それだけでなく、記憶力などの能力も若い時に比べると衰えてくることは明らかです。
しかし、このままずるずると衰えるがままになっているのはちょっと悔しい。
そこで今回は、脳の老化を防ぐのに効果があるとされる前頭葉の鍛え方をご紹介したいと思います。

前頭葉は、脳の前側の部分に位置し、大脳の3分の1を占めています。
運動、言語、記憶、感情など生活する上で欠く事ができない様々な活動の中心的役割を担う部分です。
具体的には、
・ことばを発する
・物事をこなしていく中で必要な記憶を出し入れする
・感情のコントロール
・計画の立案、実行
・物事を判断する
・集中力を維持する
・自ら進んで、体を動かしたり、コミュニケーションをとったりする
などです。
様々な働きを担っている前頭葉ですが、脳の中では加齢とともに最も早くから衰え始める場所と言われており、そのピークはなんと20代!
その後は、歳を重ねるごとに徐々に働きが悪くなっていき、60歳を過ぎる頃には、物忘れや集中力の低下、イライラややる気の低下などを自覚するようになります。
私自身の感覚からも、同意せざるを得ないです。
そうなるのも年を取れば仕方ないんじゃ…と思う方もおられるかもしれませんが、2023年に厚生労働省が発表した高齢社会白書によると、男性では60代前半では8割強の方が働いておられ、60代後半で約6割、70代前半に入っても約4割が何らかの仕事をしているという結果が示されています。
そして、女性も60代前半では働いている人は約6割(私自身もこの中に入ってます)、60代後半でも約4割の方が働いておられます。
つまり、今や60代70代は、まだまだ現役お仕事世代と言えるのであって、前頭葉の働きが衰え続けるのは困るのです。

最も早くから老化が起こり始め、働きが衰えていく前頭葉ですが、少しでも老化を遅らせ、物忘れや集中力の低下などが起こりにくくするためには、どうすれば良いのでしょう。
それはやはり、ただ放置しておくのではなく積極的に前頭葉の機能を維持するために鍛えることです。
日常生活で前頭葉に刺激を与え鍛える方法についてご紹介しましょう。
1.散歩するなら、毎日違うコースを選んで
健康維持のために、散歩を日課にして、取り組んでいる方は、沢山おられるかと思いますが、前頭葉は好奇心旺盛で新しいものが好きです。
そのため、いつも同じコースを散歩していると前頭葉は刺激されず、鍛えることができません。
そこで、一工夫して、散歩のコースを毎日変えてみましょう。
毎日変えるのが難しい場合は、週ごとにコースを変えてみてもよいでしょう。
昨日とは違うコースを散歩することで、前頭葉が刺激され、年齢による脳機能低下を緩やかにしてくれます。
2.週に1度は、いつもと違うことをする
毎日の生活リズムは、基本的にそう大きく変化することはないと思います。
朝から夜までの自分の生活を振り返ると、だいたい同じリズムでこなしていませんか。
そのいつも同じリズムが、前頭葉にとっては、容易いことになり、なんの刺激にもなりません。
そこで、ヒントとして、例えば、週1回日曜日の歯磨きだけは、利き手ではないほうの手を使ってしてみてください。
日ごろ利き手と反対の手で歯磨きしている人は、逆に週1回は利き手での歯磨きにしましょう。
朝の食事はどうでしょうか。
毎朝、パン食の方は、ずっとパン食。ご飯食の方は、毎日ご飯ではないでしょうか。
それを一年中繰り返していては、前頭葉の半分以上の細胞が働く必要がないために退屈で衰えてしまいます。
前頭葉の細胞が衰えないように、時々は、パン食の方はご飯。ご飯食の方はパンを食べてみましょう!
他にも、定期的にシリアルにかえたり、フルーツにかえたりと、いつもと違う行動をおこすことで、前頭葉を刺激し、活性化させ、脳機能の維持に繋がります。
3.若い頃のアルバムをみて、ワクワク体験
若い頃のアルバムを見ると、懐かしいと同時に楽しい気持ちになりませんか?
それは、若い頃の思い出によって脳内のドーパミン分泌を盛んにし、気持ちを高め、楽しい気持ちにさせているからです。
このドーパミンと呼ばれる物質は、前頭葉の働く上で最も重要な神経伝達物質といわれています。
ドーパミンは、歳を取ると減少するため、分泌を促すことで、前頭葉の働きをよくすることができ、記憶力や集中力などの脳機能の向上につながるので、時々、古いアルバムを出してきて思い出を振り返ってみてくださいね。

まとめ
なので、前頭葉の機能低下が日常生活や社会生活に及ぼす影響は計り知れません。
60代70代になっても、まだまだ現役でバリバリと動きたいと思われているのでしたら、日頃から前頭葉を鍛えて、働きを強化しておくことは非常に大切です。
ぜひ前頭葉の働きを良くする方法を実行して、歳を重ねることで起こる物忘れや集中力の低下、感情の不安定さ、言葉の出にくさ等が少しでも軽くなるように生活を工夫してみてください。