飼い猫がうんちやおしっこをちゃんとしているかを確認することは、健康状態を把握するための大事な要素になります。
飼い主さんはペットトイレのお掃除をされていると思いますが、毎日見ているうんちやおしっこの回数や色、においに普段と違うことが感じられた場合は、早めに動物病院で診てもらいましょう。
今回は猫ちゃんの排泄物と健康のお話です。



うんちに異常が見られたら

「うんちから虫が出た」と受診する飼い主さんは結構いるそうです。
もしも排泄物に虫が混じっている場合は、獣医に見てもらうために気持ち悪くても現物を持参することを忘れずに。
猫の排泄物から出てくるのはサナダムシが圧倒的に多いのですが、虫が出たといってよくよく見たら実はエノキ茸や飲み込んだ輪ゴムだったりすることもあります。
外歩きをする猫は、稀にマンソンという寄生虫がつく事があります。
長さは1メートルを越える事もあり、お尻の穴から長いきしめんのようなものを垂れ下げて歩いていたら要注意です。
虫によって処方する薬の種類や使う量が違うので、できるだけ現物を持参するようにしてください。

また、毎日決まったフードを与えていれば排泄物のにおいも同じはずです。
「血液の臭い」や「硫黄の臭い」などが気付きやすい異常な時の特徴的な臭いとしてあげられます。

排泄する量も太くて適度な柔らかさのうんちが大量に出ていれば、飼い主は快食快便だと思ってしまいますが、実際はうんちの量が多くなるフードは消化率が悪かったり、混ぜ物でかさを増やしていたりする事が多いのです。
良質のフードは意外にうんちの量が少ないです。
肥満猫用のフードが良い例で、大量に食物繊維が混ぜ込むことでカロリーを減らし、満腹感を得るためのかさ増しをしています。
なので肥満用フードはうんちの量が非常に大きくなります。
うちの子は食べる量に比べてうんちが太い気がする、という場合はフードの質を見直してみるのも良いかもしれません。

うんちの色については、赤ければ血便というのは誰でもわかりますが、黒くても血便の場合があります。
胃からの出血している場合は、コールタールのような黒っぽい軟便になります。
猫用ジャーキーなどのオヤツには赤い色素を使用したものも多く、これが便にまざり真っ赤なうんちになることもあるので要注意です。
毎日決まったフードだけを与えていれば、うんちの色は毎回同じになり判断がつきやすくなります
日替わりでオヤツやヒトの食事を与えていると、便の形や色が毎日変化するので猫の異常を見分けるのが困難になります。

うんちの回数についてですが、小腸の下痢の場合は回数はあまり増えません。
水様便になりやすく、一回に出る下痢の量も大量です。
小腸で出血した場合は深刻な病気も多く、この場合は黒色からケチャップをどす黒くしたような便になります。
小腸性の下痢の場合は元気や食欲がなくなることが多いです。

うんちの回数が増えている場合、大腸で下痢になっている場合が多いです。
大腸性の下痢の場合はゼリーの様な粘液便もよく見られます。
出口に近いために出血が目立ちやすく、飼い主が血便を見て慌てることが多いのですが、案外大腸性の下痢からの出血は大事には至らない事が多いです。
頻繁に少量ずつうんちをしていれば下痢の場所は大腸の可能性が高いです。

排便ポーズをとっているのに出ない時は、便秘の場合はもちろんですが、「しぶり」と言って大腸に炎症があって実際に便が溜まっていないのに便意だけを催す時も何度もポーズをとります。
前立腺や会陰ヘルニアなどが原因で便秘になっている可能性もあるので、慢性の場合は病院で診察を受けた方がよいでしょう。

うんちの回数が少なくなったからといってすぐに便秘だとは言えません。
排便ポーズをとっても便が出せなければ便秘の疑いが強いです。
また、食べなければ便は出ないので、排便がなくなると便秘を心配する方が多いですが、食欲不振が続いたために便が出来てない場合も多いです。

猫の正常な排便の回数というのは特に決まりがありません。
毎日3回以上うんちをする猫もいれば、1日1回の猫もいます。
「何回だったら異常」とは言えないので、飼い猫の普段の回数と比較してどうなのかで判断します。





