経営学の父と呼ばれるピーター・ドラッカーは、リーダーシップと言う言葉をこの様に定義しています。

「リーダーの最も基本的な条件は『フォロワー(信頼してついてくる人)』がいる事だ」

どんなに高尚な理念を掲げ、肩書きや役職に「リーダー」がついていたとしても、心の底からその人についていきたいと思う「フォロワー=部下」がいない、ということがよくあります。
いくら肩書きがあっても、結果として部下がいなければ、リーダーとは言えません。
AI技術が発達し、組織がオンラインの関係になっても、企業は人によって作られるのです。
人と人とが信頼し合い、支え合い、刺激し合って協働する事が重要です。
環境の変化とともにリーダーの難易度は益々上がっています。
今回はリーダーにしてはいけない人の特徴を13項目にまとめみました。




リーダーにしてはいけない人の特徴13

どんな会社でも、リーダーシップを執る人材の育成は常設の課題として挙げられています。
特に新型コロナウイルスの流行やAIなどの技術開発により、世界環境が目まぐるしく変化する現代において、リモートワークへの移行などによって組織の体制も大きく変化しています。
しかしどんなに大きな変化がおきようとも、変わらない普遍的な事もあります。
組織におけるリーダーシップの在り方は、まさに普遍的なのではないでしょうか。

これまでは直接対面で成り立っていた組織も、オンラインの急速な普及を余儀なくされました。
そのうえでなりより求められたのがリーダーシップです。

コロナ禍で直接対面のやり取りができない環境にならざるを得なくなった組織を、これまでどおりに機能させるのは、リーダーシップ無くしては確立できないと言っても過言ではありません。

これからご紹介する特徴を持った人をリーダーにしてはいけません。


1.部下の話を聞かない

部下の話を聞かない人はリーダーにしてはいけません。
人は基本的には自分の話を聴いてもらいたい生き物です。
自分の話を聴いてもらえないのに、相手の話を聴こうとは思いません。
リーダーの話を部下が聴いていない組織は、コミュニケーションがうまくいかず、仕事の効率や生産性が上がることはありません。
目標の達成は、できないと考えた方がいいでしょう。
事業を成功に導くリーダーは、部下の話が聴けるという特徴が必要です。



2.上司の顔色ばかり気にしている

部下に対しては高圧的な態度をとるのに、上司に対しては機嫌をうかがってばかりいる人をリーダーにしてはいけません。
上司の指示を尊重して行動することは、会社組織においては当然の事ですが、ご機嫌とりに気を取られ、注力するところを間違えてしまっている人をリーダーにしてしまうと組織は崩壊します。
部下から見ると、そんなリーダーは滑稽にしか映らないからです。
ただし、リーダーを選出する上司から見ると、こういう人はとても優秀なリーダーに見えるのです。
自分の言う事に従い、気を利かせてくれる人には誰でも好感を持ってしまいますから。
なので、上司に気に入られる事に集中している人が、順調に出世するケースは珍しくありません。
あなたが任命したその人は、部下の前でも良いリーダーである人でしょうか。


3.感情で人を評価する

自分の感情、好みで評価をする人をリーダーにしてはいけません。
メンバーは公平な評価を望みます。
もし公平な評価がされていないと感じるとやる気の低下に繋がります。
人には承認欲求があり、誰もが認められたい気持ちがあります。
リーダーとの関わりが多く、目立っているメンバーだけが認められ評価されてしまうと、他のメンバーのやる気は著しく低下してしまいます。
もちろん誰もを公平評価することは難しいでしょう。
ただ、好き嫌いの感情で評価する事は絶対に避けなければなりません。
組織においては、評価される人が公平に評価されていると思う客観的な仕組みが必要です。



4.感情の起伏が激しい

感情の起伏が激しい人を、リーダーにしてはいけません。
部下が相談したいその時に、リーダーのご機嫌がよいのか悪いのかで対応が違ったりすると、いつも顔色を伺がってからコミュニケーションに移さなくてはならなくなります。
前もって機嫌を取らないといけないリーダーだと、スムーズなコミュニケーションは不可能です。
リーダーも人間ですから、感情的になる時はあります。
しかしその感情を部下に直接吐き出すリーダーは、メンバーからの信頼は得ることができません。

アンガーマネジメントに怒りの感情がわきあがったら、手のひらのシワを見て6秒数える怒りを抑える方法があります。
怒りの感情は長続きしないので、上記の方法で『一時停止』できます。
感情的に仕事をしても良いことは一切ありません。
リーダーの立場にいる人は、メンバーが安心して相談したり、意見を言う事ができる余裕が必要なのです。


5.言動が一致しない

言ってる事とやっている事が全然違う人をリーダーにしてはいけません。
言行不一致は、まず誰からも信頼を失います。
リーダーがチームのビジョンを掲げる事は珍しくありませが、掲げたビジョンとは明らかに違う行動をしていると、メンバーからの信頼度は一気に下がります。
そうなるとビジョンが達成される事もありません。
有言実行こそが、リーダーに求められる条件のひとつなのです。



6.人のせいにする

責任を負わずに人のせいにする人は、建設的な問題解決が行えません。
昔よりもはるかに業務が増えているのに、それを業務がこなせないからだと部下のせいにして、自分がどれほど仕事ができたかという自慢を語ります。
責任感のあるリーダであれば、今の状況をどうすれば改善ができるかを率先して考えます。
業務をするのにベストな環境でなくても、環境を変えようと率先して行動するのです。
メンバーの失敗も、自分の責任として捉える事ができる人がリーダーに向いているのです。


