4月27日の記事に書いたヤングケアラーの報道を時々目にするようになりました。
マスコミが取り上げて放送していることでも、この問題が早急に当たらないといけない事案であることがよくわかります。
介護は成人した子どもが年老いた親を看るのだけではありません。
障がいや病気のある親や高齢の祖父母、兄弟姉妹や他の親族などを小さい年代の子どもが介護せざるを得ない状況に置かれていることが社会的な問題になっています。
ヤングケアラーの問題は、これからも都度都度取り上げ、社会的に解決できる良い方法を探していきたいと考えています。






ヤングケアラーとは


ヤングケアラーといっても、家族に介護を要する人がいる場合に、大人が担うような責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子どものことを「子どもケアラー」、18歳〜おおむね30歳代までのケアラーを「若者ケアラー」と呼びます。

介護が必要な人は、主に障がいや病気のある親や高齢の祖父母ですが、兄弟姉妹や他の親族などの場合もあります。
若者ケアラーは子どもケアラーと同様、または、さらに介護責任がより重くなることもあります。
若者ケアラーには、子どもケアラーが介護を継続している場合と、18歳を越えてから介護がはじまる場合とがあります。
2021年初めて公表された全国的な実態調査の結果、中学生のおよそ17人に1人、高校生24人に1人がヤングケアラーだと判明しました。




ヤングケアラーを取り巻く状況

2020年12月から2021年1月にかけて、公立の中学校1000校と全日制の高校350校を抽出して2年生にインターネットでアンケートを実施し、およそ1万3000人から回答を得た結果、「世話をしている家族がいる」という生徒の割合は中学生が5.7%でおよそ17人に1人、全日制の高校生が4.1%でおよそ24人に1人いることがわかりました。

ヤングケアラーが担っていること

・料理や洗濯、掃除などの「家事」
・投薬管理、着替えや移動の介助など「一般的なケア」
・見守り、声かけ、励ましなど「情緒面のケア」
・入浴やトイレの介助など「身辺ケア」
・きょうだいの世話、見守り
その他、金銭の管理、通院の付添い、家計を支えるための労働、家族のための通訳など

世話をする時間は、平日1日の平均で中学生が4時間、高校生が3.8時間でした。
中には7時間以上と答えた生徒もいたそうです。




国がまとめた4つの支援策

1.早期把握を

1つ目の支援策は「早期把握」です。
ヤングケアラーは本人に介護を一人で担っている自覚がなかったり、周囲に家族の問題を知られたくないと思ったりしていることが少なくありません。
このため、なかなか実態が表に出てこないことから、国もまずはヤングケアラーをいち早く見つけて支援につなげることが重要だと考えています。

早期把握のための支援策として、教育関係者、医療・介護・福祉の関係者、児童委員や子ども食堂などを対象に研修を実施し、ヤングケアラーへの理解を深めてもらうとしています。
たとえば学校生活のなかでは、休みがち、忘れ物が多い、宿題ができていないことが多い生徒に対してヤングケアラーの兆候がないかどうかをつかみます。

こうした子どもの状況の背景に、家族の世話や介護が原因としてあった場合はスクールカウンセラーやソーシャルワーカーと連携し、自治体が提供する福祉のサービスにつなぐことなどが想定されています。
また、各自治体ごとに地域の実情を把握してもらうため、独自に実態調査を行うことも推進しています。

2.相談支援を

2つ目の支援策は「相談支援」です。
実態調査では、ヤングケアラーの6割以上が、誰にも相談した経験がないと回答しました。
なかなか対面での相談ができないことを踏まえて、SNSなどオンラインで相談を受け付ける取り組みを進めることにしています。
また、子どもたちの相談にのるスクールカウンセラーやソーシャルワーカーの支援を強化して、相談機能を充実させ、福祉サービスのほか、民間の学習支援などにつなげていきたいとしています。

3.家事育児支援を

3つ目の支援策は「家事育児支援」です。
世話をしている家族で最も多かったのは、中学生、高校生いずれも「きょうだい」でした(中学生の61.8%、高校生の44.3%)。
きょうだいの世話を始めた時期は小学生のころからが多く、自分のために使える時間的余裕はないという回答も多くみられました。
また、ひとり親家庭の場合は「見守り」のほか、「家事」や「保育所への送迎」など、担っている役割が大きいことも分かりました。
このため、家庭での家事や育児を支援する新たなサービスを創設することにしています。

4.介護サービスの提供

同居する家族に病気や障害があるなどして治療や介護が必要な場合、すでに医療や介護の事業所のスタッフが家庭と関わりを持っていることがあります。
しかし、どのようなサービスを利用してもらうか検討する際に、すでに子どもによる介護があることを前提とされ、在宅で介護をする人がいるとして、介護サービスを利用する必要がないと判断されている恐れがあります。
このため、子どもが主に介護を担っている家庭は、子どもによる介護は前提とせず、在宅むけの介護サービスの提供を十分に検討するよう、各自治体などに周知することにしています。




まとめ

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか。

国はヤングケアラ−の認知度を高める取り組みを進めることにしていますが、その際の注意点として、ヤングケアラーが悪いことだと受け止められないようにすることをあげています。
子どもたちが家族の世話や介護をしていることが問題なのではなく、それが過度な負担となって勉強に支障をきたしたり、子どもらしい生活が送れなかったりすることなのです。まだまだヤングケアラーに対する取り組みの多くが法律で義務づけられている訳ではないので、今後各自治体がどう動いていくのかが大切になります。
どこに住んでいても子どもたちに必要な支援が届くように、子どもたちが声を上げやすい環境を整えていくことが求められていると強く感じますので、このブログでも都度取り上げていきたいと思っています。

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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似顔絵は、「似顔絵メーカー」で作成しました。