おしっこの回数について

「おしっこが出ない」と受診する飼い主さんも多いのだとか。
膀胱炎になると炎症で膀胱が刺激されるため、膀胱がカラッポの状態でも尿意をもよおします。
人で言うところのずっと残尿感が残ったまま、と言うところでしょうか。
膀胱に実際に尿が溜まっているわけではないのでおしっこは出ませんが、排尿のポーズだけを繰り返し、数滴ずつチョンチョンとします。
飼い主にはこれがあたかも尿が詰まって出ないかのように見えます。
本人は何度もトイレに行きたくて大変ですが、そんなに危険はありません。膀胱炎が落ち着けば回数も減ってきます。

怖いのは、本当に出ていない場合です。
オス猫は尿道が長いため、結石や膀胱炎で発生した血や細胞の屑などが尿道をふさいでしまうことがあります。

こうなると一大事。

便秘で2週間ウンチがでなくてもまず死んだりはしませんが、尿が2〜3日出なくなると尿毒症ですぐにアウトです。
閉塞して24時間以内であれば問題ない範囲ですが、48時間だと多くは尿毒症の症状が出て危険な状態になっています。
72時間おしっこが出ないと5割の確率で亡くなってしまいます。
膀胱炎でも閉塞していてもトイレには頻繁に行くので、見た目は一緒ですから区別が難しいのです。
ただ閉塞した場合は見るからに苦しそうなので、日ごろから観察していればわかるはずです。
尿道が詰まったかな? と思ったら、すぐに病院へ行くようにしましょう。
メス猫は尿道が太いので閉塞することは滅多にありません。





おしっこの色、臭い

おしっこの色が薄く、たくさん排尿すると何となく調子が良さそうに見えますが、これは落とし穴です。

過剰に水分を摂取すると尿が薄くなるのは当たり前ですが、そうじゃない場合も多いです。
代表と言える病気は腎不全です。

腎臓の機能が衰え、尿を濃縮することが出来なくなると薄い尿しか作れなくなり、大量に薄い尿を排泄します。
体内から水分がどんどん失われるので、喉が渇きたくさん水を欲しがります。
飼い主としては「水を飲むから尿がたくさん出るのだろう」と思うのですが、実際の仕組みは逆で、尿に水分を取られてしまうのでのどが渇き水を飲まざるを得ないのです。
この状態で余計な事を考え、「水を飲ませなければおしっこをしないだろう」と水分を制限すると、たちまち脱水をおこし体調は悪化します。
薄いおしっここそ要注意だと考えてください。

おしっこの臭いから判断しやすい病気として糖尿病があります。
特徴的な甘い匂いがする場合があります。
また、血尿が酷いと鉄臭い血の匂いがする事もあります。
膀胱に麻痺が起きると尿が全部絞りきれず、膀胱内部で細菌が発酵してラーメン屋の前を通ったような臭いが出ることもあります。

おしっこの色が濃いのですが、といって来院される飼い主さんは結構多いそう。
しかし、色が濃いというだけではあまり病気とは関係ありません。
飲む水の量が少なければ必然的に尿は濃くなり、色も濃くなります。
たくさん運動した後などは、水分を呼気とともに出しますから体液の量も少なくなり、筋肉からの色素も混じって余計に濃く見えます。
これは気にする必要はなく大抵元気です。
気をつけるのはあきらかに普通の黄色と違い、ビールを濃くしたような山吹色のような黄色になる黄疸の尿です。

怪しいと思ったら目の白目の部分を確認してください。
何となくでも黄色く見えたら黄疸の可能性が高いので、すぐに病院へ行きましょう。

尿の色はふつうは黄色です。
赤っぽかったら血尿。
また、膀胱炎やネギ中毒など、赤血球の破壊でも赤色尿になります。
薄い出血の場合は赤に見えず、茶色に見えることもあります。






まとめ

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか。

飼い猫のうんちやおしっこは大切な健康のバロメーターです。
回数や量の多い少ないと一喜一憂するのではなく、常日頃から自分の愛猫のうんちやおしっこの状態をチェックし、普段と違うか違わないかを基準として健康チェックを行ってください。
少しでも変だと感じたら、なるべく早く病院で診てもらいましょう。

今回から、猫ちゃん記事の最後にひと時の癒され時間として、私の好きな猫写真家、岩合光昭氏のYouTube動画を掲載します。
やっぱり、猫が好き♪



岩合光昭の世界ネコ歩きmini

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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似顔絵は、「似顔絵メーカー」で作成しました。