ただ話しているだけなのに意識のどこかで頑張らなくちゃならないと思っているのはとても疲れますし気を使います。
そんな日常生活のコミュニケーションで苦戦苦闘しているわたしにはさようならして、スムーズに本音を導きだせたらどんなにかよいでしょう。
これからは、相手を説得しようとチカラワザで勝負するのはやめて、自ら頑張って動くのではなく、相手から動いてもらい、自分の思い通りの結果に導けばいいのです。
今回は、大久保雅士氏著 『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』 から、すぐに使えるコミュニケーションスキルの一部をご紹介します。




ルフィに「心の声」はない



◇ ◇ ◇

アニメや漫画の戦闘シーンなどで、よく使われるのがキャラクターの「心の声」です。

独白的に表現されることがお決まりのようになっていますが、漫画「ワンピース」の主人公であるモンキー・D・ルフィには、このたぐいの表現がほとんどないことを知っていますか?


原作者の尾田栄一郎氏曰く、ルフィは読者に対して常にストレートな男であるために、「考えるくらいなら口に出す」「考える前に行動に移す」ことを徹底しているからだそうです。


心の声が湧き出てくる前に、常に本音で語ってしまう男なんですね。


ルフィはアニメや漫画の世界に生きていますが、現実世界においても「相手の本音がわかればいいのに」と思いませんか。

良いか悪いかは別として、私たちは良好な人間関係を築くために「建前」を使い、相手にあえて本心を伝えないことがあります。
こういった場合、お互いに「建前」で話をしているため、なかなか相手の「本音」が読み取れず、相手のニーズに合わせることができません。

本音を探り合いながらの会話になるため、コミュニケーションが行き詰まってしまうのです。

では、相手の本音を上手に聞き出すにはどうすればよいのでしょうか。




「正直」を向けると、相手が向き合う



以下に例を挙げてみなしょう。


たとえば、職場の会話のなかでこのように聞いたとしましょう。


「仕事に不満があるように見えますが、どうですか?」
「何か困ったことがあるんじゃない?どう?」
「余裕があればもう一つ仕事を任せたいのだが、大丈夫か?」


このような聞き方では、聞いた方は遠慮や見栄から本音が言いづらくなります。


本当は言いたいことがあっても「大丈夫です」と返してしまうことが多いのではないでしょうか。
結果的に、両者の思いに食い違いが生じてしまい、お互いに損をしてしまうのです。


相手の本音を引き出すためには、こちらも本音で話していることを示し、相手にわかってもらうことです。
本音で話してくれた相手には自分も本音で返したい、または本音で返していいのだという心理が働きます。


これを「自己開示の返報性」と言います。


こちらの本音を示す言葉として、「正直どうですか?」を会話に挟むのです。

すると、


「仕事に不満があるように見えます。正直どうですか?」
「何か困ったことがあるんじゃない?正直どう?」
「余裕があればもう一つ仕事を任せたいのだが、正直どうだ?」


相手との距離感によっては、「実際のところ」でも「ぶっちゃけ」と言い換えても問題ありません。
この「正直」という言葉を会話に挟むと、相手が本音を言いやすくなります。


「正直どうですか?」と聞かれてまで建前を言うのは、「言動の不一致」になるので単純に気持ちが悪いのです。
相手が本音を求めているので、建前を言いづらくなるからです。


これを「認知的不協和」と言います。


認知的不協和は、アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱されたもので、自分の中に矛盾する2つの認知が生じたときに芽生える不快感を表す用語です。


「正直に話しても大丈夫」なのに、「建前を言う」のは矛盾してしまいます。
ですから、認知的不協和から生じる不快感によって、本音が言いやすくなるのです。

不思議なもので「正直」を向けると、相手があなたと真摯に向き合ってくれるのです。




商談の場面でも有効に活用



これは、商談の交渉場面でも有効に活用できます。


営業において、お客様の断り文句は本音ばかりではありません。

見栄やプライドによって本音を言っていただけていない場合、建前の断り文句に対応をしても、うまく事が運びません。


たとえば、生命保険の営業において、お客様は予算の都合が合わず購入を見送りたくても「一旦家族に相談してみないと」と言うことがあるでしょう。
そこで、「では家族の方にお会いできませんか?」と聞いてしまうと、相手もさらにごまかさなくてはならなくなります。
こうなると、もう本音は聞けなくなります。


ゆえに、商品の提案後に、「今回のご提案は、正直どうでしたか?」と聞くと、断られるにしても、本音の理由が聞ける確率が高まるのです。
それだけでも、今後のフォローの仕方が変わりますよね。


この「正直どうですか?」をクロージング時に徹底させた生命保険代理店は成約率が飛躍的に上がったそうです。
お客様の本音の声を聞けるようになり、不要な駆け引きがなくなったのがその理由です。

本音を言い合うことがすべての場面において必要なことではありませんが、相手の本当の気持ちを読み間違えないことで、良好なコミュニケーションを取ることができるようになります。




まとめ

日常のなかでわたしたちは、建前と本音をうまく混ぜ合わせて生きています。
時には相手を傷つけないために、建前の会話をすることもあるでしょう。
しかし、違和感なく本音を語ってもらいたい時のために、今回ご紹介した「正直」どうですか?と相手に投げかけるテクニックを覚えておくのは便利かもしれません。

『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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似顔絵は、「似顔絵メーカー」で作成しました。