7.受け身である

チームや身の回りで起きている事に対して、自分には関係のないことだと考え、受動的に物事を捉えている人をリーダーにしてはいけません。
こういう人は、上司からの指示を自分の中で消化せずにそのまま部下に伝えているという事があります。

たとえば、
「社長からの指示だからよろしく」とか「部長の指示通り○○しておいて」

などとリーダーが部下に伝えることで、「子どもの使い」「ただの伝書鳩」と思われ、部下がこの人についていきたいと思うことはなくなってしまいます。
上司からの指示を自分事と捉え、主体的に考え行動できる事がリーダーに求められる条件のひとつなのです。



8.会社の批判をする

会社を批判したり、悪口を言う人をリーダーにしてはいけません。
部下はリーダーのことをより会社に近い人物であると認識しています。
そのリーダーが会社を批判すると、部下も同じようにも会社を信用できなくなってしまい、仕事へのやる気が下がってしまいます。
また、メンバーが会社の批判をする事を容認していると、人間関係が悪化し本気で仕事に取り組む事ができなくなります。
チームの雰囲気が悪くなり、目標達成どころか、組織として機能しなくなってしまいます。
批判や悪口はグッと抑え、自分で変えてしまうくらいの行動力がある人がリーダーには向いています。


9.仕事を任せられない

仕事を任せる事ができない理由は3つあります。

・部下との信頼関係ができていない
・リーダーが部下の能力を適切に把握していない
・リーダーの保身が強い

こういう人をリーダーにしてはいけません。

部下を信頼できずにいると、リーダーとして部下の失敗の責任を追う覚悟もできません。
また、部下のスキルを適切に把握できていない場合、部下の得意な事や苦手な事、どの部分を教育して強化すればよいのかがわからないため安心して任せることができなくなります。

社会人にとって保身は、文字の通り自分を守るための重要な機能です。
しかし必要以上に保身が強いと、大きな失敗しない様に安全領域内で仕事をしてしまいます。
そうなると望める成長も望めませんし、部下の貴重な成長の機会を潰してしまう事にもなります。
部下の仕事を信頼し、仕事を任せて、最終責任を持つ事ができる人は、リーダーに向いています。



10.自分の成功ばかり考えている

自分が成功する事ばかり考えている人をリーダーにしてはいけません。
2021.8.17の記事にも書きましたが、部下の手柄を横取りするリーダー本人には「手柄を奪ったという意識がない」心理が働いています。
この様な心理メカニズムの事を「利己的帰属」と言います。
成功した時は、自分の貢献度を過剰評価し、失敗した時には、自分の責任を過小評価する心理です。
利己的帰属が強い人は、周囲の誰もが手柄を横取りされる経験をする為、周りからの信頼を得る事ができません。

リーダーは自分の成功よりも、部下の成功を考えなくてはいけません。
部下の成功が、チームの成功であり、チーム全員の成長につながるのです。

「このチームみんなのおかげでうまくいったよ」と言える人がリーダーに向いています。


11.客観的な判断ができない

客観的に物事を判断できない人をリーダーにしてはいけません。

人は物事を主観で見ます。
主観は自分自身の価値観に基づいた物事の見方であり、その価値観は過去の経験や体験から確立されています。
なので、自分だけの主観で物事を判断すると見方が偏ってしうのです。
それが組織を牽引するリーダーだとすれば、チームに不協和音が発生するのは目に見えています。

組織を正しい方向へ導く為には、客観的な視点で物事を判断できる能力が必要です。
自分の主張を追求するのではなく、それが本当に正しいのかという自分の判断を疑ってみる力も必要です。
一歩引いた客観的な視点から全体を評価しつつ、最終的な判断を出す事ができる人がリーダーには向いています。



12.新しい考えを受け入れられない

昔のやり方にこだわり、固定概念に縛られている人をリーダーにしてはいけません。
そのようなリーダーのもとでは、、時代の変化に対応できなくなってしまいます。
特に現在のようなコロナ禍においては、環境の変化と共に、柔軟に新しい知識を入れていく事が求められています。
新しい変化を素直に受け入れて、臨機応変に変化に対応できる人こそ、リーダーに向いています。


13.すぐに愚痴を言う

すぐに愚痴をこぼす人はリーダーには向いていません。
愚痴を言う人の特徴として「諦めやすい」傾向があります。
一度の失敗から前進する事に臆病になり、何もしないまま可能性がないと判断すると、メンバーからは信頼されません。
愚痴を言いたくなる状況になっても、なんとかうまく改善し、チームのやる気が上げるような推進力を持った人がリーダーに向いています。

愚痴はメンバーのやる気を低下し、チーム全体の士気を下げます。
リーダーであれば、組織の上の人にいうことはあっても、組織の下の人に言うことは避けるべきなのです。




まとめ

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか。

今回は、リーダーにしてはいけない人の13の特徴をご紹介しました。
組織は、人と人とが信頼し合い、支え合い、刺激し合う事が重要です。
どんなにAI技術が発達し、コロナ禍で組織がオンラインの関係に偏ろうとも根本的に「企業は人」で成り立っています。
その「人」をまとめて牽引するのがリーダーです。
コロナ禍ではリーダーを務める難易度はさらに上がっています。
発展的な組織にしていくためにも、リーダーとして必要なスキル・マインドを獲得していきましょう。

プロフェッショナルサラリーマン 実践Q&A編

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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