小学校にあがると国語の物語文の読解や作文が苦手な子どもたちに対して、親がどのようにサポートすればいいのかわからないといった悩みが出てきます。
自ら進んで本を好きになり、親が何もいわなくても気に入った本を自主的に読む子供がいれば、物語や文章にまったく興味を示さない子どももいます。
今回は、幼い子どもに対して過程でどのようなサポートをすればよいのか」考えてみましょう。



親のサポートの限界

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小学校にあがると国語の物語文の読解問題で、「あなたならどうしますか?」という問いかけがある場合に、親が子どもに対して「自由に思ったことを書いていいよ」と言っても、子どもが「何も思わない」と言ったり、「この時主人公はどう感じたのでしょうか?主人公の行動から考えてみましょう」と言う問いかけに対しても、「登場人物の気持ちなんてわからない」と言うことがあります。


まだ幼いということもありますが、自分で文章を構成するのも苦手で、家庭での指導に限界を感じる親御さんも多いと思います。

このような問題は、低学年では特に多くの親が悩まれているのと同時に、子ども自身も大人からの適切なサポートを得られないために、必要以上に困ってしまうことでもあります。


では、読解問題や作文苦手なお子さんには、家庭でどのようにサポートしてあげたら良いのでしょうか?








「読めば何かを感じ取るはず」という思い込み

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問題の根っこは、親御さんたちや学校の先生がが持つ、「読めば子どもは何かを感じ取るはずだ」と思い込みです。

その思い込みの結果、国語のサポートが難しいものになってしまっているのです。


物語を読むだけで何かを感じとる子どもはけっして多くありません。

ましてや、文章を読んで「自分だったらどうだろう」なんて考える子どもは、間違いなく少数派だということを理解しておきましょう。


もとより、教科書に載っている文章を自分からすすんで「読みたい!」と思う子どもも限られています。


大人たちは、まず、この大前提からスタートすることが大切です。


子どもが興味のある分野であり、読みやすそうと感じる見た目の本であれば、子どもは自分から読み進めはじめるでしょう。

それから、心が動かない文章を読み取れるようになるには、どうすればよいのかと言うと、「読めばわかること」から親子で話をしていきます。


文章を一緒に読みながら、「誰がどこで出てきたんだっけ?」「なぜこんなことをしたんだろうね」といった感じで子どもに問いかけます。

子どもが「そんなのわかんない」と言うのであれば、「どこかに書いてなかったかな?一緒に探そうか」と寄り添いながら、「こういうことを言っているみたいだね」と探索していくのです。

このように、「心は動かないけれど、文章を読み取る必要のある課題」に対しては、情報を拾って読み解いていくアプローチを教えてあげてください。


場面設定を捉えるにしても、「もしも自分が登場人物なら」と想像させようとするのは無理があります。

子どもは「登場人物になんて、なるわけないから!」というのが本音です。

小学校低学年の小さな子どもが、ひとりで場面のイメージができることのほうが、特別ですごいことなのです。


ほとんどの場合、場面設定がくっきりと立ち上がって理解できるように、大人がサポートする必要があります。

登場人物がどう思ったのか、どう考えたのかを聞くのは、そこができてからです。

子どもは読む気がしないのに、内容場面の想像力まで大人が要求するのは酷です。


例えば、俳優が台本をもらったときに世界観を広げていくように、登場人物の服装や表情、天気、時間、気温はなど、具体的な場面をイメージできるような問いかけをしていきましょう。







「思ったことを自由に書け」は大人の押しつけ

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「自由に思ったことを書いていい」と言われるのも、子どもにとってはとても嫌なことです。


子どもが考えを想像できるまでの下準備ができていない状態で、「読んで何かを思え」とただ押しつけられることが、いかに嫌なものかは、子どもの立場になれば想像できると思います。

これでは国語が嫌いになるのも当然です。


人は、聞いたり読んだりする経験があって初めて、話せるし、書けるのです。


現在、文章を読み取っていく部分について、子どもが乗り気でないなら、その先の「書く」部分も当然ハードルが高いのです。

そこを理解してあげたうえで、まずは「口に出す」ことから始めてください。


低学年なら、まずは親御さんが読み聞かせをしてあげるところから始めるといいでしょう。

文字数が増えても、幼児のころに絵本を読み聞かせていたときと同じような感覚を大切にしましょう。

文字を単に音として発するのではなく、言葉の固まりを意識し、会話文も声のメリハリを変えるなど、内容が響いてくるように読んで聞かせてあげると、お子さんにとっても「わかる」感覚を渡すことができます。


そして、その後に「あなたも読んでごらん」と音読を促し、その後に、読んだ内容について親子でおしゃべりしてみるといったステップを踏んでいくのが理想的です。


たとえば、もしそのおしゃべりのなかで「主人公は寂しそうな気がする」と言えたなら、「今言ったことをそのまま書けば大丈夫だよ」と、書くことに導いてあげてください。

そうすると、だんだん文章で表現ができるようになっていき、作文への苦手意識も軽減されていくと思います。




まとめ

昔の国語の授業は、漢字の練習をして教科書を読んで終わり、といったものが多く、小学校の低学年では、読解力や作文の力まで求められることはあまりありませんでした。
だからこそ、今の親御さんはサポートが大変なのだと思いますが、学習指導要領で要求されている内容の難易度が上がっている以上、大人たちも子どもの学びへの寄り添い方をアップデートしていかなければなりません。
今回のサポート策は、そんな現実を踏まえながら参考にしていただければと思います。

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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似顔絵は、「似顔絵メーカー」で作成しました。