指導の中で見出した、名選手の共通点とは何なのか。
今回は、佐々木洋監督の経験から得た「何をやってもツイてる人、空回りする人の4つの差」について、ご紹介したいと思います。

佐々木監督が運気を上げるために気をつけていることが4つあるそうなのですが、そのうち一番大事なのが「言葉」だそう。
試合中、相手や審判を野次ったり悪口を言った瞬間に一気に運気は下がって、必ず次の回に点を取られたりする。
エースの菊池雄星投手が背中を痛めて途中降板し、8回が終わって4対6。花巻東はここまでかと思われましたが、佐々木監督は9回表の攻撃に移る前、選手たちには「まだ2点差しかないぞ」と言ったのだそうです。
言葉はどう使っても自由なので「5点差じゃない、まだ2点差なんだぞ」と。
そうしたら、9回に2点入れて延長まで持ち込んだのです。
10回の表、佐藤涼平という選手がバントで1塁ランナーを2塁へ送った時、全力疾走でファーストに駆け込んだものだから向こうの選手と激突して倒れ込んでしまいました。
(佐藤選手はピクリとも動かず担架で運ばれていったため、誰もが彼は次の守備にはつけないと思っていた。だが10回裏、佐藤選手がまたニコニコ笑いながら全力疾走で守備に走っていく。その瞬間、会場が「ウオー」っとどよめいた)
あれには佐々木監督も鳥肌が経ったそう。
もう敵味方なく、この球場は花巻東のためにあるんじゃないかと思うような拍手で、甲子園にいる魔物ってこれかと。
この試合は勝てると確信した出来事だったそうです。
もし、彼が倒れた時にファーストの選手をにらんだり、文句を言ったり、あるいは監督が審判に激しく抗議したりしていたら、あれほど観客を味方につけることはできなかった。
やはりいかなる場面でも愚痴や毒を吐かないということが、運気を下げない大切なポイントだとおっしゃっています。

監督はずっと周囲から「菊池を獲得できて運がいい」とか「棚ボタで選抜に出て準優勝した」とか「おまえは運がいい、運がいい」と言われ続けているのだそうです。
。 そんな時に以前なら「俺だって努力しているんだ」とムッとして裸子のですが、最近、運というのは運をつかむために自らをコントロールしている人のもとにしか来ないんだなと分かって、素直に喜べるようになったのだとか。
では何をコントロールしているかというと、1つは先ほどの言葉で、2つ目は一緒にいる人。
親は選べませんが、友人は選べます。
自分の意思で誰にでも会いに行って刺激を受けることができるわけです。
3つ目が表情、態度、姿勢、身だしなみ。
2つ目にも通じますが、チャラチャラした格好をしている子はやはりそういう友達と一緒にいます。
また野球でも逆転されてシュンとしたり、点を入れて大騒ぎしているチームにはあまり脅威を感じないのだとか。
逆に負けている時に笑顔でファイティングポーズとかが出るチームって怖いなと感じる。
特に監督が不安になったりすると一瞬でチーム全体に伝染しますから、表情、態度のコントロールは常に心掛けているそうです。
そして最後はやっぱり感謝と謙虚さ。
とにかく敵をつくらず、味方をつくることが運を呼び込んでくるとおっしゃっています。
例えば、花巻東高校では宿泊したホテルから帰る時はすごくきれいに掃除させるといいます。
甲子園の時もホテルの方が「花巻東の使った後はベッドメイクが要らないくらいきれいにしてくれた」と喜ばれまして、ホテルの人たちが球場までわざわざ応援に来てくれたりしたそうです。
例えば菊池雄星選手はゴミが落ちているのを見ると「神様が自分を試している」と思うと話していて、いつもそうやって神様が自分を見ていると思っているらしいのです。
態度が横柄だったり、悪口ばっかり言っているチームなら、人がどんどん遠ざかっていきます。
謙虚にしていると味方が増え、その人たちに感謝の気持ちを伝えると、さらに応援してくれるようになる。
何をやってもツイている人と、何をやっても空回りする人の差はこの4つではないかとのこと。

まとめ
そして、感謝すること。
謙虚であること。
いつも、いつまでも大切にしたいことですね。