毎日の暮らし方によって、健康にどんな影響を実際に与えているのかを把握している人は少ないのではないでしょうか。
普段、何気なく行っている習慣が、どれだけ体に悪いのか、または良いのかを具体的に知ることが長生きの秘訣かもしれません。
今回は、世界のあらゆる研究データを総まとめして、どういった習慣が死亡リスクを上げたり下げたりするのかを集めてみました。




古今東西の研究データからひも解く


朝食は抜く?抜かない?
糖質制限をしている?していない?
ペットは犬?猫?
ひとり暮らし?家族と同居?

自分の選んできたライフスタイルではあるものの、長い年月の生活習慣が原因で死亡リスクが上がったり下がったりするのは、気持ちが落ち着かないものではないでしょうか。
ましてやその生活習慣が、死亡リスクにプラスに働くのかマイナスに働くのか知らないままでいることは、もっと穏やかではありませんよね。
明らかにマイナスに働く習慣もあれば、「え?そうなの」と意外に感じるような思うような習慣もあります。
具体的な習慣を行うことで、どれぐらいの死亡リスクがあるのかを具体的なパーセンテージでご紹介していきます。






死亡リスクがUPする生活習慣


※()は、調査者/調査対象/調査発表年


たばこを1日1本以上吸う人


死亡率、死亡リスク/64%アップ↑
(米国立がん研究所<NCI>/多くが60〜70代の白人/2016年)

継続的に生涯にわたって喫煙した人は、1日平均1本未満でも、非喫煙者と比べて早く死亡するリスクが64%高いことがわかっています。
また、1日1〜10本喫煙した人は、非喫煙者より死亡するリスクが87%高いのです。
35才以下で禁煙すれば喫煙による健康リスクはほぼ帳消しにできますし、50才以下なら、禁煙にかかわる疾患リスクは半減するそうなので、喫煙者の方はできるだけ早くたばこをやめた方がよいでしょう。


睡眠時間が1日6時間以下の人


死亡率、死亡リスク/2.5倍↑
(自治医科大学の研究チーム/日本人男性4419人/2004年)

睡眠時間が1日6時間以下の人は、7〜8時間の人と比べて死亡率が2.5倍高い研究結果が出ています。
睡眠時間が短いと免疫力が低下し、睡眠中に成長ホルモンの分泌が低下して老化が進むといわれており、また、脂肪や糖の代謝が悪くなり、交感神経の緊張が続いて血圧も上がると考えられています。


不眠、夜更かしなどで毎日「夜型」の生活をしている人


死亡率、死亡リスク/10%アップ↑
(米ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部神経学准教授のKristin Knutson氏/38〜73才の男女43万3268人/2018年)

完全な夜型の人と完全な朝型の人を平均6.5年追跡調査したところ、夜型の人の方が朝型の人より全死亡リスクが10%高いという結果が出ました。
夜更かしすると、飲酒や喫煙、間食など不健康な行動が避けにくいことなどが関係しているようです。


夜中に4回以上トイレに行く人


死亡率、死亡リスク/3.6倍↑
(東北大学の中川晴夫講師らの研究チーム/宮城県仙台市内に住む70才以上の高齢者784人/2011年)

高齢者が夜中にトイレのために起きる平均回数と死亡率を約5年間調査したところ、死亡リスクは回数が2回の人で1.59倍、3回で2.34倍、4回で3.6倍になるという結果が出ました。
この原因は、そもそも頻尿や多尿の原因が心不全や糖尿病、高血圧などから来ているところにあるからとされています。


慢性的に便秘の人


死亡率、死亡リスク/12%アップ↑
(米テネシー大学ヘルスサイエンスセンターの住田圭一氏らの研究チーム/米国の退役軍人335万9653人(平均年齢59.8才、93.2%が男性)/2018年)

