300種類以上の品種があると言われている猫ですが、雪のように全身が真っ白な白猫は、品種にかかわらずその美しさからファンが多く、不思議な魅力を感じさせます。
うちの子たちのように(サバトラとキジトラ)、複雑な模様があるのもまたかわいいのですが、全身一色の白猫や黒猫はちょっと特別感があり高貴に見えるのです。
今回は白猫にフォーカスをあてて、美しく白い毛色がどのようにして生まれるのか、毛色に秘められた神秘的な秘密に迫ってみました。
白い毛色の秘密と魅力を知れば、さらに白猫が好きになるかもしれませんよ。



白い毛色の遺伝のヒミツ

白猫は全身が白一色で模様がないことが特徴なのですが、たまに子猫のときだけ頭頂部に黒いブチが入っていることがあります。
このブチ模様は「キトゥンキャップ」と呼ばれ、白の遺伝子によって出てこないはずの違う毛柄の色素が現れたものです。
1才前後を目安に自然と消えてしまうため、白猫の子猫時代にしか見られない、貴重なチャームポイントといえるでしょう。

また、白猫はメラニン色素が少ないため、瞳の色はブルーかイエローが多く、特にブルーがほかの毛柄の猫に比べて多い傾向にあるといわれています。
左右で瞳の色が異なる「オッドアイ」も白猫に多いといわれ、猫全体では1%ほどの出現率なのですが、白猫に限れば、25%ほどの出現率になるのだそうです。
右目はブルーなのに左目はイエローなど、神秘的な魅力を秘めているところからオッドアイの猫を飼いたいと望む人もいますが、オッドアイは「虹彩異色症」という病気であることも理解しておく必要があるでしょう。
特に、ブルーの瞳の白猫は聴覚障害を抱えているケースがあり、オッドアイの白の猫の場合はブルー側の耳にだけ聴覚障害を抱えることもあります。



全身が真っ白な毛色の猫が生まれるのには、二つのパターンがあるとされています。

1.白い毛色を作る遺伝子をもっているため
白い毛色を作る遺伝子である「白色遺伝子」や「白斑遺伝子」をもつ場合、それぞれ異なる働きをもっています。
これらの遺伝子が毛色に対してどのように作用しているのかと言うと、「白色遺伝子」は「絶対優性の白」とも呼ばれるほど強く発現する遺伝子のため、ほかの毛色に関わる遺伝子よりも強く働くといわれています。
そのため、少しでも「白色遺伝子」を受け継いでいる猫は、ほかの毛色をつくる遺伝子を同時にもっていたとしても、それらの働きが抑えられて全身が白一色になるのです。

「白色遺伝子」が全身の毛色を白くする一方で、「白斑遺伝子」は、本来の毛色の遺伝に対して、白が局所に現れる特徴があります。
「白斑遺伝子」はあらゆる毛柄と共存できるので、さまざまなパターンの白ぶちをもった猫が生まれます。



2.色素をまったくもたない
「アルビノ」という色素をまったくもたずに突然変異で生まれる場合です。
この場合は色素がないために、白い毛色になります。
アルビノは医学的に「先天性白皮症」や「先天性色素欠乏症」などと呼ばれ、毛色が白くなるほか、色素がないため目の奥の血管が透けて見えるため、赤い目をしているのが大きな特徴です。



白猫はほかの色の猫に比べてメラニン色素が少ないため、ブルー系の瞳が多くなる傾向があります。
ちなみに、肉球や鼻の色もメラニン色素の量と関係しているため、白猫の肉球や鼻の色は色素が薄くなりやすく、ピンク色をしているものが多いようです。




白猫の性格としつけ方

猫の白い毛色をつくる遺伝子はとても強いため、白猫からは白猫が生まれやすい傾向があるのですが、「白」という単色は野生の中では非常に目立ちやすく、敵に見つかりやすいというリスクがあります。
そのせいなのか、白猫はほかの経路の猫と比べても警戒心が強く繊細な性格が多いのだそう。
敵から襲われる危険性も高いため、常に気を張っておかなければなりません。
そのため、白猫は少しの物音で驚いたり、人見知りしたり、知らない人にはなかなか懐かない場合もあります。

警戒心が強いがゆえに、自分のテリトリーが侵されそうになると怒ったり威嚇したりして、自分自身の身を守るために行動します。
しかし心を許した飼い主さんの前では、安心感からとても甘えん坊になりやすいようで、その分、独占欲も強くなりがちです。

多頭飼いの場合は、愛情を独り占めしたいために他の猫を威嚇したりすることもあります。
また、キジトラなどの毛柄に比べると、白猫は比較的新しい毛柄のためか、やや野性味が薄いといわれています。


白猫のしつけ方としては飼い主と楽しく過ごしていく上で気をつけたいポイントがいくつかあります。

1.構い過ぎない
白猫は警戒心が強いので、家に迎えて間もないときは猫のほうから心を開くまで積極的に構わないようにしてください。
むやみに抱っこしたり触ったりせずに、猫から寄ってくるのを待つぐらいがちょうどいいでしょう。
神経質な性格の猫の場合は、猫のペースに飼い主さんが合わせることで、徐々に心を開いてくれるようになります。

2.大声で叱らない
飼い主さんは猫を叱ったつもりでも、猫がなぜ飼い主に怒られているか理解ができなかったら意味がありません。
大声で叱ったり猫を叩いたりして、飼い主に何度も怒られると、怒った人への不信感しか残らず、怒った人のことを嫌いになってしまいます。
一度人への不信感を持つようになった場合、心を開くのにとても時間がかかり、信頼関係を築くのにとても時間がかかります。

