猫が体をぐーいっと伸ばして「伸び」をしているところを目にすることがあると思います。
猫はとても体が柔らかく毛づくろいのしぐさなどを見ても「よくそんな体勢になれるものだ」と驚いてしまいますよね。
実は猫が伸びをするのには、いくつかの理由があります。
今回は、猫の「伸び」の仕組みやその理由を8つにまとめてみました。





猫の体が伸びる仕組み


◇ ◇ ◇

飼い猫のお腹をなでなでしているとよくわかりますが、猫の皮膚はとってもよく伸びます。

これは敵に噛み付かれたり、爪でひっかかれたりした際に、内臓が傷つくことを避けるためであったり、走ったり、ジャンプをする際に素早い動きの邪魔をしないためだと言われています。


特に柔らかくてよく伸びるお腹から後足にかけての皮膚は「ルーズスキン」と呼び名があるほど。

種類によってたるみ具合は多少異なりますが、「ルーズスキン」は全ての猫に共通していて、大型のネコ科であるライオンやチーターなどにも見られる特徴となっています。


猫は柔らかい皮膚の他にも、柔らかい筋肉を持ちあわせています。
激しい動きをする際にケガをしないためにも、筋肉のしなやかさは非常に大切なのです。


猫の骨格を形成するパーツは人間よりも多く、人間が約200本なのに対して猫は約240本です。


人間よりも動かせる関節と関節の間の可動域がとても広く、椎骨と椎骨の間にある椎間板や骨と骨とを繋ぐ靭帯の柔軟性も高いので、猫が伸びをしているときの関節は約2倍もの長さになっています。

また、骨格の違いにより腰を前後左右、自由自在に動かすこともできます。


猫は本来完全肉食獣で、比較的腸が短いため、体の支柱である脊柱が内臓を支える必要がそれほどなく、体を弓のようにしならせてお腹部分を伸ばしても平気なのです。

そして、猫が伸びをしたときには必ず、骨と皮膚の両方がビヨーンと伸びているため、胴体が長くなったように見えるのです。







猫が伸びをする8つの理由

1.動く前の準備運動
2.血圧をあげる
3.デトックス
4.不安や緊張
5.リラックス
6.寝る前の準備
7.甘えたい気持ちの抑制
8.気分の切り替え


猫の伸びは様々な感情の表れなのです。



1.動くための準備運動として
狩りをしたり敵から身を守ったりするために、猫の動きには、瞬発力が重要となります。
寝起きでも素早い動きが必要となるので、伸びをすることで筋肉をほぐし、ウォーミングアップを行っているのです。


2.血圧を上げている
睡眠中やリラックスをしている時は、血圧が下がっている状態です。
伸びることで血圧を上げて血流を促し、脳や筋肉などに流れる血液量を増やして目覚めを良くします。
人間が運動前に行うストレッチと原理は一緒です。


3.デトックスのため
猫の伸びには、体内に溜まった老廃物や毒素を流すデトックスの目的もあるとされています。
筋肉がほぐれると血流やリンパの流れが良くなり、血液中に溜まった乳酸や二酸化炭素などの老廃物を流すことができます。


4.不安や緊張の状態にいる
不安や緊張を感じている際にも伸びをすることがあります。
例えば他の猫と対面したり、知らない人間が近づいてきたりした際に警戒して伸びをします。
後足を左右交互に伸ばしている場合は、身に危険を感じていることが多く、体の緊張をほぐして、逃げようか攻撃をしようかを思案している状態だと思ってください。

もしもあなたが猫に近づいた際に体を伸ばす行動が見られた場合は、緊張している可能性が高く、身を守るために攻撃をしてくる可能性もあります。
お互いのためにも、しばらく離れて様子を観察するようにしましょう。


5.リラックスしている
不安や緊張から伸びをすることもあれば、正反対のリラックスした状態でも伸びることがあります。
お腹を出してひっくり返っているようなポーズで体を伸ばしている場合は、安心しリラックスをしている証拠です。
前足を頭の上に、後足を尻尾と同じ方向に弓反りになって伸ばし、筋肉の緊張をほぐして脱力しているような状態です。

脱力系の伸び姿は、室内飼いで外敵から攻撃される危険が少ない猫に多く見られます。
野良猫の場合は警戒心が強いので、よほど安全な場所でない限りは見ることはできないでしょう。


6.寝る前の準備をする
猫は眠りにつく前に伸びをすることもあります。
伸びをして体をリラックスさせることで、ベッドやお気に入りの場所で気持ち良く眠るための準備をします。
また周りにいる他の猫や人間に「今からリラックスして寝ます、危害は加えませんよ」というアピールの意味もあるとされます。


7.気分を切り替えたい
猫にも人間と同様に気分転換したい時があります。
狩りをしていて獲物を取り逃がしてしまったり、飼い主さんに叱られたり、遊びに飽きたりした際に、体を伸ばしたりグルーミングをして気持ちを切り替えるのです。


8.甘えたい気持ちを抑えている
外出していた飼い主さんが帰宅した際、待っていましたと飛びついて甘えたい気持ちを抑えるため、伸びをして気持ちを落ち着かせる場合もあります。
なんて可愛らしくいじらしいのでしょうね。









猫の伸びには様々な働きや感情がある

猫の伸びをするのは、人間が準備運動のストレッチや気分転換でヨガなどを行う理由と似ていて、様々な働きや感情が込められているということがわかりました。


不安や緊張をしている時、その真逆の感情で、リラックスをしている時でも伸びをするため、伸びの仕草だけで猫の感情を読み取るのは難しかもしれません。


しかし猫ちゃんが気持ちよさそうにビヨーンと伸びの姿勢をするのを観察することで、飼い猫の感情を推し量ることもできるかもしれませんね。



まとめ

猫を飼っていると、人間が驚いてしまうような体勢で寝たり、伸びたりしてする姿を毎日のように見かけることでしょう。
まるで体が長くなったかのように見えて驚きますが、猫も体をほぐすためや気持ちをリフレッシュするため、血流が良くするためなど、いろんな理由で伸びをしているようです。
軟体動物のようにビヨーンと伸びるあなたの飼い猫が、今何を思いながら伸びをしているのかを考えながら過ごすのも楽しい時間になるのではないでしょうか。

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筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。
デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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似顔絵は、「似顔絵メーカー」で作成しました。