ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)は、生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」のことを指し、「Highly Sensitive Person」の頭文字をとって「HSP(エイチ・エス・ピー」と呼ばれます。
HSPの性質は、環境や性格など後天的なものではなく、先天的に生まれ持った性質であることがわかっています。
統計的には人口の15%~20%。約5人に1人があてはまり、稀ではありませんが、逆に約8割の人はこの性質ではないため、HSPの特性に共感することが難しく、HSPでない人たちに自己嫌悪を感じたり、無理にまわりに合わせて生きづらさを感じやすいといえます。
私自身にもHSPの特性が多少あるようで、短納期やマルチタスクな仕事は苦手ですし、ちょっとしたことでも周囲の反応以上に驚いてしまい、私の驚いた声で周囲が引いてしまうことが度々あります。
今回はHSPという性質を持つ人たちについてみていきたいと思います。




HSPの特性



1.深く情報を処理する


場や人の空気を深く読み取る能力に優れているが、情報を読み取りすぎて必要以上に疲れてしまう。




2.過剰な刺激を受けやすい


外部からの刺激に敏感なため、五感で受けとるあらゆる刺激に対して過度に反応する傾向がある。
さらに、相手の感情やその場の空気を読みすぎたり、気候の変化や人が発する目に見えないエネルギーに対しても敏感に反応しやすい。




3.共感しやすい


親や周囲の人の感情を読み取り、それに自分を合わせるのも特徴の一つ。
また小説やドラマなどの作品を読んだり観たりすると強く感情移入してしまうことも。




4.心の境界線が薄い・もろい


心の境界線とは、自分のテリトリーもしくは自分が自分であるための防壁のようなもの。
HSPの人はこの防壁が薄くてもろいため、簡単に相手からの影響を受けてしまう。
そのため、人の気持ちを敏感に感じ取り、深く共感する一方で、相手に対して過剰に同調したり、相手の気分や考えに引きずられるなど、本音がわからずに自分を見失ってしまうことも。




5.疲れやすい


HSPの人は刺激に敏感なために、疲れやすいという特徴を持つ。
いつも周りに気を遣っているため、楽しいことをしても疲れてしまう傾向がある。
疲れやすいのは「何かをしている」時に限らない。
普段から無意識に周りの刺激を拾い集めているため、人混みのなかや、周囲のネガティブな感情に巻き込まれている時にも自分のエネルギーを大きく消耗してしまう。




6.自己否定が強い


HSPの人はその繊細さから、対人関係において余り相手を責めることがない。
良心的で優しく、相手のことを優先する傾向がある半面、相手のことを気にするあまりに些細なことで自分を責めてしまう傾向が。
ネガティブ思考で自信がないため、周囲から怒りの標的にされることも。
自分の本音を見せないため、人との関わりが苦手という特徴がある。




HSPの人は、そうでない人よりも感度の高いアンテナを常に張っている状態だと言えます。
この感度のいいアンテナは、何気ない小さな仕草や言動で相手の気持ちを汲み取ることができたり、色々なものに深く感動できたりしますが、様々なことを敏感に感じ取り過ぎてストレスの要因にもなるのです。
日本人はその国民性から、HSPの割合が海外の人より比較的高いと言われています。




HSPの人との向き合い方



◇ ◇ ◇


HSPは生まれ持った性質で、人口の約2割の方がこの特徴をもっているとされていますが、残り8割の方にはあてはまらないということです。

それゆえに、生活のあらゆる場面で、辛かったり悲しかったりという思いをすることが多々あり、強い生きづらさを感じてしまうこともあります。




いろいろなことに耐えられないのは自分の努力が足りないからだ、みんな同じ環境で頑張っているのに、耐えられない自分は甘えているのだと落ち込んでしまうのです。

その状況が長く続くと、さらに別の様々な症状が現れることも考えられます。




HSPの人が今まで耐えられなかったこと、受け入れられなかったことを正しく知る事で、自分を受け入れられ、豊かな人生へと変えていけるのではないでしょうか。




そもそも感じていた刺激量が、HSPでない人とはかなりの差があることを知り、甘えているのでも、感覚がおかしいのでもないと理解すれば、自分は人より劣っているとか、生きている価値のない存在なのだと自分を責め続けることもなくなり、考え方を前向きに変えていくことが出来るようになります。




なぜこんなに生きづらいのかと悩んでいるのであれば、カウンセリングなどを受け、あなたが普段困っていること、それがHSPが原因なのか?それとも生い立ちや、性格、環境等によるものなのか?などをいろいろな観点から判断してもらうことが大切です。

そのうえであなたの人生の引っ掛かりとなるものが何があるのかを洗い出すことで、それらの症状を改善していくことができるかもしれません。




HSPのセルフチェック



◇ ◇ ◇


HSPはセルフチェックで、自分がその傾向にあるかどうかをある程度、確認することができます。
以下の質問に、少しでも当てはまればる項目にチェックを入れてください。


【HSPセルフチェック】

1. 他人の気分に左右される
2. いろんな人の配慮が先に出てきてしまい強く意見を出すべき時に言えない
3. 仕事で競争させられたり、監視されていると、緊張して実力を発揮できない
4. 自分の意見のニュアンスをきちんと伝えるのに苦労する
5. 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づく
6. 痛みにとても敏感である
7. カフェインに敏感に反応する
8. 明るい光や強い匂い、ざらざらした布地などに敏感に反応する
9. 豊かな想像力を持ち、空想にふけりやすい
10. 騒音に悩まされやすい
11. 美術や音楽に深く心動かされる
12. とても良心的である
13. すぐにびっくりする(仰天する)
14. 短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
15. 一度にたくさんのことを頼まれるがイヤだ
16. ミスをしたり、物を忘れたりしないようにいつも気をつける
17. 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
18. もたくさんのことが自分のまわりで同時に起きると、不快で神経が高ぶる
19. 空腹になると、集中できないまたは気分が悪くなる
20. 生活に変化があると混乱する
21. デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
22. 普段の生活で動揺するような状況を避けることを最優先にしている
23. 幼少期、親や先生に「デリケート、ナイーブな子」と言われた



質問のうち12個以上に該当した場合は、HSPの気質があると思われます。
また当てはまるものが多いほど、HSPの度合いも高くなります。
逆にチェックの数がひとつかふたつしかなくても、その度合いが極端に強い場合は、HSPの気質があるとされます。






まとめ

社会は多数派に合わせるようにできています。
利き手は、典型的な右利き社会なので、道具や設備は右利きの人に合わせて作られ、駅の自動改札や、自動販売機、ハサミなども利き手が右の人用になっています。
左利きの人からするとストレスを感じることは数多くありますし、中には小さい頃、親から左利きを右利きに矯正させられた経験を持つ方もおられると思います。
多数派・少数派に分かれた場合は、多数派の方に合わせるため、少数派の人は苦しい思いをします。
ただ、利き手の場合は目に見てわかるので、左利きの人にストレスがかかるのを理解できますし、周りからも理解してもらえます。
それに比べると、HSPの人は特徴が目に見えません。
本人の内面の感じ方の違いであり、他者にはわからず、程度や表れ方も人それぞれなので、周囲も本人も認識するのが難しいと言えます。
HSPの人は利き手で例えると少数派の「左利き」にもかかわらず、それがわからず頑張って「右利き」であろうとするため、無理が生じて、結果として自分に自信をなくしたり、生きづらさを感じたりしてしまうのです。

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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