便秘または便秘薬の使用があるかないかと、全死因死亡率との関連を約13年間追跡調査したところ、便秘の人は便秘でない人に比べて死亡リスクが12%高いことがわかりました。
便秘になると腸内細菌に異常が発生し、悪玉菌が作り出す有害な代謝産物が腎臓を傷つけて尿の排出が悪くなり、それによって大腸がんのほか腎臓も悪くなりやすくなります。心筋梗塞や脳卒中になる率も高いことが判明しています。


1日11時間以上座っている人


死亡率、死亡リスク/40%アップ↑
(オーストラリアのシドニー大学の研究チーム/22万人以上の成人/2012年)

座っている時間と総死亡リスクについて、3年間追加調査を行ったところによると、1日に座っている時間が4時間未満の人に比べて、11時間以上の人の死亡率は40%アップしました。
また、国立がん研究センターが45〜74才の日本人男女を対象に7〜8年間行った追跡調査でも、座っている時間が1日3時間未満の人と比べて、1日8時間以上の人の死亡率は18%高い結果が出ています。


肥満指数(BMI)19以下のかなりやせ型の人


死亡率、死亡リスク/61%アップ↑
(国立がん研究センター/日本の7つの研究、35万人以上のデータをと統合して解析/2011年)

肥満指数(BMI)は、22が最も健康的とされ、25以上を「過体重」、30以上を「肥満」としています。
BMIと死亡リスクとの関連を平均13年間追跡調査したところ、BMIが23〜25を基準にした時、女性の死亡率はBMI19.0〜22.9のやせ型の人で17%、BMI19未満のかなりやせ型では61%も上昇しました。
一方、BMI 27〜29.9の太り気味の人の死亡率は8%、BMI30以上の肥満の人は37%の上昇でした。
死亡リスクは、極端な肥満型の人よりも極端なやせ型の人のほうが高いことがわかりました。


朝食を食べない人


死亡率、死亡リスク/87%アップ↑
(米アイオワ大学の研究チーム/40〜75才のアメリカ人男女約6550人/2019年)

17〜23年間にわたり年齢や性別、人種などで調整して解析・追跡調査したところ、朝食を全く摂らない人は、毎日摂る人に比べて死亡リスクは19%高く、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患により死亡するリスクは87%高いことがわかりました。
朝食を食べずに前日からの絶食状態が長時間続くと、肥満や糖尿病の発症や、高血圧やコレステロール値の悪化につながることが要因とされています。


糖質制限ダイエットを行っている人


死亡率、死亡リスク/31%アップ↑
(国立国際医療研究センター/男女27万2216人/2013年)

総カロリーに占める糖質の割合をスコア化し5〜26年間追跡したところ、心疾患や腎臓病を含む総死亡率は、高糖質の人と比べて低糖質の人の方が31%高いことがわかりました。
米ハーバード大学が45〜64才の男女を対象に25年間にわたり行った追跡調査でも、最も死亡率が高いのは、食事に占める炭水化物の割合が3割以下の人であることがわかっています。


猫を飼っている女性


死亡率、死亡リスク/2.85倍↑
(米ジョージアサザン大学の研究チーム/19才以上の1万3725人/2019)

18年間の追跡調査をしたところによると、猫を飼っている女性は飼っていない女性に比べ、肺がんによる死亡率が2.85倍高いという結果が出ています。
ペットが鳥の場合は2.67倍、犬の場合は1.01倍でした。
一方、理由は不明なのですが、男性を対象にした調査では、ペットの有無と肺がんに関連する結果は見られなかったそうです。


ひとり暮らししている人


死亡率、死亡リスク/32%アップ↑
(米ブリガム・ヤング大学の研究チーム/平均年齢66才の340万7134人/2015年)

平均7時間の調査によれば、「社会的孤立」によって29%、「孤独感」により26%、「ひとり暮らし」では32%、それぞれ死亡リスクが高いことがわかりました。
米シカゴ大学の研究チームが2014年に行った調査でも、「極度の孤独は高齢者の早期死亡を14%増加させる可能性がある」としています。


