センテナリアン ( centenarian )とは、100歳以上の人のこと。
日本語 では「 百寿者 」とも表現します。
センテリアンの約9割が女性ですが、男女問わず誰もが長生きしたいと望んでいるのではないでしょうか。
もちろんただ寿命が長ければ幸せとは限りませんが、多くの人にとって健康で長く生きられることは理想だと思います。
しかし現実には、認知症がなく元気に自立しているセンテリアンは全体の2割ほど。
今回はセンテリアンの秘訣について深掘りしたいと思います。



センテナリアンは遺伝?


「不老長寿」という言葉があるように、ただ長生きすればよいものではありません。
不老の夢は古代から語られ続けてきましたが、現代の先端医学では長寿の原因を突き止めるために、細胞や遺伝子のレベルまで徹底的に分析・研究をしています。
研究を重ねた結果、「長寿遺伝子」ともいえるサーチュイン遺伝子の発見などがあり、老化はもはや自然現象ではなくなってきています。
長寿遺伝子次第で、老化そのものを防ぐことができる可能性も出てきたからです。
しかしそうなると、老化は自然に起こることではなく病気と同じカテゴリーに属することになってきます。

毎年、敬老の日の前に、厚生労働省がセンテリアンを発表しています。
老人福祉法が制定された1963年、100歳以上の高齢者に対して国が表彰制度を始めましたがその年は153人でした。
1981年に1,000人を超え、1998年に1万人を超えました。
さらに2012年には5万人を超え、2018年には69,785人となっており、年々急速に増加しています。

人は誰でもいつか寿命を迎えますが、医療技術の進歩や健康保険制度など、様々なな要因で平均寿命が延び、世界一の長寿国となった日本。
長寿のなかでも110歳以上の人物を指す「スーパーセンテナリアン」は、センテナリアン1,000人につき約1名しか存在しません 。

長寿だけではなく、元気に年齢を重ねることが大切です。






寿命の限度

長寿に関する研究・解明が進んでも、これまで、不老を手に入れた人間は一人もいません。
どんなに長生きしても、人は、最終的に老いて人生を手放なす日が来ます。
これまでギネスブックに認定された人類の最長寿者は、ジャンヌ・カルマンさんというフランス人女性で、122歳まで生きました。

英科学誌のネイチャー誌に、2016年10月、アメリカのアルベルト・アインシュタイン医学校の研究者による「人間の寿命の限界を示す科学的根拠(Evidence for a limit to human lifespan)」という論文が掲載され、議論を呼びました。
それによると、人の寿命には限界があり、 稀まれな例外を除けば、人の寿命はどんなに延びても115歳が限度だとしています。

人が何歳まで生きることができるのか、というのは永遠のテーマですが、多くの人の望みは、人生を元気なままで全うしたいということでしょう。

寿命は遺伝的な要因も深く関係していると言えますが、デンマークの双子調査の結果からは、寿命にかかわる遺伝の関与は20〜30%という報告があり、遺伝よりも生活習慣などの重要性が指摘されてきました。
そうした観点からもセンテナリアンについての研究は、世界中で行われています。
遺伝ではない生活習慣の面から指摘される長寿の共通点には次のようなことがわかっています。

「幸福感が高く自分の人生を肯定的にとらえている」
「毎日必ず体を動かしている」
「健康には注意を怠らない」
「きちんと食事をとる」
「友人、親戚、家族との絆が強い」


などです。

また、日本人は世界的にもセンテナリアンが多い国ですが、その理由のひとつとされているのが和食の基本「魚をよく食べる」「豆腐、納豆、味噌などの大豆製品の摂取が多い」のが挙げられています。





センテナリアンの特徴と問題


2018年に発表された100歳以上の高齢者の男女比を見ると、女性が61,454人で全体の約88%となっています。
センテナリアンが増加し、女性が圧倒的に多いという点は、日本だけではなく世界的な現象であることが確認されています。

表1:男女別百歳以上高齢者数の年次推移1)より一部引用


では、センテナリアンの健康状態はどうなのかを見てみると、全体の80%の方が要介護や認知症、寝たきりなど、なんらかの機能の低下がみられ、心身とも問題がなくお元気に過ごされているセンテリアンは2割ほどということです。

センテナリアンの特徴として、次のことがあげられます。

1.アルブミン値の低下(栄養低下)
2.炎症反応が亢進する
3.糖尿病が少ない
4.動脈硬化が少ない

これらの特徴が互いに健康に関係しているか確認するために、栄養状態の良い人、悪い人を比較してみたところ、栄養状態の良いセンテナリアンは認知機能も高く、炎症反応が低いことが分かりました。
これらのことから、健康長寿を目指すならば、良質な栄養状態を保つことが大切だと考えられます。

この20年間で約7倍に増えたセンテナリアンですが、センテナリアンよりさらに長寿となる「スーパーセンテナリアン」と呼ばれる人たちがいます。
スーパーセンテナリアンとは、110歳以上の長寿者を指しており、センテナリアンよりは人数は少ないですが、健康長寿のモデルとして注目されています。

総務省の国勢調査によると、2015年の時点で日本にはスーパーセンテナリアンが男性9人、女性137人の合計146人いることが分かっています。
現在ではさらに増えていると考えられますが、それでも総人口に対してとても少数であることには変わりはありません。



では、世界には、どれくらいのスーパーセンテナリアンがいるでしょうか。

GERONTOLOGY RESEARCH GROUPによる2019年の世界のスーパーセンテナリアンのランキングデータによると、上位34人すべてが女性となっており、さらに上位34人中、日本人女性が14人も占めているのです。
世界には何か国もあるにもかかわらず、多くの日本人がスーパーセンテナリアンの上位を占めていることに驚かされますね。

ただ、センテナリアンのうち認知症が無い人はセンテナリアン全体の30〜40%、そのうち認知症がなく自立生活はしているものの視聴力に問題がある人が14%、自立していてさらに視聴力にも問題のない人はセンテナリアン全体のわずか4%程度です。
寿命が延びているのは望ましいことですが、同時に病気やその治療費、介護費用などの新たな問題も発生しています。
健康寿命も伸ばす健康長寿となるためにも、糖尿病や高血圧が少ないとされるスーパーセンテナリアンの研究に期待されています。





まとめ

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか。

私は、センテリアンを迎えるためには、食習慣だけではなく、地域社会のあり方も重要ではないかと思っています。
コミュニティの結びつきを持ち続けることで、年をとっても地域で人々が支えあって元気に暮らせるのではないのでしょうか。
認知症を発症しても周りに初期の間に見つけてもらうことも可能ですし、いろいろな人とかかわりあうことで人生のハリが出るような気がします。
人との繋がりを大切にしながら、元気なセンテリアンを迎えられたら幸せですね。

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日はできる社畜としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
今まで培ったいきいき生きる術(すべ)をお伝えできれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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