猫と一緒にいる生活はしぐさを見ているだけでも心が和むものですが、猫は飼い主に従うという考えがほとんどない非常にマイペースな動物です。
当然人間と一緒に暮らすためのルールを教えるという犬流のしつけを猫にも当てはめるのは至難の業です。
甘えて寄ってきたと猫を撫でていると、突然嫌がって逃げたり、甘噛みを始めたり、キックを連発してきたり。
猫に対して「こうしてほしいのに」と思うことが出てきたときは、そんな猫の性質を理解して、上手に覚えてもらわないといけません。
猫にしつけをするのは、根本的に難しいのですが、やるのなら「提案型」をおすすめします。



猫に「しつけ」は必要か

犬にしつけをするイメージは湧きやすいですが、猫に対してはイメージしにくい方も多いのではないでしょうか。
猫にもしつけはできるのでしょうか。
また必要なのでしょうか。

答は「YES」です。

猫も人間と一緒に暮らす上でしつけをすることは大切なことです。
しつけというよりは、人間と一緒に暮らす上でのルールの共有と言った方が良いかもしれません。
猫はほおっておくと人間にとってとんでもなく困った行動に走ることが危惧されます。
多少でも事前にコントロールできるようになることで共同生活がしやすくなります。

ひとつ屋根の下で一緒に暮らしていると猫に対して「こうして欲しいな」と思うことが出てきたとき、どうやって教えていけばいいのでしょうか?

犬とは違って飼われているという自覚がない猫に、お互いにコミュニケーションを取りながら、人間と暮らすためのルールを教えるという犬流のしつけをすることはとても難しいと言わざるを得ません。
猫に対しては「しつけ」というよりは、「こうしたらどうでしょうか」「こうしていただけませんか」という提案をしながら、猫が受け入れてくれるように仕向けていきましょう。
たとえば「粗相をしないように使いやすいトイレを用意し気持ちよく排泄できる猫砂を見つける」「猫が戸惑わないように環境を一定にする」「あちこちで爪をとがないようにあらかじめ好みに合いそうな爪とぎを何か所かに置いておく」など。
また、キャリーバッグに抵抗せずに入る習慣をつけたいのであれば、常時さりげなく部屋の隅に置いておき、自分から入って探索をしたり、くつろぐ場所であるように仕向けてあげるとよいでしょう。

週齢が小さい生後2週から7週の間にいろいろなモノやヒトを見せて、楽しい体験をたくさんさせてあげると、大きくなってから周りの環境に馴染みやすい猫になるといわれています。

まずは猫に自分の名前がなんであるかを覚えてもらいましょう。
そのためには猫の注意をひくときや食事のときには猫の名前を呼びます。
猫が飼い主のほうにやってきたら、ご褒美をあげたり、大好きなおもちゃなどで遊んであげましょう。
「名前が呼ばれる=いいことがある」と覚えてくれます。

反対に大きな声や強い口調で呼ぶのは禁物です。
叱るときにも名前を呼ぶのはやめましょう。





「しつけ」の具体例

猫の「しつけ」の具体例をご紹介したいと思います。

1.トイレ

犬に比べて、猫は比較的早くトイレを覚えます。
トイレはその猫専用のものを用意してリビンクの隅など落ち着いて排泄できる決まった場所にセットしてください。
猫が落ち着きなくそわそわしだして、あちこちのニオイを嗅ぎ、床をかくしぐさを始めたら、トイレに連れて行きトイレの中に入れてあげましょう。
これを何度か繰り返すうちに、自分でその場所がトイレだという事を覚えて、自分から排泄しに行くようになります。
猫をもらい受ける際に、そこで使っていたトイレの砂を少しもらって、今のトイレに敷いておくとさらに早く覚えます。
またトイレ以外の場所で排泄していた時は、その尿を拭きとったペーパーをトイレに入れておいたり、排泄した場所にトイレを設置し直すのもいいでしょう。

基本的に猫のトイレはひとり1台ですが、うちでは現在2匹が1つのトイレを共有しています。
以前はひとり1台だったのですが、ある日突然メス猫がオス猫のトイレで排泄するようになりました。
自分の猫砂よりオス猫の猫砂が気にいったようなのです。
猫はトイレが汚れていなくても、尿のにおいが残っていたりすると別の場所で排泄することがあります。
メス猫の猫砂は消臭力がオス猫の猫砂よりも低く匂いが残りがちだったのです。
それでオス猫のトイレの方がいい、となったのかもしれませんが、いまはふたりで仲良く一つのトイレを使っています。


2.爪とぎ

爪とぎは猫の正常行動で、この行為を止めることはできません。
猫がといでも良い「爪とぎ」を用意し、そこで行うようにしつけましょう。
もともとは、木の幹などで爪をとぐ習性があり、爪を整えるのと同時に自分の存在を示すマーキングの意味もあるといわれています。
やめさせることはできませんが、こまめに爪切りをすることで爪とぎの回数を減らすことはできます。
猫は起きてすぐに爪をとぐことが多いので、爪とぎの設置場所としては寝場所の近くで目立つところが理想です。
爪とぎは立って行うことが多いので垂直に爪を立てても動かないようにしっかりと固定ましょう。

