読書が知識を広げるために有効であることはよく知られていますが、読書を続けることで、他にも脳のつながりが強化され、記憶力や集中力が向上するという効果もあります。
さらには、長生きにもつながるという説も。
読書によって、ストレスレベルを低下させ、加齢による認知力の低下を防ぐことにもつながります。
今回は、読書がもたらしてくれる5つの健康効果と、もっと読書をするためのヒントをご紹介します。




読書がもたらす5つの健康上の効果



1.脳のつながりを強化


読書は脳内の異なる分野間の新しいつながりを促進します。

2013年のある研究では、小説を読むことにより脳の言語処理を司る分野間でコミュニケーションが増えることが分かりました。
感覚情報を処理する体性感覚野にも長期的な変化をもたらします。

アメリカのニューヨークにあるレノックス・ヒル病院の臨床心理士サブリナ・ロマノフ(Sabrina Romanoff)氏は、読書が脳内でニューロンを作っていると説明します。
ニューロンとは、「神経発生」と呼ばれるプロセスで、脳内の異なる分野間でメッセージをやり取りし、情報を伝達する細胞です。
読書と言う行為は、思考、考察、読解力を必要とするため、脳内における新たなニューロンの発生につながるのだそう。
こうして発生したニューロンが、さらに新たなニューロン結合を増やし、脳内での処理スピードを加速させます。




2.加齢による認知力の低下を防ぐ


認知力の中には、学習したり、記憶したり、判断をする能力が含まれます。
注意力と記憶力は、年齢による影響を最も受けやすい認知機能です。
なので世の科学者たちは、読書する行為によって加齢による認知力の低下を食い止め、認知機能を守ると考えています。

2020年に発表された14年間に及ぶ研究では、週に1回以上読書をする人は認知力が低下する可能性が低いことが分かりました。
頻繁に読書をする高齢者はそうでない高齢者を比較研究した際に、14年後、頻繁に読書をする高齢者は認知力が低下するリスクが減っていたと言います。

中国で行われた2018年の大規模な研究では、65歳以上の人々を5年間追跡し、読書などの知的活動への参加が、数年後の認知症リスクの低下と関係していることも分かりました。
この結果から、読書は認知症を発症するリスクの低下にもつながると判断できるようです。




3.ストレスレベルを低下させる


これまでの研究で、30分間の読書がストレスの身体的、精神的サインを減少させることが分かっています。

2009年の大学生を対象とした研究では、ヨガ、ユーモラスな動画、読書の3種類を比較して、ストレスレベルに与える影響を比較しました。
その結果、30分間本を読んだ学生の心拍数や血圧といったストレスマーカーが、読書を始める前に比べて低下したことが分かり、ストレス調査でもスコア結果が下がりました。

同研究では、「ニュートラルな」読み物や強い感情を引き起こさないものは人をリラックスさせ、交感神経の緊張を鎮めると結論付けています。
ただ、本を読むことが誰にとってもリラックスできることとは限らないため、好みの小説や短編作品、その他の興味を持てる読み物を選ぶのが良いでしょう。




4.長生きにつながる


読書は脳の健康に良いだけでなく、長生きにもつながります。

2017年に発表された12年間に及ぶ大規模な研究では、読書をする人の死亡リスクは読書をしない人に比べて20%低いことが分かりました。
読書をするだけで寿命が延びるわけではないですが、読書は一般的に、健康的なライフスタイルと深く関わっていて、早すぎる死のリスクを低下させる可能性があるようです。




5.記憶力と集中力の向上


脳は筋肉ではありませんが、エクササイズすることで恩恵を受けられます。

ウエイトリフティングが身体を強くするように、読書はわたしたちの記憶力や集中力を鍛えるための、努力を要するプロセスなのです。

読書をする時、人は書かれたテキストから「心象地図」を作ります。
この心象地図が読んだ言葉の処理を助け、知識や記憶を思い出す役に立ちます。
ロマノフ氏は、定期的な読書というルーティンが精神機能の「訓練」に役立つと言います。




読書を習慣づけるには



◇ ◇ ◇


栄養精神科医で、マサチューセッツ総合病院の栄養・生活習慣精神科の責任者ウマ・ナイドー(Uma Naidoo)氏は、読書量をもっと増やすために最も簡単な方法は、日々の生活にスケジュールとして組み込むことだと話しています。

生活の中で、どのように食べ、眠り、運動をするかといった脳の健康を増進する他の活動と同じように、読書のためのスペースを作るのです。
確実に読書をするために、例えばベッドに入る前や午後の休憩中の30分または1時間を確保しておくと良いでしょう。

読書を習慣づけるには、毎日、通勤時でもベッドに入る前でも、本を手に取る時間を確実に決めることです。
写真集、詩集、回顧録、新聞……などなど、読書は生涯にわたってあなたの健康に強力な恩恵をもたらす習慣になるでしょう。





まとめ

読書は身につくまでには時間がかかるようです。
もっと読書をするために、

「旅行や通勤に本を持ち歩く」
「毎朝、新聞を読む」
「自分が知りたいテーマ、関心のあるテーマに関する本を読む」
「映画版を観る前に原作を読む」

といったことも参考にしてみましょう。

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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似顔絵は、「似顔絵メーカー」で作成しました。