3.イタズラされないよう工夫を
飼い主がイタズラされたと思っていても、猫にとっては普通の行動の場合が多いのです。
猫をイタズラをしたからと叱っても、なぜ怒られているか理解ができません。
飼い主は、先にイタズラされないように工夫しておくことが大切です。


白猫と一言でいっても白い毛柄の出る品種は数多くあります。
人気の白猫の品種をご紹介します。

◆短毛種の白猫「カオマニー」


白い宝石という意味の名前を持つ「カオマニー」は、タイ原産の短毛種です。
大きなくりっとした目が印象的な品種で、目の色はブルーやイエロー、カッパーグリーンが多く、オッドアイで生まれてくる場合もあります。

被毛の色は、全身が白一色であることが基本ですが、黒やタビー、ポイントのある毛柄も存在します。

成猫の体重は、3kg〜6kgぐらいで、中間の体型のセミフォーリンタイプです。
好奇心旺盛でやんちゃな性格で、遊ぶことがとても好きで、人懐っこく、賢い猫です。
多頭飼いや他の動物とも仲良くできます。

◆短毛種の白猫「エキゾチックショートヘア

エキゾチックショートは、バーミーズとペルシャから産まれた猫にアメリカンショートヘアを交配することで産まれました。
当初は銀の毛色のみとしていましたが、他の毛色も産まれることから、エキゾチックショートという名前になりました。
被毛の色は、ホワイト、ブルー、クリーム、レッド、各色のタビーやバイカラー、三毛、スモークなどあらゆる毛色があります。

体は、短くてしっかりした足、短めの丸いしっぽをしおり、やや大きめのコビータイプです。

人懐っこく、甘えん坊で、飼い主のそばにいることや抱っこされることも好きです。
多頭飼いや他の動物とも仲良くできます。

◆長毛種の白猫「ペルシャ」

ペルシャは、古代の文書にペルシャを想像させる長毛猫の記述があるぐらい純血種の猫の中では最も古い猫の品種とされています。
被毛の色は、単色ではホワイト、ブルー、クリーム、レッド、各色のタビーやバイカラー、三毛、スモークと呼ばれる霧がかかったような毛色もあります。

体重は、3kg〜5.5kgぐらいで、中型のコビータイプです。
短い体長に筋肉がしっかりとついていて、足は短く、目は金銅色で丸くて大きく、耳の間は離れています。

ペルシャは、穏やかで落ち着いた性格をしています。
甘え過ぎず、神経質でもなく、人との距離を上手にとります。
ゆったりとくつろぐことが好きで興奮することもあまりありません。

◆長毛種の白猫「ターキッシュアンゴラ」

ターキッシュアンゴラは、トルコで国宝として大切にされてきた大変高級な品種で、イスラム教のアラー神が愛した猫としても有名です。
被毛の色は白が代表的ですが、ほかにもソリッドやタビー、キャリコ、バイカラー、スモークなどさまざまな毛柄がいます。

成猫の体重は、2.5kg〜5kgぐらいで、筋肉質な中型のフォーリンタイプです。

ややつりあがった涼しげなアーモンドアイが特徴的で、目の色もブルー、グリーン、琥珀、オッドアイと多様な色があります。
細身に見えますが筋肉質で、被毛のお手入れがしやすい毛質だといわれています。

性格は、穏やかで順応力があ、好奇心旺盛。
デリケートな部分もあり、ストレスに弱いため、多頭飼いには向いておらず、単独飼いがおすすめです。




白猫がかかりやすい病気

オスやメスに関わらず、特に白猫がかかりやすい病気をご紹介します。

◆日光皮膚炎
日光皮膚炎の症状は、耳の先端、鼻先といった毛の少ない部分に、赤みや脱毛、フケなどの症状がみられます。
目や口の周りに起こることもあります。
また、かゆみの症状もでてくるので、猫自身が爪で掻いてしまい傷がついて出血することがあります。

白猫はメラニン色素が少ないため、紫外線が皮膚に届くやすく、紫外線に弱いことが日光皮膚炎になりやすい原因と考えられています。
症状がひどくなると、皮膚がんになる可能性もあるので注意が必要です。
予防には、日向ぼっこ時に窓ガラスにUVカットのシートを貼ったり時間を短くするなどの紫外線対策が必要です。
猫が外に出る用事があれば、日焼け防止用の服を着させてあげるのもいいでしょう。

◆扁平上皮癌
扁平上皮癌の症状は、皮膚炎のように脱毛して、厚いかさぶたや潰瘍ができ、見た目には治りにくい擦り傷のように見えます。
癌が進行してくると、腫れて潰瘍がひどくなり、出血したり、膿んだりします。

口腔内に扁平上皮癌ができた場合は、舌や歯茎などにしこりができ、しこりの部分がただれて潰瘍ができ、出血がみられます。
扁平上皮癌になるひとつの原因として、メラニン色素が少ない白猫が紫外線に弱いことがと考えられています。





まとめ

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか。

白猫の美しい毛色は、まさに生命の神秘ですね。
魅惑的な毛色をもつ白猫ですが、メラニン色素が少ないため、皮膚の病気にかかりやすいと言われています。
愛らしい姿にトリコになってしまうのはとてもよくわかりますが、ほかの毛柄の猫よりも気をつけなければいけない点が多いので、初めて猫を飼うという人にはあまりおすすめできないかもしれません。
それでも飼いたい場合は、毎日繊細に観察して愛情をもって向き合っていけば、きっと最高のパートナーになってくれることでしょう。

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筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。
デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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