年齢を重ねた女性は外面の美ではなく内面の美を目指しましょうといわれます。
でもいくら内面が美しくても、それは外からは見えませんよね。
まず目に入るのは外面ですから、他人は外面から評価を始めます。
だから外面がきれいな人は好感を持たれ、有利だけれど、外面が平凡な女性は損をする、女優やタレントだけでなく、政治家だって、経営者だって、アスリートだって、科学者だって美人なら注目され成功するじゃないか、となるのです。
特に歳を重ねると、見た目が生き生きしてきれいな人はまだ若くて活力があると思われ、いろんなお声もかかりますが、肌が衰えて小じわやシミが目立ち、ぜい肉がついてくるといろんな意味で「終わった人」とみなされ軽んじられます。
女子大生に、女性が自信を持つリーダーシップを身につけるためにはどうすればよいか、と尋ねたところ「メイクアップが上手にできることだ」と答えるグループがいるほど若い時は外見の見た目が大切なのです。
プレゼン能力や責任感よりメイクがうまいほうが、男性から好かれるだけでなく、自分に自信を持つためにもメイクアップ技術はリーダーシップに必要な能力として重要だと思っているということです。
どんなに時代が変わっても、若い時期は外見が美しければ自信を持てる、人生がうまくいくと思いがちなのは変わりません。
実は若いときはだれでも生き生きとした若さの生命力で輝いていますが、歳を重ねた50代以降のほうが外見によって自信が左右され、社会の評価も上下します。
歳を重ねていても肌の手入れをし、好感の持てるメイクをし、きちんと身なりを整えている女性は軽んじられません。
そにために派手に化粧する必要はなく、美人である必要もありませんが、自分を見捨てずに丁寧に大事にしていることが大切なのです。
「美人は3日見れば飽きる、醜女は3日見れば慣れる」ということわざがあります。
ひどい言い方ですが、やはり最初の印象は外見で大きく左右されるものの、付き合っていると外見より内面の理解が深まることを表しています。
一緒に仕事をしたり、交流するうちに内面の美がじわじわと伝わり、最初の見た目の印象に左右されずに、知性や美しい心の持ち方とそれがにじみ出るたたずまいのある人は魅力的なのです。
ただこう言った内面の魅力は、メイクと違ってすぐには効果がでません。
時間をかけて蓄積し、時間をかけて伝わるものです。
女性は外見だけでなく内面の美も追求してほしいと願っています。
ではどうしたら内面の美を磨くことができるのでしょうか。
内面の美を構成する要素第1:他人に対する思いやり
特に弱い立場にある人、苦しんでいる人への配慮を忘れないことです。
例えばほとんどの人は上司には気を使いますが部下には思いやりを持たないで接しがちです。
体が弱かったり不自由だったりする人を戦力外として無視することもあります。
ビジネスでは、こうした弱い立場の人たちに優しくしても出世や評価には影響しませんが、それでも人間同士サポートするという思いやりが眼差しを柔らかくし、立ち居ふるまいを穏やかにします。
逆に自分の成功や幸福だけ目指す人、自分と自分の家族にしか愛情を向けない、関心がない人は周囲への配慮に欠け、内面が美しいとはいえません。
特に短期的にどうしたら自分の得になるか、目を光らせて損得勘定をする人は立ち居ふるまいにいやしさがにじみ出ます。
愛情の対象を家族や身内だけでなく、もっと広い相手に向けるよう心がけると目つきが優しくなります。
自分の子どもと同じようにご近所や他人の子どもをかわいがり世話をすることや、家族の愛に恵まれない子どもや貧しい子どもに寄り添える人は心の美しさがにじみ出ます。
もちろん同僚や部下、家族や身内、特に子供の配偶者などの悪口、愚痴はどれだけ言いたくても言わないように気をつけます。
それは回りまわって相手に伝わるというだけでなく、相手を攻撃し、批判していると自分の表情やふるまいを醜くするからです。
内面の美を構成する要素第2:学ぶこと
「少にして学べば、即ち壮にして為すことあり。壮にして学べば、即ち老いて衰えず。老いて学べば、即ち死して朽ちず」という佐藤一斎(江戸時代の儒学者)の言葉がありますが、学校を卒業しても常に好奇心を持ち、自分なりに学び続けましょう。
勉強なんて嫌い、大人になれば試験もないし、知らないことがあっていいんだと怠けているといつの間にか「終わった人」になって外見もぼんやりして活力がなくなってしまいます。
何歳になっても今まで知らなかったことを知る、わからなかったことがわかる、できなかったことができる、という喜びはあなたを内面から輝かせてくれます。
最近の大学や大学院は社会人を広く受け入れていますからチャレンジするのもひとつの手です。
世の中がどんどん変化すると同時に、必要とされるスキルや知識も変わります。
デジタルトランスフォーメーションが進化する中で、情報機器を使いこなせるスキルは持っていて損することはありません。
「今さらやっても…」「もう遅いのでは…」などといっていてはいけません。
政府は産休中の「リスキリング」をすすめているようですが、産休は社会的仕事を休んで育児という途方もない仕事をする期間なので、この時期に「リスキリング」するのは経験者としてほぼ不可能なんですけれどね。
むしろ仕事で必要な新しい進んだスキルを身につけるのは、50代こそ適齢期なのです。
内面の美を構成する要素第3:損得勘定をしすぎない
歳を重ねると少しぐらい損をしてもいい…くらいの心構えを持ち、目の前の利益に飛びつかないようにすることです。
そうすると余裕が生まれ行動も美しくなります。
バーゲンに殺到したり、無料サービスや割引に敏感すぎたり、貯蓄の細かい利率の計算に時間とエネルギーを費やす必要はありません。
損得勘定で賢く立ち回ることばかり考えていると、目つきやふるまいがいやしくなります。
割安の新しいものをたくさん買い使い捨てていくより、自分の好みの上質なものを少し持って大事に手入れして使うほうが、昨今のSDGsの観点からもよほど素敵ではないでしょうか。
お金や時間に対しても、無駄を受け入れるゆとりを持っていたほうがよいのではないでしょうか。
限られた時間にあれもこれも、と詰め込みすぎず、空白の時間をつくる。
発車間際の電車に飛び乗ったり、エレベーターが来ないとイライラする、信号が黄色になっていても急いで渡ってしまうということをやめて、焦らずにゆとりを持って次を待つ態度をとるというささやかな努力が余裕につながります。
そして、心がけたいのはどんなに小さいお土産でも食べ物でも、優しい言葉でもできるだけ人に与えること。
大金持ちだけが人に与えることができるという考えたら大間違いです。
例えば若いときにお気に入りだったアクセサリーや道具などで現在は自分に合わなくなったものを喜んで使ってくれる人にさしあげる。
もちろん押しつけはいけませんが、相手が喜んでくれると自分も幸せな気持ちになりますよね。
そして手放せない特別に思い出のある品だけを手元に置いておけばすっきり暮らせます。これが美しい生活態度で内面の美なのです。
まとめ
外見の若さを維持しようと努力しても、内面を磨く努力をしなければ、人間としての魅力的な美しさはにじみ出てこないのではないでしょうか。
人生の後半を迎えようとしているのに、見た目の若さ、美しさだけに囚われてしまうのは悲しいことです。
経験や適切な判断、知識は、人生が熟してきたからこそ得られるものを大切にして、自分自身を磨いていきましょう。