材質はいろいろな種類がありますが、猫によって好みはそれぞれです。
お気に入りの材質がみつかるまで探してあげてください。
一般的にはダンボールや麻などの素材が好まれますが、うちの子はカーペット素材の爪とぎが一番好きなようです。
新しい爪とぎは、まず猫の手の爪をこすりつけて、ニオイをつけておくと良いでしょう。


3.イタズラ

ゴミ箱をひっくり返す、植木鉢を倒す、棚の上のものを落とす、電気コードをかじる…困った猫のイタズラもしつけ方にコツがあります。
猫がなぜイタズラをするのかを考えてみましょう。
猫は、とても好奇心が旺盛な動物なので、気になるものがあったら、つい触ったり叩いたりします。
行動力もあり、縦に横にと立体的に移動するので、猫が通りたい場所に邪魔なものがあったら、どかしたくなります。
猫に触られたくないものは、棚に入れるなどして叱らなくても良い環境づくり対策をしましょう。
猫を叱る前に、猫の気持ちや習性、行動範囲を考えてしつけをすればイタズラも減ります。

猫を叱るときは、「その場ですぐに」が基本です。
時間が経ってから叱っても、猫は何のことだか理解できません。
叱るときは短い言葉で強く「ダメ!」「NO!」と言いましょう。
ガミガミと長い言葉で叱っても、猫に伝わらないばかりか、猫にとっては不快感だけが残り、飼い主との信頼関係が損なわれてしまうかもしれません。

また、家族全員でしつけの方針を統一しておくことも大切です。
「お父さんは叱るのに、お母さんは叱らない」「同じことをしても、この前は叱られたのに、今回は何も言われない」などのブレがあると、猫の中やっていいことと悪いことの区別がいつまでもつきません。

叱る時に体を叩くなどの体罰は、絶対にやめましょう。
叩くと猫は強い恐怖を感じるため、叱るときは、頭を軽く押さえる程度にとどめるように。
体罰よりも手を叩いて大きな音を出したり、水鉄砲や霧吹きなどで水を少量かけたり、空気を吹きかけたりして行動を制止させるのが効果的です。
猫は「この行動をするとイヤなことが起きる」と学習してくれます。
猫は水を嫌がるので、やめてほしい時に吹きかける小さな霧吹きを常備するのも良いアイデアです。
猫に触ってほしくないものには、猫の苦手な柑橘類やココナッツ、シナモンの香りが含まれているスプレーを吹きかけておくのもよいでしょう。
イヤなニオイがしたり、舐めると苦いことを学習すると、猫は自然と近づかなくなります。
猫によって苦手な匂いは異なるので、効果が高い匂いを見つけることが大切です。

猫を叱ってばかりいると臆病になったり、気難しくなったりしてしまいます。
猫は名前を呼ばれてやってきたり、ご飯を大人しく待てたり、イタズラを我慢できたりと“良い子”にできたら、大げさなくらいに褒めてあげましょう。
叱ったら同じだけ褒めることを心がけてください。


4.噛み癖

元来猫は狩猟動物で、獲物を捕獲して生きてきた歴史があるため、相手を引っ掻いたり、噛み付いたりするのは当たり前なのです。
でも家庭で飼っているのであれば、噛み癖は無くしたいですよね。

猫が人間に噛み付くほどイライラしたり、興奮するときには必ず何らかの理由があります。
例えば大きな声で話しかけたり、側で大きな音を立てると猫が静かに落ち着けなくなりイライラしてきます。
また発情期になると、猫はソワソワしたり、縄張りを主張するために攻撃的になります。繁殖をさせないのであれば、早めに不妊手術を受けるようにしましょう。

猫の体を撫でることは大切なスキンシップですが、触られたくないときに無理矢理に構っていると、猫が怒って噛み付くことがあります。
尻尾を左右に素早く振ったり、耳をピクピクさせていたらイライラのサインです。
そっと話して好きなようにさせてあげましょう。




まとめ

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか。

猫と人間が仲良く生活するために、しつけは必要なのですが、犬と同じ方法ではうまくいきません。
猫は動くものや獲物を捕まえようとする本能があるので、おもちゃなどを使って狩猟本能を満たしてあげましょう。
ただし手をおもちゃ代わりにすると猫にとって人間の手=おもちゃという認識になってしまい、遊んでいないときでも噛み付いたり引っ掻いたりするようになるので、手をヒラヒラさせて追いかけっこをするなど、手を使って遊ぶのはやめておくのが賢明です。
その猫に合った効果的なしつけ方法が必ずあるので、猫の性格や気持ちを考えながら上手に実践してくださいね。

【アイリスオーヤマ公式】アイリスプラザ

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




このブログは
bootstrapテンプレート
Maxim Theme.の無料版を使わせていただいてます。

似顔絵は、「似顔絵メーカー」で作成しました。