い主さんは見つけたらなるべく早めに獣医師に診てもらってください。
また、栄養不足でフケが出てくることもあります。これは与えている食事に、皮膚の健康を保つ栄養素が欠けている場合に起こります。
猫ちゃんの皮膚再生リサイクルの過程では、毎日摂取したたんぱく質の最大3割程度が消費されます。
ですから猫ちゃんに与える食事は、高たんぱくで消化の良いものであることが必要です。
人間と同じで、栄養バランスのよい食事が大切なのです。
そういえば昭和のころは、猫の食事といえば文字通り「ねこまんま」でしたよね。
一般的に
東日本のねこまんま→「ごはんに鰹節」
西日本のねこまんま→「ごはんにみそ汁」
ってこと知ってましたか?
共通しているのはどっちのねこまんまも、圧倒的にたんぱく質が足りないこと。
しかも味噌汁のように塩分の多い食事を続けていると人間と違って汗をかかない猫には必要以上のナトリウムを摂取することになり、心臓病や腎臓病の原因になります。
最近の飼い猫ちゃんの平均寿命は15年と言われています。
うちの子(先代)は19歳9か月まで長生きしてくれました。
飼い主のケアと猫ちゃん自身が持っている生命力で、20年以上元気でいる子たちも多いようです。
しかし野良猫は、空腹から口にできるものは何でも食べ、不衛生な水を飲んでしまうことでおよそ3〜5年程度の寿命だと認識されています。
寿命には食事の内容が大きく反映されていることがうなずけます。
さて閑話休題。フケのお話に戻りましょう。
病気ではないけれど猫ちゃんのフケが目立ってくると、清潔好きな飼い主さんは猫ちゃんをきれいにシャンプーしたくなりますよね。
気持ちはわかるのですが、猫は元々基本的にシャンプーが必要な動物ではありません。
猫ちゃんにとってはシャンプーもストレスになり、フケの発生に影響を与える原因になります。
シャンプーのいい香りとフワフワの手触りで抱き心地が良くなるし、しょっちゅうやりたくなる気持ちはわかりますが、グルーミングで舌が届かないところに皮脂や汚れがたまってくるのを手助けする、年に1〜2回程度にしておくのがよいでしょう。
また、シャンプーするときは猫専用シャンプーを使うようにしましょう。
猫の肌は人間よりも酸性度が高く、人間用のシャンプーは皮膚に過度な刺激を与えてしまうので使用は避けてください。
シャンプーのあとはすすぎ残しのないようにすること。
洗った後はしっかり乾かすことを忘れずに。
濡れたままにしておくとかびが発生する原因になるので、しっかりタオルドライをして水分を取ることが大切です。
長時間のドライヤーは乾燥の原因になるのであてすぎないようにしましょう。
水が苦手な猫ちゃんには、すすぎのいらないドライシャンプーやふき取り専用のシートタイプもあるので、ストレスのないボディケアをしてあげてくださいね。
まとめ
普段、猫のフケ対策は難しいことではありません。
フケの原因はさまざまなので、飼い主さんだけで判断せずに、気になるときは獣医師に相談してまず病気かどうか診てもらいましょう。
病気ではなく単なる多めのフケの場合でも、いろいろな対策やアドバイスを教えてもらえます。
特に乾燥しがちな季節は、大切な猫ちゃんのために参考にしてもらえたらうれしいです。