そんなときは「ちょっとの工夫」をすることで驚くほどスッキリと悪癖が治ってしまうのです。
認知行動療法を専門とし、自身もADHD特性のある臨床心理士、中島美鈴氏著書『仕事も人生も、これでうまく回る!不器用解決事典』より「すべての不器用さん」が人生ラクになる方法をご紹介します。
漫画を朝方まで読み続けてしまうと、寝不足になりつらい思いをします。
一旦漫画に夢中になると、続きが気になってやめられなくなり、時間を忘れてしまうのです。
さっさと寝たほうがいいのはわかっていますが、多くの方はついつい止まらなくなってしまうのではないでしょうか。
漫画だけでなくゲームや連続ドラマなどは、途中でやめられなくなるような工夫が満載の魅力的なコンテンツです。
そんな強敵に抵抗して戦うのは誰でも難しいのです。
周りから「気合いでやめることができるでしょ!」と言われるかもしれませんが、それは過信や勘違いというもので、気合でやめることができる方は多くありません。
気合が通じない代わりに、私たちは「読み始める時間」はコントロールできます。
多くの方は、眠くなったらそのまま眠れるように、布団の中で漫画を読むのをスタートさせていませんか。
夜の時間は不思議なもので、翌朝まで無限に自由な時間があるような錯覚を抱かせます。
この時間の経過に関する体感は小脳が司っているのですが、日中使い続けた夜の疲れた脳が、正確に時を刻めなくなるのも理解できる気がします。
本来夜は「寝る時間」なのですが、日中に比べて何かすべき作業があったり、すぐに約束の時間が迫っているわけでもない、空白の時間ともいえるのです。
また、漫画という誘惑に対して本来なら脳がブレーキをかけてくれるのですが、疲れた脳はうまく働いてくれません。
だからこそ、「絶対に漫画より優先せざるを得ない予定がない」ともいえ、やめにくいのです。
解決策としては、読み始める時間をコントロールすることに尽きます。
まず、1日のうちで、どうしても遅らせることのできない用事を見つけましょう。
乗り遅れるとまずい電車やバス、15時には閉まってしまう銀行窓口、遅刻を繰り返してレッドカードが出ている出社時刻、人との待ち合わせ、定刻にお迎えに行かないと延長になってしまう保育園などがそうです。
こうした時間帯から逆算して◯分前(漫画やゲームをしてもいいなと思う時間でたとえば30分間など)の時間から漫画やゲームなどを始める習慣をスタートさせるのです。
もちろん遅れてはいけない用事にとりかかる時間に気づくことができるように、スマホのアプリなどを使ってアラームが鳴るようにしておきます。
例えばバス通勤で往復40分使う場合、出勤時にバスの中でのみ漫画を読むようにすれば、行きと帰りで合計40分間読むことができます。
降りる予定のバスの到着時刻にアラームをかけておけば、間違いなく目的のバス停で降りるときに読むのを止めることができます。
夜に布団の中で読む心地よさにはかないませんが、漫画を次々に読んで止まらなくなるということにはならずに済むはずです。
日中に漫画を読むという楽しみを味わえることで、寝床にスマホを持っていかなくてもよくなり、夜更かしが減り、翌日もすっきり起きられるようになるでしょう。
健康診断でお酒を減らすよう指導されましたが、晩酌がやめられない方も多いのではないでしょうか。
飲む前はいつも「この1本でやめよう」と思うのに、飲み始めると「もうちょっとだけ」と物足りなさからついつい2本目、3本目と手が伸び、妻からも小言を言われる始末。
自分の意志の弱さに困っていませんか。
人間の行動には大きく分けて4つの理由があると言われています。
飲酒を例にすると、1つ目は「物や活動が得られる」ことです。
この場合では物=お酒で、活動は晩酌という時間を過ごす場合です。
たとえば、喉が渇いているからお酒を飲んだり、おいしいつまみを楽しんだりすることが該当します。
2つ目は「社会的注目を得る」ことです。
お酒に強いと自慢できたり、お酒を介してつきあいが深まったりする場合です。
3つ目は「逃避や回避ができる」ことです。
酔ってしまえば嫌なことを忘れられるという理由です。
4つ目は「身体的感覚」です。
酔っ払ってほわっと脱力する感覚を楽しむことが該当します。
お酒を飲む理由が3つ目の逃避や回避の場合、例えば職場の苦手な上司と会議で同席する水曜日になると、仕事のストレスが高まり、酒量が増えるという具合です。
解決策は、自分にとっての飲酒のメリットを見直すことです。
自分にとってお酒を飲むメリットは何かに注目し、本当は何を求めているのかを分析するとよいでしょう。
そして、やめたい行動を減らすために、その行動の理由を満たすような別の行動(代替行動)を増やして置き換えていくことが効果的です。
具体的には、職場の苦手な上司と同席する水曜日には仕事のストレスが高まり、そのためお酒の量が増えているなら、つまり、ストレスを解消できるのがお酒を飲むメリットだったのであれば、水曜日に仕事のストレスを吐き出したり、解消したりするための別の行動を試みてください。
水曜日の夜にお酒を飲む替わりにゴルフの練習場に通うなどは良い代替え案です。
体を動かすことでストレスを発散するのにも適しています。
いつも通りに自宅に戻ると、グラスやおつまみ、食卓など晩酌を思い出すトリガーが多く誘惑に負けてしまうかもしれませんが、ゴルフ練習場には飲酒につながるきっかけはないので、思い出すことがないのです。
また、運動した帰宅後に妻にその日の仕事の話を聞いてもらうことで、言葉でストレスを表現し、共感を得ることで心の負担を軽くすることができるでしょう。
これでお酒に頼ることなくストレス解消に成功できるかもしれません。
このような代替行動を取り入れることで、自然とお酒の量は減っていくと思われます。
お酒に頼ることなくストレスを解消する方法を見つけたことで、生活がより健康的になりそうですね。
さらに、代替え案としてのゴルフ練習は体力や技術の向上にもつながり、一石二鳥の効果を得ることもできそうです。
やめたい行動を減らすために代替行動を取り入れるのは非常に有効です。
そのためにも、まずはやめたい行動の奥に隠されている自分にとってのメリットに気づくことが大切です。
まとめ
ご紹介したように、夢中になるコンテンツを始める時間とやめる時間を自分でコントロールできるところに当てはめれば、もうちょっとやりたいと思っても、強制的に辞めざるを得なくなります。
ついつい飲み過ぎてしまう方も、ストレス発散の代替え案を見つけてお酒に頼ることなく解消できれば、自然に狩猟は減っていくと思います。
自分に合った方法で、抜け出せない悪癖とオサラバしましょう。