嗅覚を感じなくなった人


死亡率、死亡リスク/46%アップ↑
(スウェーデンKarolinska研究所の研究チーム/—/2019年)

嗅覚低下と総死亡率などの関係を調査したところ、嗅覚が不良な高齢者は、嗅覚が良好な高齢者に比べ、10年後の総死亡リスクが46%高いことがわかりました。
嗅覚低下は、日常の安全や栄養状態、生活の質に大きな影響を及ぼし、アルツハイマー病やパーキンソン病などの初期症状の1つではないかという研究も出ています。


歩くペースが遅い人


死亡率、死亡リスク/1.44倍↑
(フランス国立保健医学研究所の研究チーム/65才以上の男女3208人/2009年)

男女それぞれ3グループに分けて、平均5.1年間追跡調査したところ、歩く速度が遅い高齢者は、速く歩く高齢者に比べ死亡リスクが1.44倍高い結果が出ました。
豪シドニー大学の研究でも、60才以上の人を対象にすると、ゆっくり歩く人に比べ、速足の人で53%全死亡リスクが低いことが判明しています。






死亡リスクがDOWNする生活習慣


握力が強い女性


死亡率、死亡リスク/40%ダウン↓
(厚生労働省/福岡県の40才以上の男女2527人/2014年)

握力は筋肉の量が身体にどれくらいあるのかを意味しており、握力の強さは健康のバロメーターになります。
握力の強さを4つのグループで分けて、20年間追跡調査を行ったところ、握力が最も強いグループ(男性47kg、女性28kg以上)は、最も弱いグループ(男女39.5kg、女性23.5kg未満)に比べて死亡リスクが男性は3割、女性は4割低いという結果が出ました。


貧乏ゆすりをする人


死亡率、死亡リスク/37%ダウン↓
(英ロンドン大学の研究チーム/37〜78才のイギリス人女性1万2778人/2015年)

1日5〜6時間座り、貧乏ゆすりを頻繁にする人は、ほとんどしない人に比べて死亡リスクが37%低いという結果になりました。
1日7時間以上座っている人は、5時間以下の人に比べ、死亡リスクが1.3倍になりますが、7時間以上座っていても貧乏ゆすりの頻度が「中」〜「高」の人は、死亡リスクは増えなかったそうです。
その理由としては、貧乏ゆすりで体を動かすことが、リポ蛋白リパーゼという酸素の活性化につながり、高脂血症や肥満、糖尿病の予防につながるからと考えることができるのだそうです。


週に3時間半以上、読書をする人


死亡率、死亡リスク/23%ダウン↓
(米イエール大学の研究チーム/50才以上の3635人/2016年)

読書をすれば長生きできるという研究結果があります。
米イエール大学の研究チームが「まったく読書をしない」「読書は週3時間半以下」「読書は週3時間半以上」という3つのグループにわけ12年間追跡調査したところ、読書時間が週3時間半以下だった人たちは17%、3時間半以上だった人は23%、死亡リスクが低下したということです。
ほとんど体を動かさない読書で寿命が延びたことになりますが、私も1日に1回は必ず読書をするので、週3時間半以上の読書時間は楽々クリアしています。
この結果はとても嬉しいですね。






まとめ

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか。

今回の結果をまとめてみて感じたのですが、最も健康的とされているBMI22が、私的には意識として「太っている」のグループの仲間に入ってたので、BMI30以上の超肥満の人よりBMI19未満の痩せすぎのほうが死亡リスクが高いことを知り、ちょっと驚きました。
猫を飼っている女性と肺がんによる死亡率の関連性は、私も猫を飼っている女性の一人として信じたくないものの、正式な調査結果から来ているので気を付けなければいけないと思っています。

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筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日はできる社畜としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
今まで培ったいきいき生きる術(すべ)をお伝えできれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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似顔絵は、「似顔絵メーカー」で作成しました。