ただ猫は自身では歯を磨くことができないので、飼い主さんがやってあげないといけません。
でも、成猫になってしまってから歯磨きを覚えてもらうのは大変です。
出来れば子猫のうちから習慣づけておくほうがよいでしょう。
歯磨きがおろそかになると、人間と同じように歯槽膿漏や歯肉炎、歯周病にかかりやすくなります。
今回は、猫の歯磨きについてご紹介します。

猫は虫歯になりにくい動物だと言われていますが、その一方で、歯石ができやすい動物です。
その理由としては、猫の口腔内がアルカリ性のため、歯垢が石灰化し歯石になるまでの時間が短いためです。
人間の場合は、歯垢が付着してから歯石に変わるまでは10日~2週間ほどの時間を要しますが、猫の場合は1週間ほどで歯石になってしまいます。
しかも歯石が付着すると歯の表面がザラザラになり、さらに歯垢が付着しやすくなるという悪循環におちいります。
歯石を防ぐためには、歯垢を溜めないようにするのが大切です。
そのためには、やはり毎日の歯磨きが推奨されています。
歯磨きが難しい猫でも2~3日に1回は歯磨きをおこない、石灰化するまえに歯垢を取り除くようにしましょう。
2.歯周病になる
猫の歯磨きを怠っていると、歯周病を引き起こすことが知られています。
歯周病は、歯垢や歯石の中にいる細菌が原因となり、歯肉に炎症を起こす病気です。
3歳以上の猫の80%が歯周病を患っているとも言われており、特に珍しい病気ではありません。
歯周病にかかると、口臭がきつくなり、歯肉の赤みや腫れが見られるようになります。
また、よだれの量が多くなったり、口を触られるのを嫌がるようになったりします。
重症化すると痛みでご飯が食べられなくなったり、歯槽骨が溶ける、歯が抜ける、下あごを骨折してしまう、鼻炎や鼻出血など鼻腔疾患になる、ということもあります。
歯周病を予防するためには、毎日の歯磨きが重要です。
またできればかかりつけの動物病院で年に1回は歯科検診をおこなうようにしましょう。
3.内臓疾患など全身に影響をおよぼす
歯磨きと内臓疾患にどんな関係があるの?と思うかもしれませんが、実はとても深い関係があります。
より正確にいうと、歯周病がきっかけになって内臓疾患を引き起こす可能性があるのです。
歯周病を放置していると、歯周病菌が血液とともに体中に運ばれて、腎臓、肝臓、心臓などの臓器に悪影響を与えると言われています。
また慢性腎臓病と歯周病はお互いにそれぞれの状態を悪化させることが分かっています。
これらの内臓疾患以外にも、顔が腫れたり、目の下に穴が開いたり、鼻腔疾患に発展したりといった症状があらわれることもあります。

猫の健康を守るためには歯磨きが大切だということはわかっていても、簡単にはやらせてくれません。
特に成猫になってから歯磨きを始めようとしても、嫌がられるだけですし、逆効果になってしまう場合もあります。
無理なときは、強引に歯磨きをするよりも、以下のようなアイテムを利用する方法を検討してみましょう。
・舐めるだけでOKな口腔内ケア用ジェル
・飲み水に混ぜる口腔内ケア用リキッド
・デンタルケア用のおやつ
・デンタルケア用のキャットフード
・歯磨き効果が期待できるおもちゃ
それぞれ使い方も効果も異なりますので、飼い主さんと猫にとって無理のない方法を選ぶようにしてくださいね。
とはいえ、効果としてはやはり歯ブラシを使った歯磨きには劣ります。
同時に歯ブラシでの歯磨きができるように練習をおこなうのが良いでしょう。
難しい場合は獣医師に相談するのがおすすめです。
歯周病が重篤化し、全身に影響する前に予防や治療に取り組めるようにしましょう。
まとめ
しかし口腔内の衛生環境が悪化することで、歯だけではなくさまざまな病気の原因になってしまう可能性があります。
その中には、命にかかわるような病気もあります。
また歯周病を患うと、生活の質にも悪影響を及ぼします。
お口の健康を守ることは、長生きの秘訣と言っても過言ではありません。
愛猫のためにも子猫のうちから歯磨きに慣らし、お口の健康管理を徹底しましょう。